Heartを重ねて 総つく aoiさま
俺の胸に唇を這わせていた牧野が、そこをツンと指で突きながら上目遣いで見上げてくる。
やめろよ。
そんなうっすら赤く染まった顔して、潤んだ瞳で見上げるな。
優しくしたいのに出来なくなるだろう?
ここまで来るのは長かった。
最初の頃は部屋の明かりをすべて消して。
それでも『恥ずかしいから見ないで』と言われて手探りで抱いた。
ま、見えそうで見えないってシチュエーションも燃えたけどな。
次は明かりを点けて。
でも下半身はしっかりシーツに隠されてた。
お前の秘部から溢れる蜜を味わいたくて、舌を伸ばした俺を蹴飛ばしたのはいつだったっけ?
今は声を押し殺すこともなく甘い啼き声を上げるようになったな。
その声がますます俺を昂らせるんだ。
もっと聞かせてくれよ。
少しずつステップアップしてきた俺たち。
最終目標は俺自身をその柔らかな唇で愛してくれ。
俺もお前を愛するから。
抱き合ってトロトロに蕩けるまで愛し合おう。
ちょうど心臓のある位置に小さなハート形の黒子。
なぁ、知ってるか?
お前と抱き合うようになるまで、それは俺の数少ないコンプレックスの一つだったんだぜ。
それが今では一番好きな身体の一部だ。
ベッドにうつ伏せにしたお前の腰だけを持ち上げ、後ろから覆い被さるように少し身体を捻ってお前を抱いていると、お前の白い背中にあるハート形の黒子と擦れて重なって最高に気持ちがいい。
お前も好きだよな?
この体位。
奥のイイところに当たるんだろ?
枕に顔の右側を埋めて啼き声を上げながら俺を見つめる眦に滲む涙を、そっと優しく唇を寄せて吸う。
しょっぱいはずなのに甘く感じるのはなぜなんだろう?
ほら白い背中が少しずつピンクに染まってきた。
“もっともっと”と揺れる腰を、ぎゅっと抱き締めて引き寄せる。
そろそろラストスパートだな。
さぁ、いこうか。
一緒に昇りつめるべく腰の動きを速め、同じリズムで身体を揺らす。
きゅうきゅうと収縮するお前の胎に、俺の熱い想いを吐き出す。
早くこの薄い膜を取っ払って体液を混ぜ合わせる関係になりてぇ。
そん時には、お前は俺と同じ【西門】だな。
あぁ、牧野。
お前と心も、身体も、吐息も、鼓動も、黒子も重なるこの時、このまま死んでもいいとさえ思う。
なぁ、牧野。
お前の背中に俺と同じ形の黒子を見つけた時、俺がどれだけ嬉しかったかお前は解るか?
お前も知らない背中の黒子の位置も形も、俺だけしか知らない秘密だ。 ・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
スペシャルサンクス aoiさま

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