君の天使 25 司つく
「お前が急に立ってるからだ」
「お声掛けましたし、専務お返事されてましたけど?」
「グッ」
ふっふん〜♪
つくしの鼻唄が、聞こえてきそうな勢いだ。
間違いなく、つくしの手帳に正の字の1本がプラスされるだろう。
つくしの得意気な表情に、少しだけ頬を緩めた後に
「牧野、今日の会食は市井物産と寺沢商事だ」
「あっ、はい。先ほど尾形さんからお伺いしました」
「そうか‥」
「なぁ」
「あの」
2人の声が重なる‥‥
「あっ、お先にどうぞ」
「いやいや、お前から‥」
まぁ、なんとも歯切れの悪い2人の会話だ。
なんか、こういうのって‥カッタルイよね?
もっと、ビッシと聞けばいいのに‥
ふわぁ〜っ
前を見れば、司の天使がウィンクしてる。
『っん?』
小首を傾げた瞬間‥
ノックの音がして、尾形の声がする
「専務、大変失礼致します」
ホッとした表情をしながら
「おぉ、入れ」
「調所さんのお爺様も、本日の会食に参加されたいとのことでして‥」
「おぉ、そうか、あぁ 解った」
いつもなら、眉を顰める筈のボス‥‘が、快諾しているのを怪訝な表情で、尾形が見つめる。
「ですので、調所さんにも同行して頂こうかと」
そんな申し出にも、2人揃ってウンウンと頷いている。
司の天使もウンウンと頷きながらも、笑ってる。
あれっ?司の天使何かやったのかな?
コレは、コレは、お手並み拝見かな?
尾形は、3人を送りだして、ホッと一息つく筈だった‥
「つくしさん‥なんで、俺も一緒なんですかね?秘書3人も要りませんよね?‥俺‥仕事山ほどたまってるんですけど‥」
「‥うーん‥杏奈さんは、ほらっ今日は調所財閥のご令嬢としてだから‥ねっ‥うん。ねっ」
「はぁっー 久しぶりに杏奈さんの呪縛から解放されると思ったのに‥はぁっーーー」
「ははっ 2人良いコンビだと思うよぉーーうん」
後ろから、杏奈嬢が駆け寄ってくる。
「つくしさーん、久しぶりにお昼、ご一緒出来て嬉しいです♪ムフッ」
ニッコリした後に、つくしの横にへばりついていた尾形に向かって
「あら? 尾形さんもいらっしゃるの?」
「行っちゃぁ〜、悪いですかね?」
「いえいえ。全然ですわぁ〜」
なんて事を言いながら、つくしの腕を取り、引っ張って
「じゃぁ、尾形さんは、道明寺専務のお守りをお願い致しま〜す」
流石お嬢様という様な、美しい所作でお辞儀をしてる。
「そりゃぁ、ま、ま、マズイですって‥」
「うふふっ、尾形さん、私、今日は調所の令嬢として参加させて頂きますのよ」
胸を張り、偉そうに言っている。
「‥‥はい、はい」
「お分かりになれば、宜しくってよ」
杏奈嬢‥尾形にはトコトン強気だ。
つくしは、目を白黒させながら
「いつの間に仲良しさんになったの?」
「「なってません!」」
なんて‥2人同時に怒られて
ぷぷっ あははっ と大笑いしてる。
苦虫潰してるのは、司だけかな?
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