刹那 30 総つく
「うわっ、うわっ、白いよ。白いよ。総見て見て」
引率者のしっかり者の顔は、どこにやら‥‥
白い虎を見て、大興奮のつくし。
俺の裾を引っ張りながら、あぁじゃないこうじゃないと話してる。
温かく見守ってくれる‥withつくしのメンバーを、
有り難いと、心底思えるのは、つくしのお陰だ。
俺の返せるものは、茶の湯での精進‥‥これに尽きるだろう
「つくしちゃーん、ちょっとちょっと、コッチコッチ」
「はーーい」
俺の前を小走りに走るつくしを見て、そう思った。
「若宗匠」
和尚に肩を叩かれる。
「若宗匠は、いい顔になりましたなぁー。いいお茶も点てられるようにもなりましたなぁー」
「有り難うございます」
「つくしちゃんのお陰でしょうかね」
直球で切り出される。
「今晩は、良い報告を聞けると嬉しいのですがね」
「そのつもりでおります」
俺が答えれば
「結構、結構。皆さん首を長くして待っていた吉報ですからな」
にっこりと、和尚が笑う。
お礼を言いながら、つくしが不安がっている事を和尚に話していた。
「つくしちゃんらしいですな‥」
そう言ったあとに、
それならば‥我々が何故こんなにつくしちゃんを、プッシュするか教えてあげればいいのかな?
なんて事を、思案深い顔をして呟いてから、俺に向かって
「我々も打算だらけなんですぞ」
打算? つくしと俺の付き合いが?
不思議そうな顔をしていたのだろう。
「2人の発表の後に、お話しますよ」
そう言って、カッカッカッカ、大きく笑って去って行く。
つくしが振り向き、手を振る。
「総ーー、こっちこっち」
片手を上げて、急ぎ足でお前の所に向かう。
追いつけば、つくしが笑う。つくしが笑えば俺が笑う。
チリーン 鈴の音が優しく音を奏でる。
一行を乗せたバスは、笑いとともに目的地の宿に向け、ひた走る。
大型バスなどに、普段乗らない面々が、バスの中でカラオケをしながら、やいのやいの楽しんでいるのだ。
部屋は、くじ引きで選ぶ。
旅館は、部屋の格がどうしても違う‥
部屋決めで遺恨を残したくない。それがつくしの決めた今回の参加条件だった。
ブゥーブゥー文句が出るかと思ったが‥
皆、楽しそうにくじを引いている。
宿に着き、先ほどのくじ通りに、宿のものに案内されながら、三々五々に、部屋に引き上げて行く。
旅館内の路地を挟み、懐石料理屋をオープンしている。
明治に建てられた洋館を、復元しているのだ。
折角だから、お夕飯は皆でしたいなーのつくしの言葉で
無理言って、併設している料理屋で皆で食事をとる事にしたのだ。
宿の女将は、メンバーを見て、算盤を弾いたのだろう、旅館も料理屋も快く貸し切りにしてくれたのだ。
大きな茶事でもしない緊張感が‥俺に訪れる。
認めてもらえてる。それは重々承知だ。
だが、もしも異を唱えるものが、現れたら?
この愛おしい女が、去ってしまうかもしれない‥
2時間後、俺の心配は全くの杞憂と終わり‥
宴会‥まさしく大宴会の夜となったのだ。
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俺の裾を引っ張りながら、あぁじゃないこうじゃないと話してる。
温かく見守ってくれる‥withつくしのメンバーを、
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俺の返せるものは、茶の湯での精進‥‥これに尽きるだろう
「つくしちゃーん、ちょっとちょっと、コッチコッチ」
「はーーい」
俺の前を小走りに走るつくしを見て、そう思った。
「若宗匠」
和尚に肩を叩かれる。
「若宗匠は、いい顔になりましたなぁー。いいお茶も点てられるようにもなりましたなぁー」
「有り難うございます」
「つくしちゃんのお陰でしょうかね」
直球で切り出される。
「今晩は、良い報告を聞けると嬉しいのですがね」
「そのつもりでおります」
俺が答えれば
「結構、結構。皆さん首を長くして待っていた吉報ですからな」
にっこりと、和尚が笑う。
お礼を言いながら、つくしが不安がっている事を和尚に話していた。
「つくしちゃんらしいですな‥」
そう言ったあとに、
それならば‥我々が何故こんなにつくしちゃんを、プッシュするか教えてあげればいいのかな?
なんて事を、思案深い顔をして呟いてから、俺に向かって
「我々も打算だらけなんですぞ」
打算? つくしと俺の付き合いが?
不思議そうな顔をしていたのだろう。
「2人の発表の後に、お話しますよ」
そう言って、カッカッカッカ、大きく笑って去って行く。
つくしが振り向き、手を振る。
「総ーー、こっちこっち」
片手を上げて、急ぎ足でお前の所に向かう。
追いつけば、つくしが笑う。つくしが笑えば俺が笑う。
チリーン 鈴の音が優しく音を奏でる。
一行を乗せたバスは、笑いとともに目的地の宿に向け、ひた走る。
大型バスなどに、普段乗らない面々が、バスの中でカラオケをしながら、やいのやいの楽しんでいるのだ。
部屋は、くじ引きで選ぶ。
旅館は、部屋の格がどうしても違う‥
部屋決めで遺恨を残したくない。それがつくしの決めた今回の参加条件だった。
ブゥーブゥー文句が出るかと思ったが‥
皆、楽しそうにくじを引いている。
宿に着き、先ほどのくじ通りに、宿のものに案内されながら、三々五々に、部屋に引き上げて行く。
旅館内の路地を挟み、懐石料理屋をオープンしている。
明治に建てられた洋館を、復元しているのだ。
折角だから、お夕飯は皆でしたいなーのつくしの言葉で
無理言って、併設している料理屋で皆で食事をとる事にしたのだ。
宿の女将は、メンバーを見て、算盤を弾いたのだろう、旅館も料理屋も快く貸し切りにしてくれたのだ。
大きな茶事でもしない緊張感が‥俺に訪れる。
認めてもらえてる。それは重々承知だ。
だが、もしも異を唱えるものが、現れたら?
この愛おしい女が、去ってしまうかもしれない‥
2時間後、俺の心配は全くの杞憂と終わり‥
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