恋し焦がれてユニコーン 18 司つく
クンクンッ クンックン‥
「おはよう、道明寺」
シャワーを浴びたのか?髪の毛が濡れている。
「ご飯出来たよ」
牧野の手を引っ張って‥ベッドの中に引きずり込む。
「やっ、ちょっ、ちょっ、ちょっと」
「まぁまぁまぁ‥」
牧野を捕まえて、キスを落とす。熱い熱いキスを落とす。
「‥ぁっん‥あっ」
文句が、吐息に変わる‥
息を耳元に吹きかける‥
「‥やっ‥あっ‥ん」
吐息が、よがり声に変わる‥
そのまま、俺は一気に牧野を攻め立てる‥牧野を抱きしめて、全身に愛撫する。いざ‥出陣‥
次の瞬間
ジリジリジリッン ジリジリッン 目覚ましの音が鳴る。
どんだけ、アナログの目覚ましだ‥慌てて音を止める。
ははっ、牧野だと思って抱きしめていたのは、大きな枕で‥
ベッドサイドには、メモ書きが
おはよう道明寺
よく寝ていたので、起こさないね。
道明寺の部屋には、続きの間のドアから帰って下さい。
あっ、道明寺の方からは、こっちの部屋には入れないから、忘れ物しないようにね。
では、あたしは今日から出張なので、二週間後にまたね!
はぁっーーーー? 二週間後って何なんだよ‥
がっくり、項垂れて、牧野の残り香を探す。
はぁーーーー って、俺は変態中坊か‥
一頻り笑って‥部屋を出る。
それにしても‥
牧野の部屋からは、俺の部屋には入れて、
俺の部屋からは入れないって‥
性差別も良い所だよな‥‥
珈琲を飲みながら、考えるとはなしに考える。
ババァと、牧野‥マジで上手くやってんだな。
中々会えない俺らに、一秒たりとも無駄にさせねぇって奴か。
ククッ‥
ババァも気の利いた事、するよな。
しかも‥逃げれねぇように、秘書は、徒歩10分なんて制約までつけて。
腹の中を可笑しさがこみ上げてくる。ククッ‥
牧野の、メモ書きを持って俺は部屋に戻る。
って?あいつ‥二週間居ねんだよな?
ククッ‥ これも、もしかしたらお袋の計らいか?
ククッ‥
俺は、一本の電話を掛ける。
「あっ、西田‥ワリィ‥あぁ‥ぁあ‥あぁ‥」
ククッ‥すげぇな‥
ってか? ザ・お膳立てって奴か‥
まぁ、そんで効率が上がれば言う事なしか。
ククッ、流石‥鉄の女だ。
一頻り笑って、部屋を後にする。
* *
トントントンッ
この日のために、二週間頑張った俺‥
って俺は馬で、あいつは人参か?
まぁ何でもいいか‥
「ただいまー」
満面の笑みを向けてくる、愛しい女。
「おぉっ」
迎える俺も、間違いなく満面な笑みなんだろうな‥
何やら、でっかい袋をもって、立っている。
「えへへっ、ついでに買い物してきたから、お家ご飯にしよう」
「おぉっ」
幸せを噛み締めて‥部屋に戻る。
2人のスウィートホームに。
10分後‥ 俺らの新居に谺する牧野の声
「ギャッーーーーな、な、なに?って、なんでーーー」
「あっ? うっかり、スマホ忘れちまってよぉー、面倒だから‥壁ぶち抜いたんだわ」
「えっ“」
「俺の部屋からは、入れねぇからよ」
「えっ、えっ、でも‥」
「お前、鍵よこさなかったからよぉ」
「あっ‥‥」
「それによぉ、2世帯よりも、壁ぶち抜いて1世帯にすると、基本使用料っていうのか?それがお得らしいぞ」
「あぁ、そうなんだ。へぇーっ そっか、そりゃそうだね」
攻撃が弱まった隙に、口づけ一つ落とす。
斯くして、牧野の部屋は、俺の部屋。
俺の部屋は牧野の部屋になり、嬉し楽しい同棲生活の突入だ。
クククッ
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