Tea for Two 40 司つく
「無理です」
チェッ、チェッ、チェッ‥
人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて寝てろ!
いやぁー、寝ませんし、死にませんけどね‥
涼し気な顔で、言いやがる。ったく、面白くねぇなぁー
俺は死にもの狂いで働いて、2週間に一度NYに行くようにしている。
往復で1日かかるが、牧野に会って至極の時ってやつを過ごす為だ、仕方ねぇ。
金曜の夜にこっちを立つ。日本時間の日曜夕方向こうを立つ。
28時間ぐれぇは、一緒に居られる。
電話連絡は、毎日欠かさない。
くくっ、なんせ俺ら‥恋人同士だからよぉー
牧野の父ちゃん母ちゃんと、両家顔合わせってのもした。
実は,あいつには言ってねぇんだけど
付き合い出すのが決まってすぐに、俺は一人で牧野ん家に訪れた。
まぁ、アイツがNYにそのまま転勤になっちまった報告も兼ねてだけどな。
牧野ん家の父ちゃんも母ちゃんも、弟もスゲェー面白い奴らで‥
俺ら2人の付き合いを、喜んで、玉の輿の舞いってぇのか?
そんなんまでサービスしてくれったけ。
なんだかよぉー スゲェあったけぇ家族で、
こんな家族の中に牧野は育ったんだと思ったら、
嬉しくなって、泣けてきた。
そん時に、俺は誓った。
結婚するまでは、牧野に手を出さねぇって。
マッサラな身体のまんま、アイツを嫁に迎えるって‥
まぁ、時折‥いや2週に一度、死ぬ程に後悔すんだけどな。
でもよぉー、初心(うぶ)な牧野だ。その方が良いだろう?
そうはいえども、俺は男だ。好き同士付き合ってんだから,不埒な考えが‥いやいや成人男性としては、まぁ当たり前の感覚が‥ムクムクと湧き上がる。
しかもだ、しかも‥アイツすげぇー可愛いんだ。
眠いのに頑張って起きてる姿なんて‥天使だな天使。
いや、それ以上だな。
で、苦肉の策で考えた。
朝までゲーム大会。2週に一遍NYを訪れる際は、必ず新しいボードゲームを用意する事にしてる。
アイツも喜ぶしな。
まぁ、なんだな‥俺の息子的には、我慢の連続って奴だけどな。
手は出さなぇように、キスも我慢だ。
キスなんてしてみろ‥想像しただけで、俺はアイツを押し倒しちまう。
それも、あとちょっとの辛抱だ。
牧野にはまだ内緒だが,婚約発表が終わったら、3ヶ月後には結婚式も控えてんだ。
くくっ、こんな生活もあと4ヶ月だ。
待ってろよ牧野。待ってろよ息子。
「専務、専務、道明寺専務、ご機嫌な妄想中恐れ入りますが‥」
「な、な、な、なんだ、吉野」
「‥今週末は、NY出張よりも‥こちらに居られた方が宜しいかと」
そうか、そうか‥ババァも気が利くじゃねぇか‥
って、拉致ったのは、ババァだったんだっけな
まぁ、それはさておきだ。
牧野が、1週間ばかりババァと共に、日本支社の重役連にお披露目を兼ねて帰って来るんだとよ。さっき決まったそうだ。
くくっ、楽しみだなぁー
しばらく、朝も夜も一緒に居られんな
って、ちょ、ちょ、ちょっと待て
一週間毎日、蛇の生殺し状態か?
うーーーーん 参った。ヒジョーに、非常に参った。
はぁっー 夢見る男も大変だ。
うーーーん 参った
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