紅蓮 30 つかつく
ベットで微睡みながら、天窓に映る月を見る。
綺麗な綺麗な月を見る。
宗谷は、あたしを抱き締め眠っている。
満足げな表情を浮かべて‥
虫酸が走る。
あたしは、この男が嫌いだ。だけど、身を委ねよう。
自由を得る為に‥
ベットから抜け出て、鏡を見る。
前よりも惨めじゃない‥そう思いながら鏡を見る。
「ふっふふ‥」 頬に一粒、涙が伝う。
もう泣かないと決めたのに、涙が伝う。
あたしの心に紅蓮の花が咲く。寒い寒いと心が血を流す。
「つくし」
あたしを呼ぶ声がする。
憎む男の寝間に潜り込む。
子猫のように丸くなり、宗谷に抱かれてあたしは眠る。
夢もみないで、あたしは眠る。
青い空、白い雲が天空に浮かんでいる。光が燦々と差している。
光が、宗谷の顔に降り注ぐ。美しい男だと改めて思う。サラサラな髪の毛を撫でて、瞼を鼻筋を唇をなぞる。
司の髪は巻き毛の癖毛だった、瞼も鼻筋も唇も、目の前の男とは全く違う。
宗谷は、あたしの指先を掴んで、口づけを落とす。
幸せそうに笑みを浮かべながら
「つくし、ずっとずっと傍にいるんだよ」
あたしは微笑む。
早くあたしに飽いて下さい。そう願いながらあたしは微笑む。
天使が舞い降りるような光の中で、宗谷は目を閉じている。
あたしも、もう一度目を閉じて光の中を漂う。
**
仲睦まじ気に、地上へと続く廊下を登る。
二階堂が山下が嬉し気に、あたしと宗谷を迎える。
あたしは、山下に微笑む。娼婦になりましたと。妄語を操り、精を売る娼婦になりましたと。心の中で呟きながら。
「つくし、山下が用意した服を来てみせておくれ」
山下が用意してくれた服を着てみせる。
宗谷があたしを見ながら
「つくし、その服を着るのは、屋敷の中だけだよ」
「あっはい」
屋敷の中だけでも、思いが叶う事に、安堵した瞬間
「つくし、やはり着替えなさい。山下、そこに用意したものは全て処分しなさい」
小さな願いさえ、この屋敷の中では通らないのかと、あたしは哀しくなる。
折角、抱かれてあげたのに。
「午後に、外商を呼ぶ。その中から選びなさい」
そう言い捨てて部屋を出て行く。
あたしは この男が嫌いだ。
「つくし様、大変申し訳ございません」
山下があたしに誤って来る。
涙が零れ落ちそうになる。あたしは唇を噛み締めて
「折角用意してくれたのに、ご免なさい。でもありがとう」
山下に微笑む。
洋服が、所狭しと並べられて行く。
ジーンズどころか、パンツの一枚も無い。
あたしの願いなど、一つも叶いはしない服の山。
こんな服など欲しくはない。
「ごめんなさい、ちょっと気分が優れないので‥」
言い残して、部屋を出る。
惨めで辛い想いを抱えて部屋を出る。
↓ランキングのご協力よろしくお願い致します♥


♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥
綺麗な綺麗な月を見る。
宗谷は、あたしを抱き締め眠っている。
満足げな表情を浮かべて‥
虫酸が走る。
あたしは、この男が嫌いだ。だけど、身を委ねよう。
自由を得る為に‥
ベットから抜け出て、鏡を見る。
前よりも惨めじゃない‥そう思いながら鏡を見る。
「ふっふふ‥」 頬に一粒、涙が伝う。
もう泣かないと決めたのに、涙が伝う。
あたしの心に紅蓮の花が咲く。寒い寒いと心が血を流す。
「つくし」
あたしを呼ぶ声がする。
憎む男の寝間に潜り込む。
子猫のように丸くなり、宗谷に抱かれてあたしは眠る。
夢もみないで、あたしは眠る。
青い空、白い雲が天空に浮かんでいる。光が燦々と差している。
光が、宗谷の顔に降り注ぐ。美しい男だと改めて思う。サラサラな髪の毛を撫でて、瞼を鼻筋を唇をなぞる。
司の髪は巻き毛の癖毛だった、瞼も鼻筋も唇も、目の前の男とは全く違う。
宗谷は、あたしの指先を掴んで、口づけを落とす。
幸せそうに笑みを浮かべながら
「つくし、ずっとずっと傍にいるんだよ」
あたしは微笑む。
早くあたしに飽いて下さい。そう願いながらあたしは微笑む。
天使が舞い降りるような光の中で、宗谷は目を閉じている。
あたしも、もう一度目を閉じて光の中を漂う。
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仲睦まじ気に、地上へと続く廊下を登る。
二階堂が山下が嬉し気に、あたしと宗谷を迎える。
あたしは、山下に微笑む。娼婦になりましたと。妄語を操り、精を売る娼婦になりましたと。心の中で呟きながら。
「つくし、山下が用意した服を来てみせておくれ」
山下が用意してくれた服を着てみせる。
宗谷があたしを見ながら
「つくし、その服を着るのは、屋敷の中だけだよ」
「あっはい」
屋敷の中だけでも、思いが叶う事に、安堵した瞬間
「つくし、やはり着替えなさい。山下、そこに用意したものは全て処分しなさい」
小さな願いさえ、この屋敷の中では通らないのかと、あたしは哀しくなる。
折角、抱かれてあげたのに。
「午後に、外商を呼ぶ。その中から選びなさい」
そう言い捨てて部屋を出て行く。
あたしは この男が嫌いだ。
「つくし様、大変申し訳ございません」
山下があたしに誤って来る。
涙が零れ落ちそうになる。あたしは唇を噛み締めて
「折角用意してくれたのに、ご免なさい。でもありがとう」
山下に微笑む。
洋服が、所狭しと並べられて行く。
ジーンズどころか、パンツの一枚も無い。
あたしの願いなど、一つも叶いはしない服の山。
こんな服など欲しくはない。
「ごめんなさい、ちょっと気分が優れないので‥」
言い残して、部屋を出る。
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