その距離50センチ 8 あきつく
ほろ酔い気分の牧野が可愛く微笑んでるのに、
見てるだけ、それだけで幸せで‥
手なんて出せなくて‥
牧野が酔いつぶれたのを見て、ベッドまで運んで隣で見てた。
可愛いよなぁーって。
うん。すげぇー可愛いって。
布団をかけ直し、部屋を出た。
鍵は、ポストに入れておいた。
白み始めた道を歩いて、帰路についた。
朝帰りの俺を待ち受けていたのは、ニコニコ顔のお袋と親父‥と婆ちゃん
ワクワクしている3人を前に、あははっ‥と笑うしかなかった。
3人揃って『ヘタレ』呼ばわりだ。
俺としては、酒も、つまみも旨かった。牧野も可愛かった。
取りあえず、取りあえず幸せな一夜だったよ。
じっくりでいいんだ、じっくりで‥そう呟いた。
後ろから親父が
「好機逸すべからず」そう返事を返して来て
お袋と婆ちゃんから拍手喝采を受けていた。
起きて来た双子は、俺が帰ってきてるのを知って
態々,そう態々ベットサイドまで来て
「見込み違いでしたわね」
「えぇ、本当に期待はずれもいい所ですわ」
そう大きく、はっきり話して戻って行った。
日曜日の朝、ゆっくり寝坊した。
階段を下って行くと、何やらキッチンの方か華やいだ笑い声がする。
なんだろう?と思い覗きにいくと‥
「おはよぉー」
うんっ?? ま、ま、牧野?
「あっ、おはよう」
「夢子さんのお菓子教室にお邪魔してるのだ」
えへへっと笑いながら教えてくれた。
双子と婆ちゃんに、希美伯母さん?まで勢揃いで菓子作りをしている。
牧野を真ん中に、楽しそうに。
チロっとコッチを見た、双子の目は‥
私達の方がよっぽど行動力に優れてますわ。そう語ってた。
ふわふわのパンケーキ、カリカリベーコン、サラダ、果物、紅茶を、牧野が運んで来てくれる。
牧野が、横に座わって、紅茶を飲んでいる。
パンケーキを一口食べる
「旨い」
「えへへっ、ふわふわでしょ?」
嬉しそうに笑う。
フォークに刺して、牧野の口元に持っていく
「うん。美味しい」
すげぇ可愛い笑顔で笑う。
絵夢とすれ違いざま、
「今日は、お口あーんで65点差し上げますわ」
あははっ‥笑うしかなかった。
本日も、家族に感謝だ。
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