明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

紅蓮 01 つかつく

竹林の中に一条の光が射込んでいる。毎日見ても見飽きない、陽の光。
そっと手を伸ばし、光を掴もうとする。だけど光は掴めない。

「つくし」
悋気のこもった声がする。
あたしは、後ろを振り向いて、笑顔を作る。

「寒くなって来たから、そろそろ部屋の方に戻りなさい」

「はい」
促され、縁台から邸に上がる。

「今晩は、つくしのかぶら煮が食べたい」
「ご用意しておきますね」

宗谷凌 それが、あたしの夫の名前だ。

何の因果なのだろうか、自由な筈だったあたしの人生が、こんなに窮屈なものになるなんて。
広大な敷地の奥にある、あたしの世界。

1日の大半を、あたしはこの空間で過ごす。

緩やかに時が刻まれる。
夫はあたしが何かに気を取られるのをとても嫌がる。

悋気を露にする。このひとは、あたしを着飾らせ、侍らせる。
まるで、人形を愛でるように。

宗谷は、不思議な事に、あたしの形を愛してる。
宗谷にとってあたしの心など要らない。
形だけが必要なのだそう思い、あたしは宗谷と婚姻の儀を結んだ。

伽藍堂のまま、どうせ生きるのならと選んだ道だった。

だけど、宗谷はあたしの自由を嫌う。身体の自由も心の自由も。
まるで、幼子が母に愛を求め、駄々を捏ねるように。



「つくし様」二階堂があたしの名前を呼ぶ。
一日の大半をこの邸で過ごすのに、あたしの一日の行動は管理されている。
宗谷がいようが、いまいが私には自由がない。

伽藍堂の木偶人形のあたしには、丁度良い。
そう思う。





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