明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

君の天使  05 司つく

尾形のスマホがけたたましく鳴る。今日の商談相手からの電話だ。

「あっ、はい‥はい‥はい‥えぇ‥あっ、はい‥」

尾形が、道明寺に向かって何やらゴニョゴニョと話している。
いつもなら、叱責が飛ぶ状況なんだろう、尾形の表情も優れない。
心無しか青ざめているようだ。


次の瞬間‥今日3つ目の奇跡に尾形は出会う事になるんだ。

「そうか‥なら2時間は空きが出来ると言う事だな?」
そう言って、目の前の道明寺がニヤリと笑ったんだ。


ククッ、尾形の驚く顔ったらなかったよ。
うんと‥なんだっけ?鳩がなんとか喰らった顔だっけ?
あっ、そうそう、鳩が豆鉄砲喰らった顔になってたよ。
人間の目って、あんなにまん丸になるんだね。

道明寺は、ウェイターを呼んで、つくしの食事を全て下げさせた。

スパナコティロピタキアを、口に頬張っていたつくしは、喋る事もままならないままに、唇をパイの油でほんのちょっぴりテカらせて、あのそのしてたよ。

イケメンウェイター君は、つくしの唇がテラテラしているのに、ほんのちょっぴりドキドキしながら、それでも一流店のウェイターしく、テキパキとつくしを別室に案内してた。

つくしはどうしたかって?
「えっ」とか、「あっ」とか、色々言ってたけど、まぁ、最終的には観念したんだろうね、イケメンウェイター君の後ろを付いて行った。

つくしにしちゃぁ素直? そりゃそうさ、ムサカもサガナキチーズも、グリークサラダも、まだ食べてないんだ
そりゃぁ、付いていくよね。あははっ、つくしだもん。

個室に通されたつくしが見た物は、深海に漂っているかの様に、神秘的な部屋だった。
思わず、オレ、感心したよ。
道明寺‥いいや、司やるねぇーって。

尾形はじめ、お付きの者達を全員帰した司は、長い脚を組みながら、悠然と笑みを浮かぶて待ち構えていた。

「よぉっ」

つくし‥一瞬見惚れたよね?

オレ、見逃さないよ


半拍ずれて‥
「よっ」


6年ぶりの挨拶とは思えない挨拶を交わしてる。

オレ? 一瞬頭を抱えたよ。
ミラクル‥起きる? うーーん あとは野となれ山となれだよな。

「そこ座れよ」
「あっ‥うん‥」

気安く挨拶を交わしたのに‥その後が続かない。
これは‥脈ありだ。
オレ、天使。なんでもお見通しさ。


「元気だったか?」
「あっ‥うん‥」

司の視線が、つくしを盗み見ている。
瞳に浮かぶ思いは何だろう? 懐かしさ? 愛しさ? 憎しみ? 

「日本には出張?」
つくしは、なんの動揺を見せずに、司に質問を投げつける。

だけど‥オレには解る。つくしの緊張が‥ヒールの踵が宙から2センチ浮かんでるだ。

「いや、日本に戻ってきた。先週からだ」
司は、真っすぐにつくしを見つめる。

つくしは、下を向き、サラダを食べている。
ムシャムシャムシャムシャ サラダを食べている。

顔を上げ、司を真っすぐに見つめる。二人の視線がバチリと合って‥ つくしの口から出たのは

「婚約おめでとうございます」

答えも聞かずに、下を向いて、残りのサラダを食べる。


咀嚼の音だけが聞こえる。
ヒールの踵は、床にはつかない。





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4 Comments

asuhana  

yukikoさま

うふふっ、どうなるんでしょうかねー
ねぇ〜

さぁさぁ 天使頑張れ

2016/06/04 (Sat) 13:36 | EDIT | REPLY |   

asuhana  

kachiさま

聞き捨てならないですよねーー。
そうなんです(笑)
天使頑張れなんですけどね

2016/06/04 (Sat) 13:33 | EDIT | REPLY |   

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2016/06/04 (Sat) 10:05 | EDIT | REPLY |   

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2016/06/04 (Sat) 08:05 | EDIT | REPLY |   

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