Tea for Two 35 司つく
固まる俺に‥ この後、お前が放った言葉‥
「ごめんね。これ最後の一皿だったんだ‥」
はぁっー と安堵すると共に、
もしかしたら‥いやもしかしなくても、鈍感牧野は、このまま、俺の気持ちになんて、一生気が付かねぇかも知んねぇ、そう思った‥
もしや、いやもしかしなくても‥
コイツの頭は、とことん恋愛向けに出来てねぇ
って、ことはだ‥
コイツの言う、<好きな人、仕事、生きる>っつーのは、何だ?
まさか、好きな人の為に、仕事に生きるっつぅ意味か?
まさか‥な‥ いいや、そのまさか‥だな。
って、<決めた>って‥
なぁ、牧野‥どうせ決めんだったらよぉ、
俺の女になれ。いいや、なりやがれ‥
はぁっー 俺の気持ちは、一気に急降下だ。
俺の気持ちなんて、おかまい無しに‥
嬉しそうに、美味そうにデザートを食ってるお前。
可愛いんだよ。
色んな意味で溜め息吐いちまうぐれぇな。
くぅっーーー
* *
ふぅっー 焦った‥
道明寺が、あたしの唇の横についたソースを指先で掬いとって、舐めていた時は‥
あたし‥ソースになりたいって思ちゃった。
道明寺は、なんで‥そんなに色っぽいの?
一生、道明寺HDに骨を埋めるって決めたけど‥
あたし、道明寺の幸せを祈ってあげれるかな?
なんて考えたら、美味しかったデザートが砂を噛んでるように思えてきて‥
すんっ すんっ ふぁん ずっ‥ ポタリッ
ふえぇん ‥‥
「ど、ど、どうした牧野」
道明寺が慌ててる‥
それみたら、もっともっと涙が出て来て
グッスン、グッスン びぃえーえーーん
道明寺が、泣き止まないあたしの腕を掴んで、店の外に出る。
迎えの車に乗り込んで、あたしを抱き締めてくれる。
そんなことされたら‥あたし‥あたし‥もっと好きになっちゃうよ‥
そんな風に思ったら、涙が後から後から流れ出て‥‥
うぅぅぅぅん っすん びぃえぇえぇーん
えぇーん えぇぇん
沢山沢山泣いちゃって‥‥
沢山泣いたら、何だか‥眠くなちゃって‥
いつの間にか、道明寺に抱き締められて眠ってた。
* *
ご機嫌にデザート食ってた牧野‥
なのに、こいつのデッケェ瞳から一粒涙が零れきやがって‥
俺が声をかけたら、大声で泣き出した。
お前の涙の原因はわかんねぇけど、
取りあえず迎えの車に乗り込んで、泣いてるお前を抱き締める。
小っちぇ、ガキを抱き締めるように、泣いてるお前を抱き締める。
なぁ、牧野‥おめぇが哀しいと、俺はもっと哀しいや‥
漸く、泣き止んだ。そう思ったら‥俺の姫君はすっかり夢の中。
幸せそうな顔して夢の中‥
そんな、牧野がたまらなく愛おしくって‥‥
俺‥お前が目を覚ましたら、告ろう。そう決めた。
おめぇの涙の原因はわかんねぇけど、
どうした?そう言って、
すぐに抱き締めてやれる仲になりてぇって、思ったんだ。
なぁ、いいよな?
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