ずっとずっと 35
京都に来て三度目の夏。
盆地特有の気温が下がらない夜の暑さには、未だに慣れない。
ただ、夏を告げる暑さを心地よく感じるのは、夏が訪れればあいつと会えると脳にインプットされているからであろう。
「パブロフの犬かいあたしは♪」
一人呟く。
あいつに会いに行く日が近づいてくると そわそわワクワクが止まらない。
あたしの気持ちと反比例するかの様に、つぅ爺の不機嫌さも止まらない。
心臓が痛いだの、頭が痛いだの、あそこが悪いここが悪いと言って
「先日の人間ドッグの結果、全てA評価のお済みつきでしたよ。あまりしぃちゃんを困らせないで下さい」
なんて薫にたしなめられている。
nice ♪ 薫
本当に、薫はあたしにとっての救世主。神様 仏様 薫様!!
そんなありったけの思いを込め薫を見つめるていると‥…
デコピンが飛んでくる。
「痛っ」
「ほら、見惚れてないで仕事!仕事!」
肩を震わせクックッ笑いながら薫が言う。
いやいや今のは感謝の気持ちで‥…言うが速いか、机の上に資料がドサッと置かれる。
「はい、コレ宿題。勉強会の前までには纏めておいてね。」
事も無げに言う薫。
「‥…はい。」
薫と一緒にマンションに帰宅する。
「‥…亜矢さんから送ってもらったお菓子が届いてるけど?寄って行く?」
「うわっ 嬉しいーー 亜矢さん今どこ?」
「今、棗さんと一緒だから今週末までNYだった筈だよ。」
「ニューヘイブン?」
「ううん。NYのマンションかな?」
綺麗に包まれたお菓子のリボンをほどき、包みを開ける。
シュルッ‥… 指の動きがなんだか艶かしく感じ、慌てて首をふる。
怪訝な顔で私を見る薫と目が合う。
「お茶煎れてくるね。薫はコーヒー?紅茶?」
慌ててごまかし、キッチンに行く。
冷蔵庫の扉にいつもの様に、あたし宛のメモが貼ってある
しぃ様
お鍋の具材をご用意してあります。
宜しくお願い致します。
コーヒーを煎れ、2人でお菓子を軽く摘んだ後は二人で鍋の準備をする。
今まで台所仕事などやってない筈の薫だが、予想外に手際が良い。
2人で色々な話しをしながら食事をとる。
「しぃちゃんは、いつもながらだけど本当に美味しそうにご飯を食べるね。」
「えへへっ」
日々の大半を薫と一緒に過ごす。
気がつくとカウチの上でいつの間にか寝入っている事もしばしばだ。
「しぃちゃん しぃちゃん 起きな! それとも泊まってくの?」
「うーーーん。眠い‥…泊まってくぅ いい?」
いつの間にかあたし専用になった客間までお姫様だっこで連れて行かれる。
小ちゃな頃、おこたで寝入ったあたしをパパが抱き上げて、お布団まで運んでもらった記憶が蘇って幸せな気分で目を閉じる。
「これだから、お姫様はほっとけない‥…」
そんな薫の小さな呟きを聞いた気がした。
*****
いよいよNYへ‥…
飛行機に乗り込む時は毎回毎回、あと半日ちょいであいつに会えると思うと心が急く。
あたしの心のドキドキが止まらない。
まぁー、寝坊助選手権で類と1位2位を争うあたしは、席に着くとウトウトと眠気が襲ってくるのだけど‥… あははっ こんな所が恋愛体質じゃないんだろうなー
まぁ、お陰であっと言う間にNYに着く気がする。実に、まぁ理に敵なってるじゃーないか‥…
空港に降り立つ。
愛おしいあいつの姿を必死に探す。
背後から、懐かしい香りに包まれる。
刹那 周囲の喧噪は聞こえなくなり、あたしはあいつに溺れそうになる。
鼻腔をくすぐる世界で一つだけのあいつの香りに、あいつに抱かれた記憶が蘇り、麝香を含む艶かしい香りに酔いしれる
「つくし‥… 待ってた 会いたかった」
道明寺の言葉に、はっと我に返り、羞恥心でいっぱいになりあいつの腕の中から抜け出そうともがく。
「放さねぇよ。」
くるりと体勢を変えられ、熱い口づけが落ちてくる。
ただ、それだけであたしの理性が遠のいていた。
促されるままに車に乗り込む あたしとあいつ。
あいつは、あたしの胸を弄る。
「ちょっ、ちょっ、ちょっと‥…」
慌ててあいつを押し止める。
「チッ 勘づきやがったかぁ」
「気がつくつっーの」
ふんっ と、ご機嫌で鼻を鳴らすあいつ。
あいつの暮らすマンションに着く。
専用エレベーターに乗った瞬間に、後ろから抱きしめられ耳たぶをかじられ、舌が項を這う。
続きは 35half で‥‥ この後すぐにup予定です。
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盆地特有の気温が下がらない夜の暑さには、未だに慣れない。
ただ、夏を告げる暑さを心地よく感じるのは、夏が訪れればあいつと会えると脳にインプットされているからであろう。
「パブロフの犬かいあたしは♪」
一人呟く。
あいつに会いに行く日が近づいてくると そわそわワクワクが止まらない。
あたしの気持ちと反比例するかの様に、つぅ爺の不機嫌さも止まらない。
心臓が痛いだの、頭が痛いだの、あそこが悪いここが悪いと言って
「先日の人間ドッグの結果、全てA評価のお済みつきでしたよ。あまりしぃちゃんを困らせないで下さい」
なんて薫にたしなめられている。
nice ♪ 薫
本当に、薫はあたしにとっての救世主。神様 仏様 薫様!!
そんなありったけの思いを込め薫を見つめるていると‥…
デコピンが飛んでくる。
「痛っ」
「ほら、見惚れてないで仕事!仕事!」
肩を震わせクックッ笑いながら薫が言う。
いやいや今のは感謝の気持ちで‥…言うが速いか、机の上に資料がドサッと置かれる。
「はい、コレ宿題。勉強会の前までには纏めておいてね。」
事も無げに言う薫。
「‥…はい。」
薫と一緒にマンションに帰宅する。
「‥…亜矢さんから送ってもらったお菓子が届いてるけど?寄って行く?」
「うわっ 嬉しいーー 亜矢さん今どこ?」
「今、棗さんと一緒だから今週末までNYだった筈だよ。」
「ニューヘイブン?」
「ううん。NYのマンションかな?」
綺麗に包まれたお菓子のリボンをほどき、包みを開ける。
シュルッ‥… 指の動きがなんだか艶かしく感じ、慌てて首をふる。
怪訝な顔で私を見る薫と目が合う。
「お茶煎れてくるね。薫はコーヒー?紅茶?」
慌ててごまかし、キッチンに行く。
冷蔵庫の扉にいつもの様に、あたし宛のメモが貼ってある
しぃ様
お鍋の具材をご用意してあります。
宜しくお願い致します。
コーヒーを煎れ、2人でお菓子を軽く摘んだ後は二人で鍋の準備をする。
今まで台所仕事などやってない筈の薫だが、予想外に手際が良い。
2人で色々な話しをしながら食事をとる。
「しぃちゃんは、いつもながらだけど本当に美味しそうにご飯を食べるね。」
「えへへっ」
日々の大半を薫と一緒に過ごす。
気がつくとカウチの上でいつの間にか寝入っている事もしばしばだ。
「しぃちゃん しぃちゃん 起きな! それとも泊まってくの?」
「うーーーん。眠い‥…泊まってくぅ いい?」
いつの間にかあたし専用になった客間までお姫様だっこで連れて行かれる。
小ちゃな頃、おこたで寝入ったあたしをパパが抱き上げて、お布団まで運んでもらった記憶が蘇って幸せな気分で目を閉じる。
「これだから、お姫様はほっとけない‥…」
そんな薫の小さな呟きを聞いた気がした。
*****
いよいよNYへ‥…
飛行機に乗り込む時は毎回毎回、あと半日ちょいであいつに会えると思うと心が急く。
あたしの心のドキドキが止まらない。
まぁー、寝坊助選手権で類と1位2位を争うあたしは、席に着くとウトウトと眠気が襲ってくるのだけど‥… あははっ こんな所が恋愛体質じゃないんだろうなー
まぁ、お陰であっと言う間にNYに着く気がする。実に、まぁ理に敵なってるじゃーないか‥…
空港に降り立つ。
愛おしいあいつの姿を必死に探す。
背後から、懐かしい香りに包まれる。
刹那 周囲の喧噪は聞こえなくなり、あたしはあいつに溺れそうになる。
鼻腔をくすぐる世界で一つだけのあいつの香りに、あいつに抱かれた記憶が蘇り、麝香を含む艶かしい香りに酔いしれる
「つくし‥… 待ってた 会いたかった」
道明寺の言葉に、はっと我に返り、羞恥心でいっぱいになりあいつの腕の中から抜け出そうともがく。
「放さねぇよ。」
くるりと体勢を変えられ、熱い口づけが落ちてくる。
ただ、それだけであたしの理性が遠のいていた。
促されるままに車に乗り込む あたしとあいつ。
あいつは、あたしの胸を弄る。
「ちょっ、ちょっ、ちょっと‥…」
慌ててあいつを押し止める。
「チッ 勘づきやがったかぁ」
「気がつくつっーの」
ふんっ と、ご機嫌で鼻を鳴らすあいつ。
あいつの暮らすマンションに着く。
専用エレベーターに乗った瞬間に、後ろから抱きしめられ耳たぶをかじられ、舌が項を這う。
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