恋し焦がれてユニコーン 13 司つく
あの弁当以来‥牧野に会ってねぇ俺は、牧野不足もいい所だ。
「ハァッー」
「38回目の溜め息でございます。溜め息ついている暇がございましたら、お仕事をお続け下さいませ」
「ハァッー ハァッー 記念すべき40回目だな」
フザケて返事を返したら、机にドーンと書類の山が追加された
「ゲッ 西田‥フザンケな‥」
「おフザケが過ぎるのは、司様、もとい専務かと‥」
眼鏡をあげながら、ジロリと睨んでくる‥
こんな時は、逆らっちゃいけねぇ。
この4年で嫌と言う程身に沁みている‥
返事の代わりに、仕事に取りかかる。
牧野の顔を思い浮かべながら‥
「専務‥道明寺専務」
「あん?なんだ」
「6時に、牧野様がこちらにお見えになられるとご連絡が入っておりますが‥」
俄然やる気になった俺‥ 最速男に変身だ。
西田の唇の片端がニヤリと笑った気がした。
まぁ、気のせいだろう‥
いや、気のせいだと言う事にしておこう‥
ドンッ 5時55分‥全ての仕事が終えた俺‥
やれば出来る子って奴か?なんてほくそ笑む。
こんなにお早く終わるとは‥流石、牧野様効果‥
次回は、もう少し、お渡ししても宜しいでね。
聞こえるか、聞こえないかの微妙な声の大きさで、呟く西田‥
時計をみる。あと3分‥ 目を瞑る。
ポワワーンと浮かんで来やがる、可愛い笑顔。
《 道明寺会いたかった 》
ウルウルする瞳で、可愛い事を言って来る
《 そうか 》
クールに答える俺
《 もう‥冷たいね 》
上目遣いに可愛く睨む牧野‥
かぁっーーーこの流れ いいなぁー
椅子をクルンと回して、時計を見る。
5、4、3、2、1
トントンッ
ノックの音が響く‥
喜び勇んで、いそいそと入り口に向いそうになるが‥
いやいや、待て俺‥ そんなに急くな な、俺。
西田が返事をして、扉が開く‥
「失礼致します」
愛する女の声がする。愛する牧野の声がする。
大仰に構えて、前を向く
ゲッ ゲッ ゲッ
目の前には、ババァが立っていた‥
「司さん‥少し宜しいかしら?」
牧野が後ろで、秘書さながらに佇んでいる。
「あぁ」
ヤベッ,牧野に怒られる。” あぁじゃないでしょ。はいだよ ”
案の定、ジロッと俺を見てやがる‥
「コホンッ‥」
「あっ‥どうぞ、おかけ下さい‥」
なるたけ丁寧になるように、声をかける。
「秘書見習いが入ったので、挨拶がてらに寄らせて頂いたわ」
秘書が見習い? 挨拶? 寄らせて?
てか、ババァの横には、牧野しかいねぇよな?
「牧野、ご挨拶をして」
目の前には、ニコニコ笑う牧野の笑顔‥
「秘書課見習いの、牧野つくしと申します。宜しくお願い致します」
どう言う事だ?
誰か‥お願いだ‥ 俺にこの状況は、何を意味するのかを教えてくれ‥‥
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