レッスン 前編 総つく
「若宗匠お願いがあります。」
神妙な顔をしながらも、唐突に本当に唐突にそう切り出した俺の弟子。
少しモジモジしながら
「あたしに色気をご伝授下さい」
必死になって頼み込んでくる、色気もへちまもない女。
「…い、色気ってか? いったい何言い出すんだお前」
焦る俺。本当にこいつはいつでも唐突だ。
18の年から、俺の所に通いだして早10年。
その間に、司とも別れ…
いつの間にか西門の一門に気に入られ、重鎮の狸オヤジ共を飼いならし
先月は立派に俺の半東まで努めあげるまでに成長した牧野。
語学の堪能な牧野に、目をつけた西門の事務局は
いつの間にか牧野をヘッドハンティングしていた。
牧野が事務局の海外広報部で働くようになって3年。
狸オヤジ共が事務局に何くれとはなく顔を出しているようだ。
気が付けば、重鎮勢揃いなんて事もあったりするらしく、事務局長が青くなっている。
この頃では、明らかに牧野目当てと思われる有力企業の後援者も増え
益々西門で重宝されている女。
「で、色気って何よ つくしちゃん」
「…ですから、大人の色気の事だってばーー あっ です。若宗匠」
「で、何で今更色気だよ? お前と色気は180度違うとこにあんじゃねぇの?」
「もぉー そこまで言う事ないよね、この バカ門!」
凄い勢いで怒ってきた牧野。
「ワリィワリィ で、あんで色気で、俺なワケよ?」
「だってさぁ、類じゃ色気の伝授は出来ないでしょ?類の伝授じゃ眠気になっちゃうのが関の山だし、道明寺じゃ明後日の方向にいきそうだし、滋さんは色気より食い気だし、桜子は適任?と、思ったんだけど桜子のレクチャーは難しすぎて…美作さんは海外だし…帰ってきても滋さんとデートで忙しいし、不戦勝で西門さんなわけよ。西門さんなら無駄に色気満載だしさ。ほら垂れ流して歩いてるくらいだから、ちょっとばかりそれをあたしにくれてもって…って、思ったわけよ」
「ふ、不戦勝って? あんだよそれ」
「まぁ、それは一先ずおいて、俺の理由はわかった。で、色気の理由は?」
「…うーーん。 あのね西門の事務局ってね、あたし達の年頃の女の子にはメッチャ縁談話が来るわけよ。前の職場だって秘書課の人間なんて引く手数多なわけよ。 来ないにしても食事に誘われたり、デートに誘われたするのよ。な、なのによ あたしにはちぃーっとも来ないの。本当にちぃーっとも。」
「……」
「でね、あたし真剣に考えたのよ。あたしに足りないのは何かって?」
「胸とか?胸とか? バストとか?」
からかう俺。
バコッ 本気で殴る牧野
「五月蠅い エロ門…人が真剣に話してるときは茶化さないの」
「ぅんとに、もー 話が進まないじゃん。 でね、考えて足りなかったのが色気だって結論に至ったわけよ」
「それにさ、西門さんならお稽古の時にも、仕事でも ちょくちょく会えるしから、わざわざ時間あわせなくてもいいし、ねっ、ねっ 一石二鳥でしょ?」
一石二鳥とかそういう問題じゃねぇし、 お前に縁談話が持ち上がらないのは狸オヤジ共の中で協定が結ばれているからで、お茶にも食事にも誘われないのは、事務局長やら狸オヤジやら西門一門総出でその手の話しを潰してるからで…牧野が言う色気云々は全く的外れなんだけどな
ワリィ虫がつかねぇように、誰かしら顔出してたってのもあるけどよ、前の職場だって似たようなもんだったて、お前の勤めていたとこの社長から聞いたぞ。
ホント、ここまで鈍いのもどうかと思うけどよ…
ってか、西門一門総出であいつの男関係潰してるのはなんでだ?? すげぇ不思議になるが、あぁそうかこいつのお陰で後援者が増えただ。なんのって言ってたからそのせいだと納得する。
ってか、縁談やら色恋が欲しいなら
司とは…? 司はまだ想ってるよな。 牧野がその気になりさえすればすぐにでも恋人同士に復活だろうよ。牧野は覆水盆に返らずなんて言ってケタケタ笑ってたけどよ。
それがだめなら、お前の心の一部の類がいるんじゃねぇのか? 王子様だぞ王子様 お前、類と会う度にいつも真っ赤になってんじゃねえか? それによぉ、あいつ たしか先月も牧野に 「牧野ー結婚しよー」 って、言ってたよな? もう冗談ばっかりなんて言って アハハッ笑ってたけどよ。
あきらは半年前から滋と付き合いだしただの、なんだの言ってたからないとしてもだ
F4の内半数だぞ半数。立派なもんじゃねぇか。
牧野がその気になりさえすれば、色気なんかなくても大丈夫だろうがよ。
現にあの滋が、色気バリバリのあきらと付き合ってんだからよぉ、それ見て色気なんて恋愛には関係ねぇーってわかんねぇのかな?
「で、答えは答え?」
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神妙な顔をしながらも、唐突に本当に唐突にそう切り出した俺の弟子。
少しモジモジしながら
「あたしに色気をご伝授下さい」
必死になって頼み込んでくる、色気もへちまもない女。
「…い、色気ってか? いったい何言い出すんだお前」
焦る俺。本当にこいつはいつでも唐突だ。
18の年から、俺の所に通いだして早10年。
その間に、司とも別れ…
いつの間にか西門の一門に気に入られ、重鎮の狸オヤジ共を飼いならし
先月は立派に俺の半東まで努めあげるまでに成長した牧野。
語学の堪能な牧野に、目をつけた西門の事務局は
いつの間にか牧野をヘッドハンティングしていた。
牧野が事務局の海外広報部で働くようになって3年。
狸オヤジ共が事務局に何くれとはなく顔を出しているようだ。
気が付けば、重鎮勢揃いなんて事もあったりするらしく、事務局長が青くなっている。
この頃では、明らかに牧野目当てと思われる有力企業の後援者も増え
益々西門で重宝されている女。
「で、色気って何よ つくしちゃん」
「…ですから、大人の色気の事だってばーー あっ です。若宗匠」
「で、何で今更色気だよ? お前と色気は180度違うとこにあんじゃねぇの?」
「もぉー そこまで言う事ないよね、この バカ門!」
凄い勢いで怒ってきた牧野。
「ワリィワリィ で、あんで色気で、俺なワケよ?」
「だってさぁ、類じゃ色気の伝授は出来ないでしょ?類の伝授じゃ眠気になっちゃうのが関の山だし、道明寺じゃ明後日の方向にいきそうだし、滋さんは色気より食い気だし、桜子は適任?と、思ったんだけど桜子のレクチャーは難しすぎて…美作さんは海外だし…帰ってきても滋さんとデートで忙しいし、不戦勝で西門さんなわけよ。西門さんなら無駄に色気満載だしさ。ほら垂れ流して歩いてるくらいだから、ちょっとばかりそれをあたしにくれてもって…って、思ったわけよ」
「ふ、不戦勝って? あんだよそれ」
「まぁ、それは一先ずおいて、俺の理由はわかった。で、色気の理由は?」
「…うーーん。 あのね西門の事務局ってね、あたし達の年頃の女の子にはメッチャ縁談話が来るわけよ。前の職場だって秘書課の人間なんて引く手数多なわけよ。 来ないにしても食事に誘われたり、デートに誘われたするのよ。な、なのによ あたしにはちぃーっとも来ないの。本当にちぃーっとも。」
「……」
「でね、あたし真剣に考えたのよ。あたしに足りないのは何かって?」
「胸とか?胸とか? バストとか?」
からかう俺。
バコッ 本気で殴る牧野
「五月蠅い エロ門…人が真剣に話してるときは茶化さないの」
「ぅんとに、もー 話が進まないじゃん。 でね、考えて足りなかったのが色気だって結論に至ったわけよ」
「それにさ、西門さんならお稽古の時にも、仕事でも ちょくちょく会えるしから、わざわざ時間あわせなくてもいいし、ねっ、ねっ 一石二鳥でしょ?」
一石二鳥とかそういう問題じゃねぇし、 お前に縁談話が持ち上がらないのは狸オヤジ共の中で協定が結ばれているからで、お茶にも食事にも誘われないのは、事務局長やら狸オヤジやら西門一門総出でその手の話しを潰してるからで…牧野が言う色気云々は全く的外れなんだけどな
ワリィ虫がつかねぇように、誰かしら顔出してたってのもあるけどよ、前の職場だって似たようなもんだったて、お前の勤めていたとこの社長から聞いたぞ。
ホント、ここまで鈍いのもどうかと思うけどよ…
ってか、西門一門総出であいつの男関係潰してるのはなんでだ?? すげぇ不思議になるが、あぁそうかこいつのお陰で後援者が増えただ。なんのって言ってたからそのせいだと納得する。
ってか、縁談やら色恋が欲しいなら
司とは…? 司はまだ想ってるよな。 牧野がその気になりさえすればすぐにでも恋人同士に復活だろうよ。牧野は覆水盆に返らずなんて言ってケタケタ笑ってたけどよ。
それがだめなら、お前の心の一部の類がいるんじゃねぇのか? 王子様だぞ王子様 お前、類と会う度にいつも真っ赤になってんじゃねえか? それによぉ、あいつ たしか先月も牧野に 「牧野ー結婚しよー」 って、言ってたよな? もう冗談ばっかりなんて言って アハハッ笑ってたけどよ。
あきらは半年前から滋と付き合いだしただの、なんだの言ってたからないとしてもだ
F4の内半数だぞ半数。立派なもんじゃねぇか。
牧野がその気になりさえすれば、色気なんかなくても大丈夫だろうがよ。
現にあの滋が、色気バリバリのあきらと付き合ってんだからよぉ、それ見て色気なんて恋愛には関係ねぇーってわかんねぇのかな?
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