紅蓮 15 つかつく
宗谷があたしを抱きかかえて浴室に運び込み、全身を綺麗に洗う。
丁寧に、丁寧に、慈しむように綺麗に洗う。
手を叩いて山下と侍女を呼び、朦朧としたあたしを引き渡す。
薄衣を羽織り、椅子に腰掛けたあたしは、
化粧を施され、髪を結い上げられる。
意識がしゃんと戻った頃に、美しい着物を着せられる。
飾り立てられながら、あたしは思う‥‥
この人達は、あたしのこの身体に施されたピアスや、鞭の痕を見て、
恥丘に彫られた紅い蓮を見て、何とも思わないのだろうか?
この身体を見ても、宗谷に愛されているあたしを、羨ましいと心底思っているのだろうか?
反吐が出る。この屋敷の中のもの全てのものに、反吐が出る
皆が退き、山下と二人になる。
ふっ、笑いが漏れる。
「つくし様、どうされましたか?」
山下が問うてくる。
「山下は、あたしのこの身体どう思う?」
彼女は、身体の事には触れず
「ご主人様は、つくし様にご執心であられますから‥」
ご執心だから、こんな事は受け止めろと?愛された証だから仕方ないとでも?
「凌さんが、あたしに飽く日が来るのかしら?」
あたしは、期待を込めて山下に問う。
「ご主人様が、つくし様にでいらっしゃいますか?」
優しく笑って
「心配などなさらなくても、大丈夫でございます。ご主人様がつくし様に飽く日など来られるわけなどございません。」
あたしは、微笑んで
「飽いて頂いても、構わない。そう言ったら山下はどう思う?」
山下は、あたしを嗜めるように
「つくし様、お戯れが過ぎます。誰が聞いてるとは限りません、そのものが勘違いして、ご主人様にお伝えされないとは限りません」
「じゃぁ、あたしの身体を山下はどう思う?」
もう一度、問うてみる。
「お綺麗でございます」
「あはっ、うふっ、あははっ、お綺麗?本当にそう思う?」
「えぇ、とてもお綺麗でございます」
「ピアスに、彫り物が?」
「つくし様、宗谷の家紋は蓮の花でございます。つくし様に彫られた、紅い蓮を見て、お綺麗だと思う者は居ても、そうでないと思う不届きものは、お屋敷には、おりません。」
山下の言う事は、正しいのだろう。
宗谷家で勤めると言う事は、それだけでも名誉ある事なのだから。
「山下、あたしはあなた方と同じ庶民の出よ?お金で買われた女なのよ、そんな女の痴態の後を掃除するなんて嫌じゃないの?」
「つくし様、哀しい事はおしゃっらないで下さいませ。山下は、つくし様が心穏やかに過ごされる為に、いるのでございます」
「あたしは、嫌よ。あなた方に痴態の後を掃除されるのも、鞭で打たれ、縛られた身体を晒すのも‥」
「つくし様、お願いでございますから落ち着いて下さいまし、あまり声を荒げますと‥」
二階堂がやって来る、そう言いたいのだろう。
「‥‥」
「地下からお戻りになられた時の、お世話は、山下が全て致しますので‥どうぞお気持ちを落ち着け下さいませ」
これが、山下の精一杯なんだろうと思う。山下の精一杯の譲歩。
ここは、宗谷の帝国だから‥ 宗谷が絶対君主だから‥
↓ランキングのご協力よろしくお願い致します♥


♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥
丁寧に、丁寧に、慈しむように綺麗に洗う。
手を叩いて山下と侍女を呼び、朦朧としたあたしを引き渡す。
薄衣を羽織り、椅子に腰掛けたあたしは、
化粧を施され、髪を結い上げられる。
意識がしゃんと戻った頃に、美しい着物を着せられる。
飾り立てられながら、あたしは思う‥‥
この人達は、あたしのこの身体に施されたピアスや、鞭の痕を見て、
恥丘に彫られた紅い蓮を見て、何とも思わないのだろうか?
この身体を見ても、宗谷に愛されているあたしを、羨ましいと心底思っているのだろうか?
反吐が出る。この屋敷の中のもの全てのものに、反吐が出る
皆が退き、山下と二人になる。
ふっ、笑いが漏れる。
「つくし様、どうされましたか?」
山下が問うてくる。
「山下は、あたしのこの身体どう思う?」
彼女は、身体の事には触れず
「ご主人様は、つくし様にご執心であられますから‥」
ご執心だから、こんな事は受け止めろと?愛された証だから仕方ないとでも?
「凌さんが、あたしに飽く日が来るのかしら?」
あたしは、期待を込めて山下に問う。
「ご主人様が、つくし様にでいらっしゃいますか?」
優しく笑って
「心配などなさらなくても、大丈夫でございます。ご主人様がつくし様に飽く日など来られるわけなどございません。」
あたしは、微笑んで
「飽いて頂いても、構わない。そう言ったら山下はどう思う?」
山下は、あたしを嗜めるように
「つくし様、お戯れが過ぎます。誰が聞いてるとは限りません、そのものが勘違いして、ご主人様にお伝えされないとは限りません」
「じゃぁ、あたしの身体を山下はどう思う?」
もう一度、問うてみる。
「お綺麗でございます」
「あはっ、うふっ、あははっ、お綺麗?本当にそう思う?」
「えぇ、とてもお綺麗でございます」
「ピアスに、彫り物が?」
「つくし様、宗谷の家紋は蓮の花でございます。つくし様に彫られた、紅い蓮を見て、お綺麗だと思う者は居ても、そうでないと思う不届きものは、お屋敷には、おりません。」
山下の言う事は、正しいのだろう。
宗谷家で勤めると言う事は、それだけでも名誉ある事なのだから。
「山下、あたしはあなた方と同じ庶民の出よ?お金で買われた女なのよ、そんな女の痴態の後を掃除するなんて嫌じゃないの?」
「つくし様、哀しい事はおしゃっらないで下さいませ。山下は、つくし様が心穏やかに過ごされる為に、いるのでございます」
「あたしは、嫌よ。あなた方に痴態の後を掃除されるのも、鞭で打たれ、縛られた身体を晒すのも‥」
「つくし様、お願いでございますから落ち着いて下さいまし、あまり声を荒げますと‥」
二階堂がやって来る、そう言いたいのだろう。
「‥‥」
「地下からお戻りになられた時の、お世話は、山下が全て致しますので‥どうぞお気持ちを落ち着け下さいませ」
これが、山下の精一杯なんだろうと思う。山下の精一杯の譲歩。
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