ずっとずっと 149
目的は、ただ一つだった。
その事はひた隠しにし、私は両親に懇願した。
通っていた学校が、国際バカロレア資格認定校だったこと。
TOEFL GRE SAT で必要なスコアを上回る事が出来た事
NYに、光が居る事も後押しをしてくれた。
お父様とお母様を説得するのに功をなした。
最終的には、長期休みには、必ず帰ってくるとの条件で留学を許してもらったのだ。
4年間、嶺だけを見つめ、嶺だけを愛してきた。
嶺には、何度も別れよう。そう言われた。
その度に、嫌いじゃないなら別れないでくれと縋った。
20才の復活祭の日、私は嶺に抱かれた。
私から、誘惑した。どうしてもどうしても彼が欲しかったから。
欲しいものを、失いはしない。
欲しいのは、嶺だけだから。
あの日から2年‥…
京都の邸宅に戻るまえにインディゴちゃんの家に来ている。
肉親同様に私を愛してくれる存在。
週に一度は連絡を取る。大学在学中も何度も遊びに来てくれた。
「うーん、まぁ座りなさい。」
私と嶺の顔をみて、渋い顔になりながらインディゴちゃんが椅子を勧める。
「で、なんて言ったと?」
「子供が出来ました。2人で逃げたい。そう言ったの。」
私は、インディゴちゃんに微笑みながら答える。
「生活はどうすると?」
「二人で何とかする。」
ルゥが凛として答える。
「薫を説得する気にはならんと?」
「話したら最後、私は二度と嶺には会えなくなってしまう。お腹の子だってどうなるか解らない。」
目の前のルゥがそう答える。
いつの間にか、すっかりレディになった琉那。
「17のあの日から、私の欲しいものは、嶺だけなの。だから私は手放したくないの。」
ルゥが嶺を、手放したくないとそう答える。
「つくしと、道明寺氏の間には何があったかは知っとるとよね?」
二人が頷く。嶺が口を開く
「琉那に聞いてるかもしれないけど‥」
嶺が話しだす。
アレンが病にかかり、骨髄移植が必要になった時の事を語り出す。
グレンダではなく、アレンが自分の生物学的な母親だと知った時の衝撃。
父と母の偽りの関係。つくしと司の関係。
「琉那と2人結ばれた所で、誰も喜ばないなんて百も承知なんです‥…何度も別れようと思いました。だけど、俺も琉那もお互いにお互いを忘れるなんて無理なんです。」
そう言って、琉那を見てニッコリと笑った。
この子達は全てを知った上で、悩み傷つき、だけど同じ事を繰り返さないようにしようとしているんだ、あたしは理解した。
「インディゴちゃんには、許して貰いたかったの。私の大切な人だから。」
生まれたばかりのルゥを思い出す。節目節目のルゥが目に浮かぶ。インディゴちゃーんと手を振りながら毎週のように遊びにきたルゥ。
小ちゃかったルゥが目に浮かぶ。いつの間にか、こんなに立派なレディになったとね。
「いつ出発すると?」
「明日、誕生日パーティーが終わったら、出発するつもり。」
「じゃぁ、うちにお泊まりに来る事にしとくとよ」
ルゥがあたしに抱きついて、ありがとう。ありがとう。そう言うと
あたしは、ルゥの髪を撫で、
「幸せになるとよ」 そう呟いた。
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