被虐の花 13 あきつく
美しい、俺の宝物
善きにつけ悪しきにつけ、人の心を魅了する。
彼女のもつ温もりを、光を手に入れたいと、願ってしまう。
手に入れたいと願い、狂ってしまうのだろう。
そっと、ベッドから抜け出して、帰り支度をする。
朝陽の中でつくしを見るのは、あまりにも辛いから‥
部屋の外から鍵をかける。
逃げ出さないように‥‥
**
カチャリと部屋の扉を閉める音がした。
あきらさん、そう言って呼び止めたい‥‥
呼び止めて、拒絶されたらそう思うと‥
怖くて呼び止められない。
狂おしい程に、愛している。
身分不相応の恋だから‥
あたしから、求めてはいけない‥
彼の経歴に傷をつけてはいけない。
そんな事は、百も承知だ。
ただの性欲処理でいい。ただの秘書で良い。そう思っているのに
‥あきらさんに愛されたいと願ってしまう。
彼の愛が、あたしへの憐憫だとわかっているのに‥
あたしは、あきらさんを求めてしまう。
アタシヲ アイシテクダサイ
そう願ってしまう。
クマゼミが鳴くあの暑い夏の日‥
あたしは‥女になった。
全てを忘れて、あきらさんに抱かれた。
あまつさえも‥全てから救ってもらったのだ。
あきらさんが、
あたしに対して憐憫を感じ、
抱き続けてくれるのなら‥‥
あたしは、可哀想な女を演じ続けよう。
籠の鳥?
彼が手に入るのなら、進んで籠の鳥になろう。
心を身体を縛られて、被虐の花を咲かせよう。
あきらさんを愛してる。
せめて、せめて、傍にいさせて下さいと‥祈り続ける。
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