その距離50センチ 9 あきつく
悪いんだろうか?
うーん 微妙な数字だ‥な‥
正しく俺と牧野の関係だ‥
絵夢も微妙な線ついてくる。
やるなーなんて一瞬、思ったのは‥言えない。
オデコに手をあてて、「はぁっー」と溜め息吐く筈だ。
しかも、何故か芽夢も一緒に。
フッゥ~ 難儀だな。
朝早くから来ていた牧野。昼の内に帰ろうと思っていたようだが‥
そうは、いかせないのが‥我が家の女性軍
流石の牧野も、タジタジになりながら‥
「では‥お言葉に甘えてお夕飯を頂いてから、お暇致します」
そう言ってた。
だけどだ、牧野のグラスにサーブされているのは、
多分‥食前酒代わりのカクテルだ。
いい気分で飲んでる‥そろそろ止めとかないと
牧野、家に帰れなくなっちまう‥
そう思って止めようとした、瞬間‥
希美伯母さんが
「そうそう‥つくしちゃん、あなた月曜から美作物産になったから宜しく」
そう言い切っている。
キョトンとした顔をして、1秒後、驚愕の表情を浮かべた牧野‥
「あっ、あ、あの‥?そ、そ、それは?」
婆ちゃんが
「希美さんに、私からお願いしたの オホホっ」
そう笑う。
って、質問の答えにはなってない‥‥よな?
お袋と親父が、うんうん頷き、双子が拍手してる。
牧野が、俺を見る。
ちょっぴり酔っぱらった、色っぽい目付きで俺を見て
耳許で囁く
「美作さん知ってたの?」
咎めるような、甘えるような、なんとも曖昧な声音で。
「俺も初耳だよ‥」
囁き返す‥
俺達の会話が聞こえたのか、希美伯母さんが
「つくしちゃん、あなた元々が美作物産の社員だから。フォレストには出向って形で入社してもらってたのよ」
初めて聞いた内容を、事もなげに言う。
婆ちゃんは、大仰に頷いている。
牧野と俺は、鳩が豆鉄砲食らった顔になっていた‥
牧野は、軽く首をふり‥
「あの‥希美社長‥それはどう言った意味でしょうか?」
「言葉の通りよ、うふふっ、つくしちゃんの入社した年の社則に載ってると思うんだけど、読んでない?」
事も無げに、さもあらんと言った風情で言う。
フォレストへ一定条件以上で入社した人間は、
美作物産の出向社員としてフォレストに入社して、
社長秘書を経て、美作に差し戻す仕組みだと言う。
「あっ、関西の人間は沼田物産だけどね」
そう言って、伯母さんが笑った
美作の結束の強さを感じた瞬間だった。
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