明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

紅蓮 50 つかつく

夢の中の女は、穴を掘っている

掘った穴に横たわり、手を組んで眠る。

まるで聖女のように‥‥


青年は、魘され目を覚ます。

ベッドの隣を確認する。いる筈の女は隣に居ず、もぬけの殻だ‥‥
逃げ出す筈がないと解っているのに、いいや、逃げ出せる筈がないと解っているのに
青年は、声を荒げて女を呼ぶ‥


バスルームから、シャワーの音がする‥‥
慌てて、扉を開けようとしても、バスルームには内鍵がかかっていて空かない。

青年は慌てて、何度も何度もドアをノックする。
閉ざされたドアは、びくともしない。


一瞬の躊躇いがあった。

2人の関係を公にしたくないと‥出来ないと。


この時の躊躇いを、青年は永遠に担いで生きていくのだ。


どのくらいの時間ドアを叩いたのだろう、
青年の従者が異変に気がつき、青年のもとにやってきたのは、
一体いつだったろだろう?


従者が、バスルームの鍵を開ける‥

目の前に広がっていたのは、血の海だった。
血の海に漂っていたのは、青白い顔をした美しい女。


たった数時間前に、青年の下で喘いでいた女だった。
神に背いたとしても、生涯、守り抜いて生きていこう決めた女だった。


「美繭‥」


青年の口から、声が漏れる。
愛するものの名を呼ぶ声が‥


人は、愛するものを失ったとき、何を支えに生きていくのだろうか?




***

宗谷に抱かれ、微睡む。
すっかりと飼い馴らされたあたしは、快楽を享受する。
早々と意識を手放し、人である事をやめて、獣になる。


人であらずんば‥哀しみも悔しさも‥‥惨めさも、感じずにいられる



赴くままに、快楽を貪る‥‥意識を手放す。
双方、win win の関係じゃないかと‥‥自嘲する。


宗谷の薄い唇が、苦しげに名前を呼んでいる。

「‥‥美繭‥」

宗谷の異母姉の名前だ‥
あたしに、似ていると宗谷が言う女性。

以前、山下に聞いた時‥あたしに似ていないと彼女は言った。


どんな女性だったのだろう?
宗谷の屋敷の中では、決して口に出してはいけない名前のようで、
一度たりとも “美繭” さんの名は聞かない。


ただ、彼女の月命日と思われる日は、邸の中の侍女達の着物が全て色をなくす。
毎月、19日は、この邸から色が消え、宗谷はあたしを執拗に抱くのだ。
執着‥‥正しくこの言葉が似合う抱き方をするのだ。


「‥‥ぅうーーん‥‥」
宗谷が魘されている。

魘されている宗谷を見て‥

もっともっと、苦しめばいいと思う気持ちと、
共に芽生えたのが、
宗谷の哀しみが無くなればいいのにと思う気持ち。


情なのだろうか? 憐憫なのだろうか?

この感情がどこから来るのかは、あたしにも解らない。
だけど‥‥
素直な気持ちで、そう願う。


「つくしは、いい子ちゃんだから‥」
いつだったか、滋さんに言われた言葉を思い出す。

この後、盛大に泣かれたんだよね。
人の幸せじゃなくて、自分の幸せを求めなよ‥そう言って。


滋さん、元気かな?
宗谷と結婚した丁度同じ頃、異国のプリンスと結婚した滋さん。
1年に1度日本に戻ってきた時に、宗谷から許しを得て会わせてもらっていたのだけど‥
昨年は、滋さんの妊娠出産が重なって会う事が出来なかったんだよね。


彼女の底抜けに明るい笑顔を思い出す。



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6 Comments

にこ  

さとぴょん様

ザックザック…効果音入れたかったな~
宗谷…惚れちゃう?えへへ…さとぴょんさーん(笑)

2016/06/01 (Wed) 17:58 | EDIT | REPLY |   

にこ  

Kachiさま

どうなんでしょうね。救われるのか、より執着するのか…

2016/06/01 (Wed) 17:55 | EDIT | REPLY |   

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2016/06/01 (Wed) 13:51 | EDIT | REPLY |   

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2016/05/31 (Tue) 18:55 | EDIT | REPLY |   

にこ  

yukikoさま

少しずつ少しずつ、みえてくるかな~(*^^*)

2016/05/31 (Tue) 18:28 | EDIT | REPLY |   

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2016/05/31 (Tue) 15:49 | EDIT | REPLY |   

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