君の天使 20 司つく
オレを見つけて、ウィンク一つ投げてくる。
アイツ、ウィンク上手いなぁ。変な事に感心しちゃったよ。
おぉっと、2人を見れば‥‥
「ったくお前、相変わらず、ドンクセェな‥」
「鈍臭いって、ちょっと‥それ失礼だよ。別に大したことないし!」
「いや、よくないだろうよ。足、痛くねぇか?」
「大丈夫‥それより、あんたの秘書ってなにそれ?」
「営業推進が秘書課に名称変更変しただけだ。
さっきも言ったが、契約事項にはきちんと書かれててるし、お前もサインしてる。手当もつくんんだろう?」
ハッとした顔をして‥咳払い一つした。
「‥‥コホンッ‥」
司は、してやったりな表情をしながら、フォカッチャをちぎりながら
「まぁ、兎にも角にも、お前は向こう1年道明寺HD専務秘書課だ。契約書を読んでいようが、いまいが、お前は書類にサインをした。それが全てだからな」
「‥‥グッ‥」
二の句を告げない‥って言うのは、こういう事を言うのかな? ククッ やるね
「はぁっーー相変わらず強引なんだね」
「だな」
「あのさぁ、何が目的?」
「お前」
「はっ?お前‥って、な、な、何言ってんの?」
「ククッ‥自惚れるな。お前ったって、お前の人脈と、発想力だ」
「あぁ‥‥って、人脈?そんなのないよ」
プルプル首を振る。
「クリスタと、四十井の親父達と知り合いだろうよ?」
「知り合いって言っても、仕事上の繋がりだよ」
「バーカ、そんでいいんだ。
声を掛けれる事が出来る。それが大切なんだ。
特にこの2人は偏屈爺ぃで有名だからな」
司が、優しく微笑む。
この微笑みの下にあるのは、紛れもなくつくしへの愛なんだけどね。
「それに、お前の担当した仕事、中々良かったぞ」
この言葉には、つくしも、嬉しくなって鼻の穴が膨らむ。
司が、嬉しそうに顔を綻ばせる。
なんて事ない情景なのに、胸がジワリと来た。
前を向いたら、司の天使も一粒涙を零してる。
そっか‥人の思いって、温かい気持ちって、こんな風に伝染するんだ。
オレの目にも涙がポツリと溢れそうになった。
司の天使に見られたら、ちょっとだけ恥ずかしいかな?と思って、両目を瞑ったら‥
目を開けた瞬間、司の天使がウィンクして寄越した。
あははっ、どうやらウィンクと間違われてらしい。
あははっのトホホッだ。
でも‥アイツのウィンクは上手い。ついつい見惚れてちゃうよ。
「‥‥でだ‥パーティー関連は、全部お前の仕事だからな」
「ヒョッ」
「ククッ ヒョッじゃねぇよ。会食、パーティー全部お前が担当だって言ってんの」
「ヘッ?‥お、お、尾形さんと、調所さんがいるでしょ?」
「尾形は男だ。あの女は役に立たない。残るのはお前だろう?」
「グッ‥」
「まぁ、それがお前の存在価値だからな」
「ググッ‥」
つくしの答えに、楽しげに司が笑う。
司が笑うと、司の天使が柔らかく微笑む。
‥‥なるほど‥
天使の微笑みって‥素敵なもんだ
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