Tea for Two 20 司つく
小っけぇ女は、一人で勘違いしながら暴走を始めてる。
「温泉なん行かねぇよ」
「あら〜そうなんですか。残念!」
あんまり残念そうじゃなく、そんなことを言う。
「お前、温泉好きなのか?」
「好きですよぉ〜 ってか、温泉嫌いの日本人あんまり居ないんじゃないですかね?」
ふぅーん そう言うもんか。
好きですよぉ〜 か、 好きって響きは、良いもんだなぁー なんて事をしみじみしみじみ思う。
「そうか、好きか。そうだな、俺も好きだな。」
「ですよね〜」いい笑顔で笑う。
「お前、星好きか?」
「っん?好きですよ〜」
すげぇ可愛くいいやがる。幾ら見ても見飽きねぇ笑顔でもう一度笑う。
でだ。でだ。ただいま、星観察中。
月から始まって、火星、木星、金星、土星が見えている。
「うわっ、うわっ 凄いですね〜」
あー、凄い綺麗だな。好きな女と見る星空は、こんなにも綺麗なんだな。
ホットワインを飲みながら、牧野が星空を眺めてやがる。
くぅっ、可愛いなぁー マジ可愛い。
そんな風に思ってた30分前。
ホットワイン、飲みやすいがアルコール分が全部飛ぶ訳じゃねぇんだな。
「おい、こら。道明寺〜 ちゃんと聞いってっか?」ケラケラ笑いながら、バシバシと俺を叩いてきやがる。
ったく、この女ばっかりは、マジ酒癖がワリィ。
「あぁ、聞いてんぞ」
「よぉろぉしー!でね、でね、司さんがね‥」
“司さん” お惚気話が始まりやがる。
やれ、いい匂いがするだぁ、(俺と同じ匂いだよ)
やれ、ハンサムだ(俺と同じ顔だよ)
やれ、素敵な声だ(俺と同じ声だぞ)
やれ、優しいだ
“司さん” は、こいつにとっての“理想の王子様”って、奴だ。
「ドウミョウジー聞いてる?」
ニヘラニヘラ笑いながら、嬉しそうに惚気てやがる。
こいつの思いを聞きながら、複雑な思いに囚われる。
俺は、トイレに行く振りをして、眼鏡をかけて、髪を散らし、牧野の元に帰ってきた。
俺をみた牧野。ぽわ〜んとして顔になって、「夢みたーい♪うふふっ夢‥」そう言って、嬉しそうな表情を浮かべて、コテっと寝ちまいやがんの。
牧野を抱き上げ、ベットルームに連れて行く。「つ‥か‥ささん‥むにゃむにゃ」
何の夢見てんだろうな?幸せそうな顔して、司さんの名前を呼んで、寝てやがる。
「こらっ、ドウミョウジ!!」
って、俺の名前は呼捨てかよ。
だけどよ、お前の夢の中に出れて‥俺は幸せだ。
ってかよぉー 牧野、 早く俺のもんになれや。
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