恋し焦がれてユニコーン 14 司つく
ゴクリっ
「取りあえず、牧野さんには私についてもらう事になってますから」
そりゃそうだな。
「海外戦略部とは、行ったりきたりで暫く忙しくなりますから。司さんもそのおつもりで」
ホホホッ と聞こえてきそうな勢いで、一気に話す。
牧野が、横でペコリとお辞儀をする。
で、部屋を出て行った。 ヒュゥーーーーーー
一人、いいや西田と二人残されて、冷たい風が吹く。
あのペコリを見る為だけに、俺は一日頑張ったってワケか?
マジ‥か‥? 項垂れた瞬間‥
もう一度、ノックの音がして‥
「道明寺専務も、会食ですよぉー」
牧野が、可愛く呼んでいる。
「おぉー」
受け付けの前を通る。ざわめきが起きる‥
心配で、牧野を振り返えった瞬間‥
ババァもといお袋が、優しい笑顔で、牧野に話しかけていている。
小声で何を話しているのか聞こえないが、牧野が俺をチラッとみて、お袋と二人でクスリと笑う。
いつの間にやら、仲良くなったのか‥嬉しそうに嬉しそうに、お袋に言葉を返している。
車に乗込もうとした瞬間‥
「道明寺専務‥本日この後、牧野様と交代して私が楓社長にお伴させて頂きますので」
バタンッ とドアが閉まり、牧野と二人でお見送り状態だ。
俺の方を振り向いて
「専務、今日の接待の相手ですが‥‥」
ニコリとしながら、人差し指で、自分の鼻を指している。
「牧野を接待か?」
笑って聞けば
「そのようです。どうぞ宜しくお願い致します」
ペコリと頭を下げて来る。
車に乗込み、手を握る。
耳まで真っ赤にしながら‥握り返して来る。
無言の時間が訪れる‥ 無言で愛を語らう時間が訪れる‥
いやいや、ものの1分で寝てやがる。可愛い顔して寝てやがる。
クゥスカ、クゥスカ、 寝息が聞こえる。幸せな寝息が‥
色っぽさ‥微塵もないのに、欲情してる。
たまらなく、愛してると‥ 欲情してる。
牧野の髪を撫で、オデコにキスを一つする。
守ってやる全てのものから‥そう思うのに、いつも守られているのは俺の方で‥
この小せぇ身体のどこに、そんなパワーが隠されているのか、不思議に思う。
牧野に聞けば、ケラケラ笑って
「愛だな愛」
と、本気ともなんとも言い難い返事が返って来る。
俺の女は、そんじょそこらの男より、“漢(おとこ)” だな “漢”
守るつもりが守られて‥ 状態だ。
いやいや、俺も頑張んぞ
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