明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

Tea for Two 2 司つく

うーーーん 大きく伸びをして首を回すと、コキコキ音が言う。
「ふぅっー疲れた。」
小さなチョコを一つ口に放り込む。

雅美がくるんとチェアを回して、あたしの方を向く
「それにしては、ご機嫌じゃん。」
あたしは、小さく笑って、小さくVマークをする。
雅美が
「えっ、じゃぁ進展したの?」嬉しそうに笑って聞いてくる。
「へへっ、名前がわかったよ。」
「おっ、進歩じゃん。で?」
「司さんって言うんだって。」

雅美が、司、司、司ねぇーー うーん 司さんなんていう背の高い眼鏡ハンサムなんて居たっけ?なんて考え込んでいる。どこの部署? 番号かメアドは?って聞かれたけど‥まだって答えたら、「つくし、もうちょっと女子力あげて頑張んな」と肩を叩かれた。

「あっ、でもご飯誘われたんだよ」偉そうに言い返したら
「じゃぁ、なんであんたは、ここであたしと二人で残業してんの?しかも折角のバレンタインディーに」
そう怒られた。 なんでも、こんな時は、雅美に残業押し付けて一緒にご飯に行けだって。そんなの、雅美に悪いじゃんかと、言葉を返すと
「それはお互い様だから大丈夫。今度チャンスがあったらそうしな」

そうなんだ‥ ひゃぁー 大人の友情ってやつ?って聞いたら、雅美が
「あんた、いつも嫌な顔一つしないで、変わってくれるでしょ?この部署につくしのお願い断る奴なんて皆無だよ」嬉しい気持ちのお礼にと、チョコをあげたら「私は、子供かぁー」そう言いながら、口に放り込んで笑った。

「さて、もう一仕事頑張ろうか」
時計の針が11時半をさす頃、ようやっと仕事が終わり、二人で社を出る。

地下鉄の駅で、雅美と別れ、一人電車に揺られながら、夕陽に照らし出された、司さんの美しい横顔を心に思い出していた。思わず触れてみたくなる程の綺麗な横顔で‥だけど、笑うと思いのほかに可愛い顔をしていて‥自分の顔が、電車の窓に映る。もうちょっとだけでも美人だったらなぁーなんてちょっぴり残念な思いに囚われた。

道明寺HDの海外事業部の法務課に勤めるあたしは、自分で言うのもなんだけど、決して頭は悪くない。愛嬌だってそこそこある。資格マニアの時代に取った数々の資格も持っている。

でもねぇーーー女子力は、すこぶる低い。自分で嫌になるほど低い。まぁこればっかりは致し方ない事だけど‥がっくりきちゃうくらい低いんだ。「はぁっー」 溜め息を一つ吐いた。
自宅のある駅に降り立つ。駅前のコンビニで、ご褒美にシロクマくん買ったら。そんな気分は吹き飛んでたけど。
お風呂上がりに、シロクマくんを食べながら、もう一度司さんのことを思う‥今度はいつ会えるかな?って。今度誘われたら、一緒にご飯行こうって。今度会ったら、勇気を出して電話番号聞いちゃおうって。

もうドキドキして今日は眠れない?って、思ったけど‥ 気が付いたら目覚ましに起されてた。

「ふぅわぁーーー ものの3秒で寝たってことかな?」ちょっぴり笑って起き上がる。
カーテンを開ける。


うーーーーん 今日も快晴。


中々屋上に行く暇もなく、行っても会えずに、あの日から一週間が過ぎていた。
「牧野ちょっと」
杉下課長に呼ばれる。 あたし?何かやったけ?なんて思いながら課長の元に行くと
「部長室に俺と来いって。お前なんかやったか?」なんてことを聞いて来る。
うーーーん特に思い当たらない。首を傾げながら
「なんかやりましたっけ?」そう言うと「わからん。」そんな答えが返ってくる。

係長と二人でエレベーターに乗り込む。部長室をノックすると。部長秘書が扉を開けて出迎えてくれる。満面の笑みで、紙をヒラヒラさせている。 目を凝らす。

「牧野つくし君だっけ?」
「あっ、はい。お呼びにあずかりました、牧野です。」
「いやぁー 君、随分優秀なんだってね。入社時の成績もトップ成績。語学も英仏独と中国語がOKなんだって?それに、法務の知識だよね?」
「あ、はいまぁ‥」しどろもどろになりながら答えると、ヒラヒラさせていた紙をあたしに差し出しながら
「うん。と言うわけで、異例中の異例で、海外事業部から専務秘書課に配属替えね。」
「ひ、ひ、秘書課ですか? あ、あ、あの‥そ、そ、それは‥」
「そう。秘書課。海外事業部もエリートだけどさぁー、もう大抜擢だよ。大抜擢。 専務秘書課は、選りすぐりのエリート集団だからね。じゃぁそういうワケだから。」

そう言うわけも、どう言うわけも、わからないまま‥翌週月曜からの、専務秘書課の配属が決まっていた。
驚いたのは、もちろんあたしだけじゃなくって、課長始め課の皆が驚いていいた。

慌ただしく引き継ぎが行われる。正味一週間での引き継ぎに、勿論屋上に、一息いれにいく暇も余裕もなく‥瞬く間に時が過ぎて行った。
金曜の夜、皆があたしの為に送別会を開いてくれて、ちょっぴりもの哀しくなりながら帰路についた。

そして迎えた月曜日‥ 
社員バッジの色も、カードも新しいものに一新された。
嬉々としている、部長にドナドナのように引きずられ、エリート秘書軍団の元に立たされていた。

グラビアモデル並みの女性陣、エリート臭ぷんぷんの男性陣。

ひゃっ、ひゃっ ど、どうするあたし?



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10 Comments

asuhana  

mさま(拍手返信)

いやん♡ありがとうございます♪

2016/03/14 (Mon) 15:11 | EDIT | REPLY |   

asuhana  

ひろ子さま(拍手返信)

ありがとうございます♡

2016/03/14 (Mon) 15:10 | EDIT | REPLY |   

asuhana  

おとなAさま

あははっ、私一人ハラハラドキドキ中。
なんだかねぇ、 オフィスラブとどんどんずれていくような‥… アレっみたいな。

2016/03/14 (Mon) 15:06 | EDIT | REPLY |   

asuhana  

Re: こんにちは(*^^*)

空色さま
うーーーん。いやーん♡ で、終わる筈だったんだけどね
なんだかね‥… アハハッの展開になってる(ひゃーー)

2016/03/14 (Mon) 15:04 | EDIT | REPLY |   

asuhana  

ぐみありさま

あははっ、最初はその流れでサクッと終わらせようと思ったら
なんでかなぁーーーー ちがう流れになっている。
専務と秘書‥…いい響きだよねぇーーー それだった筈なのに
なんだかなぁーwww

友達の職場、超がつくカッコ良い人がいて、
違う部署でワクテカで話したら、女の人だったって言ってたよ。

おっ、宇宙人くんやりますなっ♪
給食用のマスク?手作り?いやんなになに?それ

2016/03/14 (Mon) 15:00 | EDIT | REPLY |   

asuhana  

Re: おはようございます♪(〃´▽`)

yukikoさま
あははっ、ちょっと楽しみにしてて〜
さすが‥ 天然最強の流れになっていくので(笑)

2016/03/14 (Mon) 14:56 | EDIT | REPLY |   

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2016/03/14 (Mon) 13:41 | EDIT | REPLY |   

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2016/03/14 (Mon) 11:18 | EDIT | REPLY |   

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2016/03/14 (Mon) 09:18 | EDIT | REPLY |   

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2016/03/14 (Mon) 08:10 | EDIT | REPLY |   

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