修羅 17 総つく
目の前に現れたのは、あたしの愛する男‥ って、御見合い相手って総?
あたし達2人は、無視されて‥どんどん話しが進んでく。
百瀬会長が嬉しそうに、あたしと総の顔を見て、
「まぁっ、そう言うワケだから。先ずは食事でも‥」
って、どういうワケ?の説明はない。
お仲人さんとういのだろうか? 滋さんパパが、あたしの紹介を始める。
「牧野つくしと申します。どうぞ宜しくお願い致します。」
次に、総の事を紹介する。
「西門総二郎と申します。どうぞ宜しくお願い致します。」
着物姿の総はとても色っぽく、艶やかで、ついつい見惚れてしまう。
だけど、なんだかちょっぴり頭に来る。
相手があたしだったから良かった物の‥
総、あんたなんでのこのこと御見合いに来てるのよ?
滋さんパパが、あたしと総を見ながら、お二人は高校大学がご一緒だったんですよね。
なんて事を笑いながら話し始める。
総のご両親は、驚いていらっしゃるようで
「あら、まぁ」だの「おぉ、これもご縁ですな」なんて事を、頷きながら話している。
「牧野さんは、いや、つくしちゃんは私の娘の友人でもありましてねぇ、娘の暴走を止められる唯一の砦だと感謝しておるのですよ。SunnySpotが短期間でここまで大きくなったのは、つくしちゃんのお陰なんですよ。」
なんて事を、おしゃって下さる。
どこの馬の骨ともわからないあたしを、大切な存在として扱って下さる。
百瀬会長が
「つくしちゃんと、ココにはおらんが桜子ちゃん、滋ちゃんの3人娘は、儂とおケイちゃんにとって、娘みたいな存在でしてね、可愛くて可愛くて堪らんのですわ。」
百瀬夫人までもが
「主人はね、つくしちゃんと私が似てる似てる言わはるんですよ。今はね、お仕事の合間に、百瀬会でお手伝いしてしてもらったりもしてますのよ。」
そんなことを、西門の家元、家元夫人に向って話す。
「お茶のお稽古は、私の師匠が付けておりますの。まぁもともと師匠の方が先につくしちゃんと知り合ってるんですけどね。」
そう言った瞬間、家元、家元夫人が驚いた顔で、百瀬夫人とあたしを交互に見る‥
「牧野さんのお師匠さんは、鈴也様と言う事でしょうか?」
「えぇ、そうなりますね。なんせ鈴也さんは、私の小さな時からのお茶の先生ですからね」
ニコヤカに笑って、そうおっしゃた後に
「鈴也さんの方では、先月、半東さんも努めましたのよ。」
家元夫人が
「でしたら、鈴也様が、大変可愛がっていらっしゃるお嬢さんと言うのは、牧野さんなんですね。」感心した口ぶりで話している。
百瀬夫人が
「鈴也先生としては、お孫さんの柊さんとくっ付いて欲しかったみたいなんですけれどね‥今回のお見合いは大変喜んでいらしゃってね。」
なんて、微妙に余計な事も一緒に話している。
総が、「鈴也様の半東さんか‥」ポツリと呟いている。
鈴也先生との出会いは、もうかれこれ7年近くの時が経つ。
柊さんのお婆様‥ 柊さんと別れた後も、懇意にして頂いてる。
一瞬、柊さんの事が頭を過る。瞬間、総と目が合う。
総は、あたしには直接聞いてはこないけれど、柊さんとあたしの事を知っている。
‥今夜、総はあたしを抱き倒そうとするだろう‥勿論あたしは受けて立つ。
あたしを愛すると言う事は、あたしの過去も含めて愛すると言う事だから。
代わりに、あたしも総の過去を含めて愛してあげるから。
この先の未来は、総を総だけを愛してあげるから。
あたしの全部を丸っと、引き受けてね。あたしは総の目を見つめ微笑む。
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