紅蓮 16 つかつく
一度、蓋を開けてしまったあたしの思いは止まらない。
目から涙が溢れ出す。
「あのね、一人でお風呂に入りたいの。一人でお食事がしたいの‥」
「つくし様、お湯浴みに関しましては、山下が全てやらせて頂きますので、どうぞお気持ち落ち着け下さいませ、明日は、ごりょん様もいらっしゃいます事ですし、ご主人様も無体な事はなさりませんので、落ち着いて下さいませ」
精神を落ち着ける香蘇散を飲まされ、麝香が焚かれる。
麝香には、心を落ち着ける作用がある。
だけど‥麝香の香りは司を思い出させる。
あたしは、声を出さずに泣きながら、司への思いを口に出す。
「山下、あたし‥好きな人がいるの‥心はその人しか求めてないの」
「つくし様、そのような事は侍女に話す事では、ありませぬ」
ピシャリと言われる
だけど‥
一旦出てしまった思いは、止めようと思っても止まらない
「宗谷なんて、嫌い、嫌い、大嫌いなの‥もう自由になりたいの。自由にさせて欲しいの」
「つくし様‥お願いですから、どうぞお心を落ち着け下さいませ」
あたしは、首を振る。
「いや、いや、もう嫌なの‥宗谷が、あたしの身体を触ると身の毛がよだつの、反吐が出そうになるの‥‥」
「つくし様、お辞め下さいませ」
「それなのに、あたしは、宗谷が与えてくれる快楽を欲しがるの‥心は悲鳴をあげてるのに、身体は嬌声をあげるの」
山下が、泣いているあたしの背を撫でながら‥、宗谷はあたしに飽くる日など来ないと言う。
なんでそんな無体な返事が出来るのかと問えば、凌様は、つくし様を愛されております。お覚悟をお決め下さいませ。そう言われる。
飽くる日が来ないなら,心穏やかに生活が出来るように、地下牢に連れて行かれなくて済むように致しましょうと言う。
「山下は、あたしの味方になってくれるの?」
そう問えば、
宗谷は裏切る事は出来ないが、あたしの自由が少しでも増えるよう、心が晴れるよう努力すると言ってくれる。
「あたしね、コンビニに行きたいの。自分のお金で、お買い物がしたいの」
「それでしたら、二階堂が居ない時にでも2人で参りましょう」
「本当?約束よ」
「えぇ、お約束でございます。ですので、お気持ちを落ち着け下さいませ」
涙で剥げてしまったお化粧を、山下が手直ししてくれる。
最後に、深紅の紅が塗り直される。
ぱっくり開いたあたしのあそこみたいに、紅がひかれる。
「つくし様の、白い肌と黒髪に、深紅の紅は大変美しゅうございます」
山下が、ニコリと微笑む。
本丸の方が、騒がしくなる。宗谷の戻りを知らせる鈴が鳴り響く。
「つくし様、ご主人様がお帰りになられました。地下に‥いいえ牢に閉じ込められたくなければ、上手くやって下さいまし。お願いでございます」
山下に手をひかれ、長い長い廊下を通って、宗谷を迎えに行く。
「山下、見て‥蝶々が飛んでるわ」
季節外れの蝶が飛ぶ。空に向かって自由に。
「左様でございますね‥‥つくし様、ご主人様がご一緒のときは、呉々もそのようなお顔をしないでくださいましね」
「顔?」
「蝶を羨むお顔でございます」
「えぇ‥わかりました」
心を殺せと、山下が言う。
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♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥
目から涙が溢れ出す。
「あのね、一人でお風呂に入りたいの。一人でお食事がしたいの‥」
「つくし様、お湯浴みに関しましては、山下が全てやらせて頂きますので、どうぞお気持ち落ち着け下さいませ、明日は、ごりょん様もいらっしゃいます事ですし、ご主人様も無体な事はなさりませんので、落ち着いて下さいませ」
精神を落ち着ける香蘇散を飲まされ、麝香が焚かれる。
麝香には、心を落ち着ける作用がある。
だけど‥麝香の香りは司を思い出させる。
あたしは、声を出さずに泣きながら、司への思いを口に出す。
「山下、あたし‥好きな人がいるの‥心はその人しか求めてないの」
「つくし様、そのような事は侍女に話す事では、ありませぬ」
ピシャリと言われる
だけど‥
一旦出てしまった思いは、止めようと思っても止まらない
「宗谷なんて、嫌い、嫌い、大嫌いなの‥もう自由になりたいの。自由にさせて欲しいの」
「つくし様‥お願いですから、どうぞお心を落ち着け下さいませ」
あたしは、首を振る。
「いや、いや、もう嫌なの‥宗谷が、あたしの身体を触ると身の毛がよだつの、反吐が出そうになるの‥‥」
「つくし様、お辞め下さいませ」
「それなのに、あたしは、宗谷が与えてくれる快楽を欲しがるの‥心は悲鳴をあげてるのに、身体は嬌声をあげるの」
山下が、泣いているあたしの背を撫でながら‥、宗谷はあたしに飽くる日など来ないと言う。
なんでそんな無体な返事が出来るのかと問えば、凌様は、つくし様を愛されております。お覚悟をお決め下さいませ。そう言われる。
飽くる日が来ないなら,心穏やかに生活が出来るように、地下牢に連れて行かれなくて済むように致しましょうと言う。
「山下は、あたしの味方になってくれるの?」
そう問えば、
宗谷は裏切る事は出来ないが、あたしの自由が少しでも増えるよう、心が晴れるよう努力すると言ってくれる。
「あたしね、コンビニに行きたいの。自分のお金で、お買い物がしたいの」
「それでしたら、二階堂が居ない時にでも2人で参りましょう」
「本当?約束よ」
「えぇ、お約束でございます。ですので、お気持ちを落ち着け下さいませ」
涙で剥げてしまったお化粧を、山下が手直ししてくれる。
最後に、深紅の紅が塗り直される。
ぱっくり開いたあたしのあそこみたいに、紅がひかれる。
「つくし様の、白い肌と黒髪に、深紅の紅は大変美しゅうございます」
山下が、ニコリと微笑む。
本丸の方が、騒がしくなる。宗谷の戻りを知らせる鈴が鳴り響く。
「つくし様、ご主人様がお帰りになられました。地下に‥いいえ牢に閉じ込められたくなければ、上手くやって下さいまし。お願いでございます」
山下に手をひかれ、長い長い廊下を通って、宗谷を迎えに行く。
「山下、見て‥蝶々が飛んでるわ」
季節外れの蝶が飛ぶ。空に向かって自由に。
「左様でございますね‥‥つくし様、ご主人様がご一緒のときは、呉々もそのようなお顔をしないでくださいましね」
「顔?」
「蝶を羨むお顔でございます」
「えぇ‥わかりました」
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