明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

紅蓮 17 つかつく

「ねぇ山下、蝶々の着物を作って頂くのはどうかしら?」
あたしが意地悪く言えば
「つくし様のおねだり‥お喜びになるかと思います」
笑顔で言葉が返ってくる。

長い長い廊下を歩き、本丸の玄関に向う。
宗谷が、あたしを見つけ嬉しそうに微笑む
「凌さん、お帰りなさいませ。お待ちしておりました」
先ほどまでの事は、おくびにも出さず微笑む。

「あぁ、このまま出掛けるので、車に乗りなさい」
玄関口の前に止められたリムジンに、宗谷と2人で乗り込む。
宗谷があたしの手を取り、指を絡めてくる。
あたしは、宗谷の指を強く握り返す。

「凌さん、私‥蝶々のお着物が欲しゅうございます、髪飾りも蝶々が宜しゅうございます」

「つくしが欲しいものをそうやって言ってくれるなんて、私は嬉しいよ」

「では買うて頂けますか?」

「あぁ、帰りに泉州屋にも寄ろう。それとも来て貰おうか?」

「ありがとうございます。出来ましたら他にも見とうございます」

大仰に頷く姿が、嬉しそうだ。
蝶々を欲しがる本当の意味も知らずに、おねだりされて喜ぶ、バカな男。 
そんな思いは、心にしまい込み‥ 嬉し気に微笑む。
銘仙は、小鳥が欲しいとでも言ってみようかしら?

「随分とご機嫌だね」
「凌さんと久方ぶりのお出掛けですもの」
宗谷に、凭れかかる。

病院に着くと、院長総出で迎え入れられる。
全てが特別室仕様の超セレブ病院…そのなかでも、スペシャルなお部屋。
一月に支払う金額は、一千万は下らない。
それに、パパの借金の返済‥
あたしは、良く稼ぐ愛玩人形だと、自嘲する。

ママのいる病室に入る。パパが傍らで眠りこけている。
色とりどりの花が飾られている。ママは静かに眠っている。
時折、目を覚ますらしい。
だけど‥機械で見守っていないと、自発呼吸をしない時がある。

働く事をしなくなったパパは、日がな一日、こうして病室にいる。
最初の年は、ギャンブルに明け暮れていたが、一攫千金などしなくとも、底をつく事がない資金。
楽しみがなくなったのか、ギャンブルは一切しなくなった。

時折、近くにある自宅に帰るらしい。
ふっ、自宅と言っても、牧野家には相応しくないような、超高級マンションだ。
掃除、洗濯、ご飯の用意も宗谷の使用人が担っているらしい。

宗谷自身が、あたしを飽いてくれれば、慰謝料代わり払ってもらえるだろう。
だけど‥あたしが逃げ出したら、全てが終わる。


宗谷はそれを心得ていて、何もしないようにパパを飼い馴らした。
もう戻れないだろう。
パパはともかく、ママをずっと入院させてくれる病院などあるわけもなく‥
すぐに、路頭に迷う事になるだろう。


宗谷とこうなる前に、西門のお家元が、全て出すとおしゃって下さった。
気になるのならば、代わりに,西門に嫁に来ないかと。冗談半分におしゃって下さった。
有難いお申し出だった。

だけど…冗談の中に隠された真実まことを、あたしは敏感に感じとってしまった。
西門さんは、あたしを好いていてくれる。
傷ついたあたしを、影に日向に労ってくれる…
だからこそ、頼ってはいけない。そう思った。

西門さんは、大好きな友人で、あたしの愛した男の親友だから。
そんな不義理な思いをしては、いけないそう思った。

その時、一番近くにいたのが宗谷だった。
宗谷は、あたしの心を求めなかった。
伽藍堂の木偶は、それが心地好くて、彼に身を委ねた。

それなのに‥今の宗谷は、あたしの全てを得ようとする。

あたしは、どこで道を迷ってしまったのだろう‥






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2 Comments

にこ  

みかん様

まさしく

2016/04/16 (Sat) 20:30 | EDIT | REPLY |   

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2016/04/16 (Sat) 12:29 | EDIT | REPLY |   

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