明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

君の天使  06 司つく

「婚約?婚約破棄じゃなくてか?」

そんな言葉とともに、大きな笑い声がする。司の笑い声だ。
2人の幸せだった時を、彷彿させる大きな大きな笑い声だ。

「お前、それいつの情報だよ?」
「いつって‥‥先週の女性週刊誌よ」
「クククッ その女性誌とやらはどこで見たんだよ?」
「ど、どこって‥び、び、美容院よ」
「婚約は、もうとっくに過去の事だ」

司は、婚約を過去のものだと一蹴(いっしゅう)して、愉快に楽しく笑う。

事実、愉快だったのだろう。

目の前の女、“牧野つくし” が、自分の事を気にかけていた事が。

男の心は、一気に過去の事を思い出していた。
目の前の女と過ごした、幸せだった過去の事が、頭の中を駆け巡る。
「他に好きな人がいるから別れて欲しい」
と言われた言葉と共に。

幸せだった思い出は、その一言によって、全てが音を立て崩れたのだ。


男は、司は、何かの癖なんだろう、無意識に耳朶を触っている。
この癖は、どんな時に出るんだろう?オレは考える。

「なぁ‥」

その言葉をかき消すように、扉が叩かれ、料理が運ばれてきた。
色とりどりの美しい料理が‥

「うわっ」

ククッ、オレは思わず笑う。
色んな事はさて置いて、目の前の食べ物に心奪われているつくしにオレは、感服した。

同じ思いが、司にも去来したのだろう、目尻に優しさを浮かべ、微笑んでいる。
男でも惚れてしまいそうな、優しい優しい微笑みだ。

尾形が、こんな優しい顔の司を見たら、寝込んでしまうかもしれないね。
天変地異が起こる前触れだと‥‥

でも、多分‥‥ 男にとって、つくしと過ごす時のデフォルトの表情なんだろう。


「相変わらず旨そうに食うな‥」
頬杖を付きながら、つくしを真っすぐに見つめている。

「っん?旨そうじゃなくて、旨いよぉー うん。メッチャ旨い」
リスの様に、頬を膨らませて答える。
ヒールの踵が、床に着いている。

「お前、いまどこに勤めてんだ?」
「っん?ここの場所とは反対くらいの所」
「いや、場所じゃなくてだ」

つくしが社名を答えると

「優秀じゃねぇか」
そんな風に、言い返した後に
「今日の俺の商談相手は、お前の会社の社長だったよ」
クスリと笑って、つくしに言っている。

オレは、ビックリして司の後ろに立っている天使をみると‥
司の天使が、ウィンクしながら、
「ミ*ラ*ク*ル」 と、口パクする。

ククッ、司の後ろの奴も、この2人にミラクルを起こすつもりだったんだ。
オレ、思わず嬉しくなちゃったね。

オレら天使は、誰か人間に付いている時は、お互いに喋る事は禁止になっている。
まぁ、それがオレらのボスが決めたルールって奴だな。

だけど‥目の前の奴もオレと同じ事を考えてるんだからね。
利害が一致したってことだね。

だよね!
やっぱり、つくしには司が似合ってるよね。


ククッ 気が合うじゃん


オレと、奴は、お互いにウィンクを交わし合う。



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6 Comments

asuhana  

yukikoさま

あっ、この週刊誌をつくしが読んだのは先週だけど、もうずいぶん前の週刊誌なんです~(笑)
美容院のだから(笑)

2016/06/05 (Sun) 19:34 | EDIT | REPLY |   

asuhana  

Kachiさま

うふっ、Kachiさんにはお見通しなかぁ~

2016/06/05 (Sun) 19:29 | EDIT | REPLY |   

asuhana  

えみりんさま

おっ、いいところに気がついた(笑)

2016/06/05 (Sun) 18:53 | EDIT | REPLY |   

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2016/06/05 (Sun) 15:48 | EDIT | REPLY |   

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2016/06/05 (Sun) 07:40 | EDIT | REPLY |   

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2016/06/05 (Sun) 07:26 | EDIT | REPLY |   

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