ずっとずっと 140
「うっ、ゲホゲホっ」
逢えた途端に窒息死するかと、焦った。
「大丈夫?」
そう聞いてくる。
「あっ、はい。」
彼がニコリと笑って、私の名札をみながら
「2度目だね。うんと‥筒野ルゥさん?」
いやいや、宝珠琉那です。とは言えず
「あっ、はい。」
彼の名札を見る
「‥道下シンさん?」
「うん。よろしく。」
点呼がかかり班ごとに別れるのに、棒を引く。
” 神様!どうかどうか シンさんと一緒の班にして下さい ” そう願う。
緑の色がついた棒を引き当てた。チラッと見るんだけど、
シンさんの棒の色が見えない‥キリンのように、首を伸ばす。
恭ちゃんとジーナが「おいっ、お前解り過ぎだろ」と笑う。
ふんっだ、恭ちゃんとジーナだって、解り過ぎでしょ?そんな気持ちを込めて2人を睨んだ。
「おっ、こえっ」「美人台無しになんぞ」なんて小さな声で、2人がからかう。
「恭ちゃん、ジーナ、それ以上なんか言ったら、瑞希と紅のパパに言うよ。」私は小さく呟く。2人は慌てた様子でコクンコクン頷きながら、「ごめん」「すまん」そう謝ってくる。
紅が緑の棒を持っているのが目に入った途端‥ ジーナがあたしの棒を奪う。 瑞希の棒の先端が水色だった瞬間、今ジーナが変えた棒を、恭ちゃんが奪っていく。
あたしの手元には、赤色の棒が残る‥ はぁーっ、もしも見えたら二人に変えて貰おうと張り切ってたのに、もう無理じゃんね。下を向いた瞬間。
赤の棒の人はココに集まって下さーいと声がかかる。
あぁぁ、班は全部で5個。 一緒になれないのかな? とぼとぼ歩いて向ったのに
ぐふふっ、神様って居るんだね。
もう超ラッキー、 恭ちゃんとジーナに感謝だよ。感謝。あの2人もたまには役に立つ。
シンさんがうっすら微笑む。それだけで胸がドキドキする。
シンさんとペアになって‥私の頭の中には、キンコンカンコーン鐘がなる。
あぁやっぱり、この人が好きって、鐘がなる。
ずっとずっと見ていたいけど、それじゃ、恭ちゃん達と一緒になっちゃう。
きばってくぞー。空に向って拳をあげる。
後ろに並んでいた、シンさんが、ククッククッと笑ってる。
あ、穴があったら‥ は、は、入りたーーーいでおます。
「筒野さん面白いんだね。」小さく呟く。
あははっ、恋する乙女になった筈なのに‥
森下の言う事ちゃんと聞いとくんだったって、ちょっとだけ後悔した。
瑞希と紅なら、こんな失敗しないのにって。
あぁあぁー、今日は甘いもんでも食べてから帰ろう。
瑞希と紅、付き合ってくれるかな?恭ちゃん達が連れ帰っちゃうかな?
しようがない、そうなったらインディゴちゃんの所にも寄らせてもらおっと。
なんて、思ってたのだけど‥
帰り道、恭ちゃんが良い働きを見せたんだ。
「道下さん、道下さん、道下さんって、イーエルスキップしたって本当ですか?」
「あっ、うん。本当だけど‥」
「俺、イエールに行きたいんっすよ。もしもお時間あったらイエールの事、教えて貰えませんか?」
シンさんは、優しく笑って
「いいよ。」
そう言った。
私の胸は壊れちゃったの?って、思う位にキュンキュンしてる。
3on3で、まるでバスケット?
いやいや、トリプルデートだよね?
紅が脇腹をつつきながら
「ルゥ、ニヤニヤしすぎ。」そうほくそ笑む。
えっ” と思って、瑞希を見ると‥
「うん。ルゥバレバレだと思うよ。」
可愛らしく微笑む。 瑞希の笑顔を見るとふにゃぁ〜と力が抜ける。
紅は行動。瑞希は癒し。
じゃ私は?と聞くと
2人揃って ” ルゥは光り ” そう答えてくれる。
それじゃうちの姉弟やぁ と返すと、
それでも” ルゥは光り ” そう答えてくれる。
私は、この大事な幼なじみの親友をも捨てたんだ。
彼を得る為に。
私は、彼しか愛せない。
彼も、私しか愛せない。
だから‥…せんないことやったんや。そう思う。
だけど‥‥ごめんなさい。私にはこの愛を彼を諦める事など出来なかった。
シン sin 罪
だから あなたは、私にシンと名乗ったのかもしれない。
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