修羅 14 総つく

「つくしーーータオルとってー」
「つくしーーーーパジャマー」
「つくしーーーつくしーーーー」

つくし、つくし、つくし　一体一日何回呼べば気が済むのだろうと言うくらい、つくしのオンパレードだ。タオルもパジャマも目の前にあるのに関わらず。

ジロッと睨む。
「つくし♪」節までつけながら、睨みなんてなんのそのだ。

で、次はなに？と見れば‥　小鳥のように口をあーんと開けて、ご飯を食べさせて貰うのを待っている‥

「もぉっ、総！」
「誰もいない。いない。」
そんな風にいいながら　
”　あーーーん　”　と子供のように口を開けて待っている。

もうこうなって来ると笑いしか零れない。
おかずを口元に近づける。　パクッと食べて、えらくご機嫌になっている。

この人って、こんな甘えん坊だったんだ？なんて改めて感じる。
可愛いな。そう思う。
知れば知る程失いたくないそう思う。

こんな風に思うあたしも大概イカレテルのかもしれない。

総が好き。好き。好き。大好き。
今日は好き好き攻撃で、抱き倒してみようかな？
それとも、イヤヨイヤヨも好きなうちモード？

うーーん。やっぱり、あたしもイカレテル。

「あっ、いまエロイ事考えてただろう？」
「ぷっ、エロイ事って？」
頬杖付きながら、あたしは総に質問する。
テーブルの下の、あたしの足は‥総の身体を弄（まさぐ）っている。

「エロ野になってる。」
「エロイあたしは、お嫌いですか？」
ククッと笑いながら、美しい顔で、あたしにキスをする。
総のキスは、あたしを蕩けさせる。
あたしは、舌を出す。総の舌があたしの舌を絡めとる

「総、好き。」
「あぁ」
「だめ、総も言って‥つくし好きって」
「お前、エロ過ぎ。」
「だって、エロ野だもん」
「くくっ、エロ野じゃなくてよぉ、一緒にエロ門になろうな」

あはっ　うん。あたし‥いまバカみたいに破顔してるんだろうなって、総を見たら
もっともっと嬉しそうな顔してる総がいて。別にバカみたいに見えないで
たまらなくたまらなく魅惑的で。幸せで幸せで、たまらなくなる。

「でも２人揃ったら、エロエロ門だね。」
「エロエロ流でもつくっか？」

二人でバカみたいに笑って‥

見つめ合う。
総があたしを、あたしが総を見つめる。
二人で貪り合うように、キスをする。

総の美しい指があたしの身体をなぞる。
人格を持って動いているような指を見つめ、あたしの身体の芯はゾクリと疼く。


総の指先に口付けをして、一本一本付け根までねぶる。
日本の芸術を、あたしはねぶる。


「つくし‥」
「っん？」
「俺、お前が好きだわぁ」
「あたし、嫉妬深いよ‥」
「あぁ、知ってる。ってか俺も嫉妬深いぞ」
「あたし，離さないよ」
「俺も、離さねぇよ」

「あたし‥強欲だよ、」
「あぁ、俺も強欲だ。」

総がにっこりと美しい顔で笑う。その笑顔に酔いしれる。




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