目覚めよユニコーン 01 司つく
牧野の顔が近づいてくる。
3、2、1で、ガバッと抱きしめて‥
ベッドの中に引きずりこ‥‥めない‥
不敵に笑う牧野‥
「くふふっ 今日はあたしの勝ち」
俺‥ガックッシ‥
牧野が用意してくれた朝飯を食べ、
牧野が用意してくれたスーツを着て、
牧野が‥
はたと気づく‥
俺、牧野がいねぇと、なんも出来なくなってるって‥
もともと使用人任せ?
まぁ、そうなんだが‥
そう言う事ではなくて‥
牧野がいねぇと、色んな事が滞る‥
結果、牧野に頼り切る‥
牧野も忙しいのに‥ついつい牧野に頼っちまう。
いかん、いかん‥少しは自重しなければ‥
そう思う心とは裏腹に、ついつい牧野を頼っちまう。
週末、類が言ってた言葉を思い出す。
「同棲ってさぁ、男が女に頼りすぎて、
それを女が重荷に感じて、ダメになるパターンが多いらしいよ」
まんま俺の事じゃないか‥
目覚めよ‥俺‥
このままじゃ捨てられちまう。
コポコポコポッ
芳しい薫りと共に、目の前に珈琲が置かれる。
誰が淹れるよりも、俺好みの珈琲。
このままじゃ俺がダメになる‥
先ずは‥今日のスーツは俺が選ぼう‥
ネクタイは、選んでもらってもいいよな?
うん。先ずはそこからだ。
「ヨシッ」
「っん?どうしたの?何がヨシッ?」
小首を傾げて、牧野が聞いてくる。
クゥゥッーーーか、かわ、可愛いよなぁー
マジ可愛いわー
やっと手に入れたコイツを失わないように‥
俺‥頑張れ
「ねぇねぇ、今日は紺色のスーツにイエロードットのネクタイにする?」
「あぁ‥あっ、今日は俺が選ぶ‥」
「ぇっ‥ぁぁっあ‥ぁっ、う、うぅん。そ、そう、そうだよね‥」
あははっと笑いながら、牧野が後片付けを始める‥
って、なんだか不穏な空気?ってやつが流れてる‥
ガチャガチャガチャッ
大きな音を立て、皿を片付けている‥
片付け終わっても‥顔も見せない‥
俺‥‥なんかしたか?
いやっ、牧野に頼りっぱなしの自分自身に喝を入れただけだよな?
「ま、牧野‥おまえ何か怒ってるか?」
「‥‥」
えっ、目がちょっと赤い?
えっ、目尻がちょっと光ってる?
「牧野‥どうした?」
「‥‥」
「なぁ、どうした?」
唇を噛み締めながら
「嫌なら、もっと早く嫌って言ってくれればいいのに‥」
「‥はっ?何をだ?」
「‥‥‥スーツ、用意されるの嫌だったんでしょ?」
慌てて首を振る。
嫌なもんか‥‥
牧野が用意してくれた身支度を整える度に
一緒に暮らす喜びが、こみ上げてきてた‥
俺は、慌てて言い返す‥‥
「だって‥急に自分でやるって‥」
恥ずかしながら、俺は説明する‥
牧野に捨てられるのが、怖いからと‥
全部、話終えた時‥
ニッコリ、ニッコリ、俺のミューズが微笑んだ。
その後か?
ははっ、遅刻ギリギリの時間迄‥2人でベッドの上さ‥
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