Tea for Two 36 司つく
コイツ、無防備だよなぁー ガキみたいに。
いやいや、今時のガキのが、余程しっかりしてんよな‥
ってか、コイツ‥無防備過ぎんだろう‥
仮にも、俺だって男だぞ?
『‥うーーん‥もぉ食べ‥な‥って‥むにゃ‥』
ぷっ、なんの夢見てんだ?また食いもんの夢か?
ったく‥ホント、お子様だよな。
なのによぉ、お前の黒髪が、白い肌が、この唇が、俺を誘惑すんだよな。
牧野を抱きかかえ、こっちに来た時に使ってる部屋に連れて行く。
反則かな? チラっと脳裏を過る‥
まぁ、いつまでも車に乗せておくわけにも、ホテルの中をお姫様抱っこするワケにもいかねぇもんな。
なんて、自己完結の都合の良い答えを出した。
良いんだ。俺は、道明寺司だ。だから良いんだ‥
ベットに降ろして、靴を脱がす。
‥靴を脱がすって、何かよぉービンビンくんぞ! やべっ‥
牧野を寝かして、ブランケットを上にそっと掛ける。
このまま見つめていたら、襲っちまいそうで‥慌てて首を振って、バスルームに行く。
勢い良く、水を出す。熱い身体を沈めるために‥
ブルッ、寒ぃー
うぅっ、寒ぃなぁ。修行僧でもあるまいし、流石に真水のシャワーはやり過ぎたか?
まぁ、しゃぁねぇよな。じゃぁねぇと‥襲っちまいそうになっちまったんだからよ。
ベットの上の牧野は、何も知んねぇで、昏々と眠り続ける。
気持ち良さそうに‥
コイツが、起きたら告ろうって、決めてた俺の決意が揺らぎそうになるぐれぇ、良く寝てやがる。
牧野の顔を見てたら、幸せな気分になって、俺もすげぇー眠くなって‥寝ちまった。
寒みぃなーなんて思いつつ、ローブのまま寝ちまった。
熱い体温を感じて、目が覚める。
隣を見ると‥道明寺で‥ えっ、えっ、ココどこ?えっ、えっ、色んな、エッ?が浮かんだけれど‥
それも一瞬で、道明寺の美しい顔に見惚れてしまった。
道明寺が、『うーーん』寝返りを打った瞬間、ローブがはだけて、美しい裸体が見えて‥
「キャッ」 一つ叫んで、道明寺を突き飛ばしてしまった‥
「痛っ」道明寺の声がする。
「ご、ご、ごめんなさい」
「あっ、いや大丈夫だ。寝るつもり無かったんだけど‥つい寝ちまった。ワリィ」
あたしは、慌てて首を振り
「あ、あ、あたしもお風呂借りても良いかな?」
道明寺が運んでくれたキャリーバックから、部屋着を持って。
バスルームに向った。
熱いシャワーを浴びて、部屋着に着替える。
「ど、ど、道明寺、あの‥あたし、どこで寝たら良いかな?」
道明寺に聞いてみる。
返事がない‥‥ っん?寝ちゃった?
近くに寄って、もう一度名前を呼ぶ‥無反応。
仕方がないので、ベットの脇に立って、名前を呼ぶ‥やっぱり無反応。
寝ている道明寺の顔を見る‥
あまりにも色っぽい顔で、思わず両手で触れてしまった‥
あれっ?あれ、あれれ‥ 顔が燃えるように熱い。吐息が熱い。
寝息が苦しそうだ。道明寺の額に、あたしのオデコを重ね、熱を見る。燃えるように熱い。
キャリーバックから、解熱剤を取り出して‥コップに水を汲み、濡れタオルを持って、部屋に戻る。
「道明寺、お薬飲もうか?」
「やだ」
声を掛けると、夢現の道明寺は、即答で、嫌だの返事を返してくる。
「やだないよ。お薬飲もうね?」
子供みたいに、大きく首を振ってイヤイヤして
「飲ましてくれなきゃ、飲まない」
小さな子供に戻ったように、駄々を捏ねる。
仕方が無い‥あたしは、道明寺の口元にコップを持っていく。
中々、飲んでくれなくて、どんどん熱は高くなっていくような気がして‥
心配で、心配で‥あまりにも心配で口移しで、解熱剤を飲ましていた。
コクリッ 喉が嚥下する。 それを見て、あたしは安堵する。
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