夢に夢見よユニコーン 04 司つく

猛烈に、猛烈に‥
ただ今猛烈に、目の前で眠る女に欲情中‥

久方ぶりに会う女‥‥
「また後でね」確かにそう言っていた。

確かに、また会った‥‥
だけど‥‥

　　　　　寝てる


寝てる‥　寝てる‥　寝てる‥


クースカ　クースカ　幸せそうに


「うーーん、もう食べれないってばぁー」
時折‥寝言を言いながら

　　　　　‥寝てやがる



至極、幸せそうな笑顔を浮かべて‥


　　　　　‥寝てやがる




一体全体どうしたらいいものか？
いやいや、幸せだ。あぁ、待ちにまった牧野が隣に居る。

うん。間違いなく‥幸せだ。


だけどだ‥だけど‥

　　　　　　‥寝てやがる



クースカクースカ　幸せそうに‥

そして俺は、猛烈に、猛烈に、欲情中だ。
手を出そうか、出すまいか‥　悩みに悩む。


牧野の黒くて真っすぐな髪の毛を、クシャリと撫でる



寝てる牧野に、そっと声をかける
「あんま頑張りすぎんなよ‥‥」

ケットを掛け直して、部屋を出る。


高まった欲望を、沈めるためにシャワーを浴びて、酒を煽る。
牧野の寝顔を肴に酒を煽る。
あははっ、俺も大概が形無しだよな‥


一人ぼやいて、ベッドに潜り込む。牧野を抱きしめ眠りについた。
寝息を聞きながら、幸せに酔いしれる。


フッ‥　おやすみ‥


若い身空の俺らなのに‥誰が寝室に入って来てもいいぐれぇ、
清廉潔白ってぇのも、どうしたもんかと思うけどな‥

口づけを一つ落とす‥


落としたら‥、タマラナイ気持ちになって、全身を愛撫していた。
なのに、起きない‥

　　　　　寝てやがる‥


マジ、疲れてるんだろうな。

全身に、赤い赤い花びらを咲かせる。
白い肌に咲く赤い花びらを‥


赤い花びらは、所有の現れなんだろうな‥
牧野の全てを俺のもんにしたくて‥ついつい咲かせちまう。



コイツは、俺の全てを惑わせる。
俺は、出会った頃よりも‥いいや昨日よりも今日‥
いいや‥１秒前より今、確実にコイツに惚れている。


俺の狂気も、悲しみも憂いも、ちっこい身体のコイツ全て取り去ってくれる‥

なぁ、俺はお前に何をかえしてやってるか？
なぁ、俺はお前を上手に愛せてるか？



もう一度、牧野の髪をクシャリと撫でて‥眠りにつく‥




チュンチュン　チュンチュン　　朝陽が燦々とさしている


スルリと女がベッドを抜け出して‥　シャワーを浴びに行く‥


『ギャッァーーー　な、な、なにーーーー』


ドッタンばったん、音がして　


「ど、ど、道明寺ーーーーーー　なにコレ？
もう、ドレス着るのにどうするのよー　もう一緒に行かないからね」



ゲッ‥　隠れるところも、ありゃしねぇ‥


仕方がねぇから、いやいや‥　濡れ髪姿のお前がすげぇ色っぽくて‥
俺は、お前を抱きしめる‥



「あっ、もう怒ってるんだからね」

耳に吐息を吹きかけて、口づけを落とす‥



お前が、俺が、堕ちて行く‥







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