明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

紅蓮 04 つかつく

西門さんと、桜子を二階堂が客間に案内する。
宗谷がいないところで、二人と話したいのに、
二階堂が
「つくし様は、先に凌様のお着替えをお手伝い下さいませ」
そうあたしに言い伝える。

他の人に聞こえないように、小さく小さく溜め息を吐く。
宗谷の着替えと言っても、 あたしが何する訳でないのだから、たまに友人と会えた時くらい、二階堂も気を使えばいいのに‥そう思う。

だけど‥犬がとる行動としては、素晴らしいものなのだろ。
あたしは、西門さんと桜子に失礼を詫び、宗谷の後ろを付いていく。


衣服を脱ぎながら「嬉しいか?」宗谷が、あたしに問うてくる。

ここで答えを間違えてはいけない。
「凌さんのお早いお帰り、嬉しいです」
あたしは、宗谷に向かって笑顔で答える。

宗谷は、あたしの手を取り引き寄せて、耳朶を齧りながら
「先に、お二人の所に行きなさい」
そう命を出して来る。
「凌さんもご一緒しましょう?」
宗谷は、笑いながら
「つくしは、甘えん坊だね。着替えたら、すぐに向かう。山下と先に行って居なさい」
「はい」
嬉しさを隠し、あたしは頷く。

客間に続く長い長い廊下を無言で山下と共に歩く。
空調が整えられた廻り廊下は、一年中同じ温度だ。
それでも眺める景色で、体感温度は変わる気がする。

廻り廊下の窓から、夜桜が見える。

はらりはらりと、花びらが風とともに舞っている。
「桜が綺麗ですね」
山下に声をかけると
「左様でございますね。つくし様のお召し物とようお似合いでございます。旦那様は、本当につくし様にお似合いのものを、お選びになられます」
そう、満足げに微笑みながら答えを返してくる。

この屋敷の中は、宗谷の意に沿わないものは、徹底的に排除される。

この屋敷の中は、宗谷の帝国‥ 
あたしは、帝国の中に囚われている。


山下が、襖を開け放つ。
桜子と西門さんが立ち上がり
「若奥様、先に寛がせて頂いておりました」
そう声をかけてくる。

大正ロマンの設えの客間にそぐう二人が、綺麗な着物に身を包みながら、笑みを浮かべている。
宗谷が気に入る,美しい人間。
生まれも、育ちも、美しさも、宗谷の意に沿うのだろう。

この2人のもつ、美しさにあたしは感謝する。
美しくなければ、あたしはこの2人と、
宗谷の屋敷で再会する事などなかったのだから。

人払いをして、宗谷が来るまで3人で話す。

誰が聞いているか解らないから、
当たり障りのない会話しか出来ないけれど。




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♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥
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1 Comments

にこ  

ぷにゅさま 

コメントありがとうございます。
どうぞ宜しくお願い致します。

2016/04/04 (Mon) 00:42 | EDIT | REPLY |   

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