Tea for Two 32 司つく
まぁ、俺も道明寺HD専務だ。他の奴らにはバレない自信はあるが‥
「道明寺‥きもい」
大笑いして元気になって、すっかり道明寺呼びに戻った牧野、真顔に戻って一番に放った言葉‥
コイツは、俺のちょっとした変化も見逃さない‥んだよな。
くくっ、そりゃそうだよな。コイツ俺に惚れてるんだかんな。
ププッニヤニヤ‥
「ねぇ、本当にきもいよ?」
社長室に続く廊下を歩きながら、ブツブツ言って来る。
「あんっ?いいんだよ」
嬉しい時は、ニヤつけってなぁー 家訓だ、家訓。ククッ
さてと、先ずはババァに挨拶か。って、ババァは何故に此処に呼んだんだ?
俺は、顔を引き締める。牧野がドアをノックする。
「お入りなさい」
扉の向こうから、鉄の女の声がする。
牧野の瞳が、キラキラ輝く。妬けるほど‥
クルリっと、椅子をこちらに向き直し、立ち上がる。
「司さん、牧野さん久しぶりですね。今日はわざわざありがとう」
ババァにしちゃ珍しく礼を言いやがる。
って、牧野久しぶり? コイツのこと知ってんのか?
大きな瞳を目一杯大きくしながら
「楓社長にまたお会い出来て大変光栄でございます」
直立不動の牧野が、憧憬の目でババァを見つめる。
ババァが、大きく頷きながら、右手を牧野に差し出す
「牧野さん、お待ちしていたのよ」
嬉しそうに、握手して満面な笑みの牧野。
秘書の野口がやって来て、なにやらゴニョゴニョ、牧野に説明をしている。
えっ?とか はい。とか言いながら、破顔する牧野‥
俺は、ババァに手招きされて小声で囁かれる。
「司さんは、牧野さんをどこから発掘したの?」
屋上から私的に‥発掘した‥とは、言えねぇで
「各部署からの報告書」そう答えた。
「あなたも見る目が養われてきましたね」
嬉しそうに、大きく頷いてやがる。
「で、俺らに何の用だ?」
俺 “ら” そう、ふーん とか、なんとか言いながら、テーブルの上に、ドサッと資料を置かれる。
「折角だから、あなた達2人にやって頂く仕事‥と、今回こちらに呼んだのは、牧野さんの表彰よ」
聞けば、資料の纏め方がこちらでも高く評価されたのと、前部署に居たときの数々の功績に対しての表彰らしい。
普段、表彰なんてあったけか?なんてババァを見れば,ババァの後ろに控える西田が
「コホンッ、初の表彰は、僭越ながら私が頂きました」
その後は、該当者なしって奴らしい。
へぇー、やっぱコイツすげぇんだな。俺は嬉しくなって、目を細めながら牧野を見る。
うーん。可愛いなぁー
で、もってコイツの好きな男は、オ・レ♪ってなぁー
俺は、ほくそ笑む。
ババァと西田が楽しそうに、俺等2人を見ていたのには、不覚にも気が付いていなかった。
牧野と目が合う。満面な笑顔で
「道明寺‥あっ、道明寺専務、東京支社の案‥採用ですって」
そう言ってくる。
自分の手柄じゃなくて、東京支社の手柄って奴にしている。
ったくよぉー お前に決めた。
あぁ、決めた。
調子に乗ってる俺の脳は、そんなことばかり考えてた。
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