Tea for Two 15 司つく
”了解です。デザートのあとの記憶をみてきます。”
”じゃぁ、あたしは、あっちをみてきます”
”じゃぁ、あたしは、こっちをみてきます”
たくさんの小人さんが駆け巡る。みんなあたしのミニチュア小人。
ぷっ そりゃそうだ。あたしの脳みその中なんだから♪ルン♪
いやいや、つくし ルン♪ じゃない。ルン♪じゃ。
先ずは、と衣服を見る。ブラウスにスカート。皺は寄っているけれど、着衣の乱れはなし。ヨーシ
下着は、勿論つけている。 ヨーシ
怪我はなし。どころか、フカフカ布団のお陰で、いつにもない爽快感。
うーん。清々しい
いやいやそうじゃない。そうじゃない。で、で、ここはどこだっけ?
昨日は、ゴートン会長と金さんに行って、メープル系列のスウィーツ店に行って、そうそうその調子、その調子、で、で、空港に送りに行って、専務と二人帰路に着いた‥ どこに? 起きたら専務のうちだった。凄ーくでかくて、それだけで圧倒されそうになったけ。で、で、で、お腹が ぐっーーーーと鳴って、ご飯を頂いて、おいとましようと思ったら、デザートまで出して下さって、幸せ気分いっぱいになって‥‥
あっ
あっ
あぁーーーーー やちゃった。くぅっーーー
許容量以上に飲んじゃったんだ。 ひゃぁーー 参った。これで何度失敗して来た事か。
朝起きたら、カーネルおじさん真ん中にして、あたしと滋で寝てたんだよね。
返しに行ったら、めっちゃ怒られたんだっけ‥あははっ‥
道のど真ん中で寝てたのは、いつだったけ? ぐふふっ、あん時は、桜子とだったよね〜
優希とは、なんだったけ?あぁーあたしが看板蹴飛ばして、血だらけになったんだっけ
あははっ
あっ、違う。違う。今、あたしが考えなきゃいけないのは、あたしの今のこの状況だ。
レッツシンキングタイムー。小人出よ〜 なんて思っていたら
カチャリッ ドアが開いて、背の高い美しい女性が、美しい微笑みを携えて立っていた。
「こんにちは。つくしちゃん♪」
女性の後ろに位置するのは、うーんと‥タマ先輩で。
「つくし、椿お嬢様だよ。坊ちゃんのお姉様だよ。」
坊ちゃん? あぁー そうだ。そうだ。ここは道明寺専務の自宅だったんだ。
ひゃっ、あたし‥ 大失態だ。
ひゃっーーー ど、ど、どうしよう‥
酔っぱらって、道明寺専務をペチペチ叩いてたりしてた気がする。
うぅぅうぅーーー どうしよう。あたし、もしかしてクビになっちゃう?
「クビになっちゃう?」椿さんと呼ばれた女性が、あたしに聞いてくる。
「‥‥はい。‥専務‥を‥あたし‥ペチペチ」
話しの途中だと言うのに、目がゴロゴロする。あれ逆さ睫毛?
「つ、つ、つくしちゃん‥な、泣かないで大丈夫。ちょっと待ってなさい。」
そう言って、慌てて部屋を出て行ってしまった。
えっ、えっ、泣いてなんかいない。 って、ど、ど、どこに行ったの?
タマ先輩が、ヤレヤレと言う風に両手をあげて
「椿お嬢様は、電光石火型だからねー もう、そろそろかねぇー」
ノンビリ言葉を発した後ろから
開け放した、ドアの外から‥
「ゲッ、姉ちゃん なにすんだー」
道明寺専務の声が聞こえてくる。
ひゃぁーーーーーーーーーーーーーーー 間違いなく、あたしクビ決定。
でも、でも‥
クビ云々の前に、椿さんの誤解を解かなくっちゃいけない。あたしは、声のする方に向う。
四の地固めをされてる専務発見‥ってか、半端ないっす。椿さん‥
「あ、あ、あの‥」
「ちょっと待っててー、性根を叩き直すから」
いやいや、待てません。
「違うんです。違うんです‥」
「えっ!」
で、椿さんと専務とあたしの3人で、朝食をとっている。
居たたまれないけれど、専務の家のご飯は美味しくって、思わずニンマリしちゃう。
はっ、食事を楽しんでる場合じゃないよ‥ね?
怖ず怖ずと顔を上げると、満面の笑みの椿お姉さんと、道明寺専務‥
摩訶不思議な休日の朝になってしまった。土曜日の朝。
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