明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

君の天使  13 司つく

「トモからどうぞ」
「いや、つくしから」

いやいやどうぞと言い合って
もう一度、二人同時に言葉が重なって、顔を見合わせ笑い合う。

一頻り笑った後に
「つくしから話して」
そう言われて
「‥じゃぁ失礼し‥‥あのね、明日から道明寺HDに出向になりました。で、ちょっと忙しくなるかな」

トモは、ポケットから取り出そうと思っていた手を止めた。

「トモの話は?」
ニッコリと笑ってつくしが聞いた。

「あれ?なんだったけかなぁーあははっ」
温かい笑顔でトモが笑って、つくしが笑う。

ポケットの中の何かを、弄びながら‥
「あっ、そうそう、鷹が帰ってくるって‥つくしに会いたいからって伝えてくれって」

「鷹ちゃん帰ってくるんだぁー」

鷹って言うのは、つくしの学生時代の友人で、トモの幼なじみだ。
つくしは知らないけれど、鷹もつくしを好きだった事がある。
鷹が海外転勤になるまでは、つくしの一番身近にいた男だと思う。
一向に振り向かないつくしを諦めるために、海外転勤を希望したんだよね。
つくし自体は、鷹の想いなんて露知らずだろうけどね‥

グラスを傾けながら
「じゃぁ、セッティング宜しくお願いします」

「あっ、うん‥」


トモは、つくしの顔を見る度にドキドキしてる。緊張がオレにも伝わってくるよ。
当のつくしは、料理と格闘中だ。

「うーん 美味しい」
満面に笑みを浮かべて、美味しそうに食べる姿を、トモは幸せそうに見てる。

「新しい職場‥頑張って」
「ありがとう」

マンションの前で、手を振って別れた。

オートロックを解除して、郵便受けから手紙を取り出す。DMと選り分けて、必要なものだけを鞄に入れた瞬間‥

契約書の事を思い出したようで。
「あっ‥会社に忘れてきちゃった‥あとでじっくり読もうと思ってたのに‥」

ハァッーとため息を吐きながら、エレベーターの壁に凭れ掛かりながら
「幸せ‥逃げちゃう、逃げちゃう」
何かを振り払うように、首を一振りして、シャキッと立ち直す。


* **
いつもより30分早めに目を覚まし、シャワーを浴びる。
「うん。今日も牧野つくしだ。おはよう、つくし。今日も一日元気で行こう」
気合いを入れた後、トワレを身に纏い、入念に化粧を施して行く。戦闘態勢を作り上げて行く。

ヨシッ 一声かけて部屋を出る。


気合いを入れて、部屋を出る。
足取り重く、駅迄の道を歩く。

いつもとは違う道のりで、新しい職場に着く。
ビルが逆光で光って見える。

目を瞑り‥
「大丈夫、大丈夫、とって食われたりはしない。大丈夫、大丈夫」
小さく呟いて、目を開け、笑顔を作る。

ヨシッ 

つくしの姿が、社屋に消えて行く


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4 Comments

asuhana  

yukikoさま

※マーク‥一体何が書かれていたのやらw

ファイトッ

うん 珍しいなぁーと思っておりましたなり。

2016/06/13 (Mon) 00:28 | EDIT | REPLY |   

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2016/06/12 (Sun) 15:34 | EDIT | REPLY |   

asuhana  

kachiさま

うふふっ 引っ込めてしまったトモ君は、もうココで
チャンスを逃したんでしょうかね。

でもねー中々あきらめがつかないのが恋心♪

2016/06/12 (Sun) 12:58 | EDIT | REPLY |   

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2016/06/12 (Sun) 07:00 | EDIT | REPLY |   

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