明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

君の天使  07 司つく

無意識に、耳朶を触りながら
「何年だ?」

司の問いに、間髪を入れずにつくしが答える
「6年‥‥」

司の唇が、嬉しそうに片方上がった。

「ククッ、会社に入ってだ」
「あっ‥‥」
恥ずかし気に、つくしは下唇を噛む。

「4年目‥」
「どこの部署だ?」
「クリエイティブ制作部」
「花形部署だな」
つくしとて、人の子だ。褒められて悪い気はしなのだろう。鼻をピクピクさせながら笑って答える
「下っ端だけどね」
「ククッ‥お前、変わらねぇな‥鼻ピクついるぞ」
「えっ」
慌てて、両手で鼻を押さえてる。

司が嬉しそうに、蕩ける笑顔で笑ってる。
後ろの天使も嬉しそうに、司を見て微笑んでいる。

オレ、奴に向かって親指を突き出す。
奴も、オレに向かって親指を突き出す。

ウェイターが、ガラクトブレコなるものを持ってくる。

「ガラクタブランコ?」
「道明寺、相変わらずなんだね‥」
「はっ?相変わらずってなんだ‥相変わらずって」

顔を見合わせ、笑い合う。

憂いを含んだ笑顔じゃなくて、本物の笑顔だ。
オレの見てきた中で、一番の笑顔だ。

やっぱり‥つくしの相手は、司しかいないって、確信した。

オレ、天使なのにさ‥‥
つくしのこの笑顔を見て、不覚にも涙が出そうになったんだ。
上を見上げて、鼻を啜ってみたよ。
なんだっけ?上を向いて歩こうだっけ?涙がこぼれないようにってやつだよ。

クゥッーーー 幸せにしないとイケナイよね。

この2人の笑顔を見てさ、新たに心に誓ったよ。
ミラクルを、起こすって。

司に付いてる天使も、同じ考えだったんだろうね。
オレをみて、ニッコリ笑ってた。

デザート食べて、珈琲を飲み終わったつくしは、
席を立ち上がって、おもむろにサービスチケットと1000円札を置いて、

「じゃあね」
そう言って、部屋を出て行った。


一人取り残された司は、呆気にとられた後に
「牧野‥‥」
哀しげに、愛おしげに、色々な感情を込めて、一言呟いた。

司は、スマホを取り出して‥どこかに電話を始めた。
奴の天使は、ニッコリ微笑んでいる。

大丈夫そうなのを確認したから、オレは片手をあげて挨拶をして、つくしの後を追いかけた。

随分遠く迄、行ったかな?
そう思ったけど‥店のすぐ側で、佇んでいた。

「道明寺‥」
つくしも、また司の名前を呟いていた。


つくしの声が、表情が辛そうだった。さっきまで、あんなに笑っていたのに。
マズイ‥そう思った次の瞬間、涙がぽろりと流れた。



6年間見た事なかった顔を、この1時間の間にいっぱい見た。

今迄見た事のないような、飛び切りの笑顔と、哀しい顔だった。
だけど‥‥どちらの顔も、驚く程に美しかった。




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5 Comments

asuhana  

HNさま(拍手返信)

うふふっ、ありがとうございます。
嬉しいです♪♪

2016/08/17 (Wed) 18:34 | EDIT | REPLY |   

asuhana  

yukikoさま

無くて七癖と言いますからね。
色んな癖がありますよね〜


美容院どうなんですかねー?
私が行く所も、週刊誌置いてないなぁーw

まぁ、そこはスルーして下さいww

2016/06/06 (Mon) 20:32 | EDIT | REPLY |   

asuhana  

ぐみありさま

うふふっ、ミラクル起こして貰わなくっちゃなのだ。


くくっ、火星人? そりゃそれでいいかもしれないw

2016/06/06 (Mon) 20:29 | EDIT | REPLY |   

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2016/06/06 (Mon) 12:08 | EDIT | REPLY |   

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2016/06/06 (Mon) 09:54 | EDIT | REPLY |   

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