Tea for Two 25 司つく
目を覚ましたら、至近距離?ううんオデコとオデコをくっつけて、道明寺と二人で眠ってた。
ドッキン。
まただ‥道明寺の無防備な顔を見るとあたしの鼓動は高鳴るんだ。
反則だよ道明寺。彫刻の様に綺麗な顔しているのに、こんなにあどけない顔して眠ってるんだもん。
吐息と吐息が触れ合う距離。
あたしは、道明寺を見つめる。
ドッキンドクドク
胸の鼓動は鳴り止まない。
そうか、あたし‥‥道明寺に恋をしちゃったんだ。
はぁっーー 溜め息を一つ吐く。
あたしって、あたしって、尻軽女だったんだと思って、溜め息を吐く。
司さんが好き。好き。大好き。毎日15分の語らいで、ドンドンドンドンその思いは溢れて居た筈なのに‥その思いと、恋とは違うんだと気が付く。
司さんは、あたしにとって憧れの人。あたしにとっての王子様。カッコ良くて、大人で優しくて、そんな憧れの王子様。
だけど、憧れの王子様じゃなくて、この目の前の男に、あたしは恋をしたんだ。憧れの恋じゃない本気の恋を。
いつの間にか、いつの間にか、道明寺はあたしにとって特別な人になっていたんだ。
同時に、この目の前の男は、道明寺財閥の跡取りで、道明寺HDの専務なんだと思い出す。
実らぬ恋なんだと‥思い知る。
恋に気が付いた瞬間、あたしの失恋は決定したんだって。
だったら、司さん?
あたしは、首を振る。司さんに対する気持ちは、ただの憧れだ。
昨晩の華やいだ気分とは裏腹に、あたしの心に、スゥ—ッと冷たい風が吹き荒れる。
ドキドキする心と共に、哀しみが訪れる。好きになってはいけない人に恋をしてしまったから。
道明寺に対する恋心は、封じ込めよう。そう決心する。
目を瞑り決心する。もう一度目を開けたら、道明寺専務とただの一秘書になろうと。
しばらくの間、辛いかもしれないけれど、大丈夫。あたしは、そう自分に言い聞かせる。
目を開けて、ベッドから飛び起きて、浴室に向かう。
シャワーのコックを捻って、思い切り泣く。目が腫れて気が付かれないようにするために、涙は拭かないで、シャワーのお湯で流しさる。
あたしの思いも全て、流れて行けと、シャワーを浴びる。
身支度を終えると、同じく身支度を終えた道明寺専務と目が合う。
「道明寺専務、おはようございます」
あたしは、専務秘書と言い聞かせ。ニコヤカに朝の挨拶をする。
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