Tea for Two 29 司つく
「相談は、乗ってやる。その男がどんな奴か教えろよ」
目を真っ赤にした牧野が、ポツリポツリ答える。
聞けば聞く程、ロクデモナイ男だ。
‥‥いや、嫌味な奴だ。
いつも良い香りを漂わせて、オーダーメイドのパリッとしたスーツや靴を身に付けて、小物は、日替わり。
バリトンの声は、女の心を鷲掴みにするらしい。
きめの細かい肌に、ギリシャ神話に出て来るように整った容姿‥
極めつけは、三白眼の鋭い眼光が、近づくものを蹴散らす。
なのに、瞳の奥は優しいの。
俺の惚れてる女が、嬉しそうに嬉しそうに、頬を赤らめて、そいつの事を話す。
「‥でね‥それは、ただの外見で、中身が魅力的なの。ぶっきら棒なのに、すごく優して‥」
なんだよ、ただのツンデレ野郎だろうよ‥‥
「部下に厳しいけど、良く見ててあげて、きちんと褒めるんだよ」
ッチ、仕事が出来る男ってやつか
「完璧なのに‥‥少年みたいで‥」
はいはい。少年よ大志を抱けってか?
「って、ゴメンなさい‥調子に乗ってベラベラと」
いや、牧野はいい。
お前が一生懸命に話す姿は、例え他の野郎のことだとしても‥‥
可愛いし,愛おしい。
「相談なんてお安いご用だ。いつでも聞くぜ」
自分で自分の首を、ギュッと締める音を聞いた。
「流石、司さん!どうぞ宜しくお願いします。」
ペコッと頭を一つ下げた牧野。
ッチ、畜生— すげ可愛いぞ‥
時計をチラッと見てから‥
「あっ、あたし明日からNYらしいんです。お土産買ってきますね〜」
そう、言いながら去って行った。
階段を駆け下りながら、牧野の好きな男を考える。
相手の男は、牧野の事を、どう思ってんのか考える。
牧野の話を聞く限りじゃ‥牧野の事、好きっぽいんだよなぁー
牧野は気付いてないけどな。
はぁっー 相思相愛、両思いって奴かよぉ‥
ってか、どこのどいつだー
あんな可愛い女を、泣かしてるんじゃないぞ。
いつでも、飛び切りの笑顔にさせてやれよな。
眼鏡を取り,髪を撫で付けて、いつもの俺に戻る。
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