Tea for Two 42 司つく
「道明寺専務、休憩頂いて宜しいでしょうか?」
俺は首を縦にふり
「1時間行って来い」
そう送り出した。
牧野を送り出したと同時に、俺は屋上に走る。
眼鏡をかけ、髪の毛を散らして‥俺は‥
屋上に走る。
‥で、ふと気が付いた。俺、俺のままで行けば良いんじゃねぇかって
カッツーン、カッツーン、走るのを止めて
ガチャリッ 扉を開ける。
でっけー青空が目の前に広がってる。 どこまでもどこまでも続く青空だ。
牧野が、手摺に凭れて空を眺めてる。俺は後ろから声をかける
「おぉっ」
牧野が、ゆっくりと振り向き‥でっけぇ目から涙をポツリポツリと流す。
「ど、ど、どうした‥」
「ゴメンね‥ゴメンね‥力になるって決めたのに‥なんで、司さんじゃなくて、道明寺がいるの?ねぇ、ねぇ、なんで?」
「それは、俺が司さ‥‥」
牧野が遮るように
「あぁーーもう解った。これ以上はやっぱりダメだわ‥ゴメンね」
そう言い残して去って行く。
呆然と、取り残される俺‥。
これ以上はダメ?ってどういうこった?
俺は、アイツを追い掛ける‥
カッツーン、カッツーン
牧野を追い掛け、手を掴む。
「‥ゴメンって、なんだ‥」
「だから‥もう恋人同士のふりなんて出来ないってこと」
‥ふり? ‥恋人同士のふり?
「ふりってなんだ?」
「ふりはふりでしょ?」
「お前、何言ってんだ?俺等婚約すんだろ?」
「出来ない‥セクハラで訴えたかったら訴えたらいいよ‥でも、心を偽ったままで婚約なんて出来ない」
俺の手を振りほどき、走って逃げ出して行く‥
心を偽ったまんま? 偽ったまんまってなんだ?
お前の好きな奴って、他にいんのか?
なぁ? そうなのか? そうなの‥か‥?
違うよな?お前の好きな野郎って俺だよな?
初恋が、司さんで、それよか大切で大好きって俺だよな?
一人残された俺‥
革靴の音だけが階段に響く‥
カッツーン カッツーン 虚しく響く
ガチャリッ
「専務‥お時間が迫っておりますが」
吉野が、俺に声をかけてくる
「ワリィ、このあとの仕事全部キャンセルしてくれ」
「せ、せ、専務‥それは無理です」
「無理でもやんのが、オメェの仕事だ。俺が一生使いもんになんねぇのと、この一日オメェの采配でなんとかして、出世できんのと、どっちがいいか、考えろ」
「りょ、了解です」
ガタンッ
吉野を残し、俺はドアを開ける
「せ、せ、専務行き先だけは教えておいて下さい」
「わかんねぇっ。牧野がいんとこだ」
片手をあげて、俺は部屋を出て、エレベーターに乗り込む
* *
決意を固めて屋上に向った。
大好きな道明寺の手助けをしようって
涙が出ないように、空を見上げた。真っ青な空を。
「おぉっ」と声がかかって、後ろを振り向くと
そこに居たのは司さん‥じゃなくて‥
道明寺‥ な、なんで?
司さんが大事だから?司さんに馬鹿女が手でも出したら大変だから?
ちゃんと、祝福してどうやったら、上手くやっていけるかって一緒に考えてあげようと思っていたのに‥
あたしの決心が鈍る。
口をついてでていたのは、ゴメンねだった。
ゴメンね。もうふりは出来ない。
ゴメンね。応援するって決めてたのに。
好き 好き 道明寺が大好きなの
だから、ゴメンね。
おっ、やっとここまで辿り着いたw
もうちょこっとで終わりかな〜
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