明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

ずっとずっと 32

一瞬、時の流れが止まったような錯覚に陥る

この一年、もう一度会いたいと面影を探し続けた少女がそこに佇んでいた。
美しい黒髪に黒い瞳の少女。


「薫!」 僕を呼ぶ悠斗の声が聞こえ、意識を取り戻した。


あの時と同じ不思議そうな顔で僕を見上げる彼女...



一陣の風が吹き、そこに現れたのは...
あの日出逢った人
桜色に頬を染めた美しい人だった

なぜ此処に? きょとんと見上げた瞬間...

目が合う...あたしを懐かしそうに見る瞳を離せなくなり、しばし見つめ合う。

「薫!」 悠斗の声がして現実に戻る。



「ルゥさーん お久しぶりです」
かおるちゃんが声をかける。

刹那
あぁこの人が 「 薫 」 
出会っていたけど知らなかった人。
知っていたけど出逢っていなかった人なんだと 理解した。

「また会えたね」
「また会いましたね」
2人同時に言葉を発し、驚いて2人で顔を見合わせ笑いあう。

悠斗とかおるちゃんが不思議そうな表情であたし達を見ている。


「 薫 」 彼を呼ぶ つぅ爺の声がする。
「お久しぶりです。お爺様...先日は大変お世話になりました。」

ビックリしてつぅ爺の顔を見る...

あまりにもマジマジと見てしまっていたのか...つぅ爺が慌てて説明する。
「しぃちゃん これが私達の孫の 宝珠薫 じゃよ。」

えっ” 宝珠って? 亜矢さんと棗さんのお孫さん?
私達って? つぅ爺と雪乃さんの事?
あまりにも驚いて、頭の中がパニックになりそうになり
口をパクパク開けてしまったあたし。

アハハッ 肩を震わせ破顔する 桜色の頬の彼。
笑い続ける彼に、周りにいた人が驚き顔を見る。

「薫君じゃないか」 「ルゥ君じゃない」
口々に声を掛けられる薫。

正気に戻ったあたしは、この人はどれだけ笑い上戸なのだとマジマジと見てしまった。

「クックッ...ごめん ごめん あんまりにも驚いていた顔をしていたから可笑しくて...」
尚も楽しげに嬉しそうに笑う彼。

「本当にごめん。僕は 宝珠 薫。 君はしぃちゃんだよね? しぃちゃんの噂は両方の祖父母や、悠斗から耳に穴が開くんじゃないかと思うほどよく聞いてるよ。よろしくねしぃちゃん」
亜矢さんに似た面差しで、艶然に微笑む

「いいえ。私は星野つくし。 あたしもルゥさん?薫さん?の噂は色々お聞きしていました。ただ、ごめんなさい悠斗の言う薫と亜矢さんのお孫さんのルゥちゃんっていうのがどうしても結びつかなくって…」

「クックッ...皆が皆知ってると思って、詳しく教えなかったんだね。そりゃ驚くよね」

「僕の事は、薫って呼んでくれるかな?あちらの学校でもそう呼ばれてたからね」


そんなあたし達をみていた悠斗が
「お前らって知り合いだったのかよ? ってか、知り合いなら名前くらいしってかぁ」
ブツブツ言い出した。

薫が
「去年、亜矢さんの代わりに雪月堂に来た際に出逢ったんだよ。」
艶然と微笑む

「オィ 薫 お前の説明じゃちっともわかんねぇぞーちゃんと説明してくれよ」
とかなんとか叫んでる。

いつの間にかやってきたかおるちゃんがワクワクしながらあたしの袖を引っ張り
「しぃちゃん~~~~ うわぁ なにがどうなってるの??」
クリクリした瞳をさらにクリクリさせながら詰め寄ってきた。

「あ、あ、あの...雪月堂でレターセットを譲ってくれって言われた人で..知り合いというか???知らない人?」

薫が横から
「これから知る人。で、悠斗の言葉を借りると気が合う奴だよ。ねっ」

「...だ、そうです。」

亜矢さんも雪乃さんも棗さんもいつの間にかやって来ていて...
皆一様に驚きながらも あたし達が仲の良い友達になったことを喜んでくれた。

興味津々で見ていた他の人達にも、亜矢さんが掻い摘んで説明すると、
皆一様に驚き、喜んでくれる。
京夫人、東雲夫人に至ってはキャァー ロマンティックよ 
なんて見当違いな事を言って騒いでいる。

お花見会がお開きになり、片付けの手伝いをしていると
いつの間にか、祥子さん達も かおるちゃん達もいなくなっていて
つぅ爺と雪乃さん 亜矢さん棗さん 薫とあたしの6人で残されていた。

親子水入らずじゃないけど、他人のあたし此処にいるのは、ちょっとと思い
「...あのぉ そろそろ私お暇しても宜しいでしょうか?」
そう聞くと...

ジロリっとつぅ爺があたしを睨み、
雪乃さん 亜矢さんが
「しぃちゃんなんで帰るの?今日はここにお泊りよ」
なんて、双子のリリーズの様に言い。
棗さんに至っては
「しぃちゃんは こんな老いぼれ軍団といるのがやになったのかなぁー」
なんて事を言ってくる。

あたしは慌てて
「居ます。居ます。お泊りさせて下さい」
懇願させられていた。

その様を 薫は隣で、肩を震わせ笑って見ていた。

こうして長い長い一日が過ぎていく。


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2 Comments

asuhana  

Re: タイトルなし

s*o*inさま

おはようございます♡ いつもありがとうございます(^^)

でしょ~でしょ~ 薫いい男なんです


類くん 策士に溺れるばかりに一番大切な事を忘れてました(~_~;)
しっかりしろーって感じですよね。

2015/11/20 (Fri) 07:22 | EDIT | REPLY |   

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2015/11/20 (Fri) 05:24 | EDIT | REPLY |   

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