ずっとずっと 25
亜矢さんと棗さんと過ごす時間は楽しくって、昔からこの人達を知っていたかのような不思議な錯覚に陥る。
棗さんは、お仕事が忙しいらしく、専ら亜矢さんと2人でゆっくりと過ごした。
「そうそう、しぃちゃんに、良いもの見せてあげる。私の宝物」
取り出したのは、微妙に違う桜色の紙の束
「綺麗でしょーーー毎年ね、とても楽しみにしている作家さんの和紙なの。毎年ね大切な人に手紙を書くの…」
見覚えのある和紙をみかけ
「もしかして雪月堂さんの和紙ですか?」
「あら、しぃちゃんも知ってるの?」
「はい。とても素敵な色合いで私も大切な友人達にお礼を書くのに使わせて貰ってます。」
「フフッ 一緒ね。 しぃちゃん私ね毎年、この和紙のレターセットだけは自分の足で買いに行くのよ…大切な人への手紙だからね。去年は体調を崩してしまったので孫に買いに行って貰ったんだけどね」
一瞬、雪月堂で出会った美しい人を思い出す。
「大切な人には自分で選んだ大切なものをって、なんだか素敵ですね。」
「そんな風に言ってもらって嬉しいわ。」
亜矢さんは美しく微笑んだ。
最終の日の夜には棗さんも早く帰ってきて下さって三人で食事をとる。
「明日でしぃちゃんともお別れなんて淋しいわね… あっ、そうだ雪月堂さんに行く時にしぃちゃんと会えるかしら?今年からまた日本に行く事も多くなると思うし…また会って下さるかしら?」
「勿論喜んで。亜矢さんとまたお会いできるなんて考えただけで嬉しいです」
「…コホンッ 素敵なレディのお二方、出来れば私もいるのを忘れないで一緒にお仲間に加えて頂けると嬉しいのだけどね。」
三人で顔を見合わせ笑いあう。
「しぃちゃん 今度はフランスの本邸にも是非遊びにおいでね」
「はい。でもこちらが本邸ではなかったのですか?」
「言ってなかったね。孫がこちらの大学に通っていてね、亜矢さんと2人で仕事がてら遊びに来てるんだよ。」
「孫にもぜひ会って欲しかったのだけど、いまちょうど日本に行っていてるんだよ」
「そうだったんですね。お二人のお孫さんなら素敵な方なんでしょうね~是非お会いしてみたいです」
「えぇえぇ 私達が言うのも恥ずかしいのだけど、本当に優しくて素敵な子よ。是非お友達になって下さると嬉しいわぁ。しぃちゃんとなら素敵な関係になりそうだし。 桜の季節、あの子にも付き合って貰おうかしら」
「ウフッ 楽しみにしてまーす。」
一週間の間ですっかり打ち解けたあたしと亜矢さん。お別れする時は淋しくて淋しくてあたしにしては珍しく子供のように泣いてしまい、恋の告白の様な台詞まで口に出していた。
「ヒックヒック ごめんなさい…あたし…亜矢さんの事凄く好きみたいです」
「しぃちゃん 私もあなたが大好きよ」
「…あのね、気分を悪くしないで欲しいのだけど、しぃちゃん私の大切な子に驚くくらい良く似ているの。最初はその子を思い出して、懐かしくて可愛くて仕方なかったのだけど、 でもね一週間一緒に過ごして、今は棗さんも私もあなたがあなた自身が大好きよ。私達の友人になってくださいね。 桜の咲くころまた会いましょうね。」
亜矢さんは優しくあたしを抱きしめてそう言った。
出逢えた事に感謝して、日本への飛行機に乗った。
なぜこんなにも亜矢さんという女性に惹かれたのだろうか?
色々な出会いを繰り返し、小さな小さなさざ波が寄せ合い
少しずつ少しずつ大きなうねりになっていく。
あたしはまだそれを知らない...
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「そうそう、しぃちゃんに、良いもの見せてあげる。私の宝物」
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「あら、しぃちゃんも知ってるの?」
「はい。とても素敵な色合いで私も大切な友人達にお礼を書くのに使わせて貰ってます。」
「フフッ 一緒ね。 しぃちゃん私ね毎年、この和紙のレターセットだけは自分の足で買いに行くのよ…大切な人への手紙だからね。去年は体調を崩してしまったので孫に買いに行って貰ったんだけどね」
一瞬、雪月堂で出会った美しい人を思い出す。
「大切な人には自分で選んだ大切なものをって、なんだか素敵ですね。」
「そんな風に言ってもらって嬉しいわ。」
亜矢さんは美しく微笑んだ。
最終の日の夜には棗さんも早く帰ってきて下さって三人で食事をとる。
「明日でしぃちゃんともお別れなんて淋しいわね… あっ、そうだ雪月堂さんに行く時にしぃちゃんと会えるかしら?今年からまた日本に行く事も多くなると思うし…また会って下さるかしら?」
「勿論喜んで。亜矢さんとまたお会いできるなんて考えただけで嬉しいです」
「…コホンッ 素敵なレディのお二方、出来れば私もいるのを忘れないで一緒にお仲間に加えて頂けると嬉しいのだけどね。」
三人で顔を見合わせ笑いあう。
「しぃちゃん 今度はフランスの本邸にも是非遊びにおいでね」
「はい。でもこちらが本邸ではなかったのですか?」
「言ってなかったね。孫がこちらの大学に通っていてね、亜矢さんと2人で仕事がてら遊びに来てるんだよ。」
「孫にもぜひ会って欲しかったのだけど、いまちょうど日本に行っていてるんだよ」
「そうだったんですね。お二人のお孫さんなら素敵な方なんでしょうね~是非お会いしてみたいです」
「えぇえぇ 私達が言うのも恥ずかしいのだけど、本当に優しくて素敵な子よ。是非お友達になって下さると嬉しいわぁ。しぃちゃんとなら素敵な関係になりそうだし。 桜の季節、あの子にも付き合って貰おうかしら」
「ウフッ 楽しみにしてまーす。」
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「ヒックヒック ごめんなさい…あたし…亜矢さんの事凄く好きみたいです」
「しぃちゃん 私もあなたが大好きよ」
「…あのね、気分を悪くしないで欲しいのだけど、しぃちゃん私の大切な子に驚くくらい良く似ているの。最初はその子を思い出して、懐かしくて可愛くて仕方なかったのだけど、 でもね一週間一緒に過ごして、今は棗さんも私もあなたがあなた自身が大好きよ。私達の友人になってくださいね。 桜の咲くころまた会いましょうね。」
亜矢さんは優しくあたしを抱きしめてそう言った。
出逢えた事に感謝して、日本への飛行機に乗った。
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