ずっとずっと 38
「しぃちゃんー久しぶり〜」
「かおるちゃーん 久しぶり〜」
10月からのセミナー受講に向け4人で勉強会をする為
六麓荘町にある筒井の別邸に行く事にしたのだ。
瀟洒な佇まいの大邸宅が立ち並ぶ六麓荘の中でも一際目立つ大豪邸が、筒井の別邸だった。
「うわぁー素敵」
「ねぇ〜素敵」
ククッククッ笑う 薫と悠斗
「姫君達が喜べば、つぅ爺も満足だろうよ」
「確かに。その為にここ1ヶ月で改築したんだからね。」
「「えっ”」」
驚く あたしとかおるちゃん
薫と悠斗は、さもありなんの顔で頷く。
はぁーーーっ 本当にお金持ちの考える事は解らない。
あたし達女子だけの為の改築なんて‥…
薫は
「しぃちゃんが喜ぶのなら、僕らのペントハウスもこんな感じで改築するよ。」
事も無げに言う。
「ひゃーダメダメ。あのまんまでお願いします。」
「って、ルウさん、僕らのって??どういう意味?」
するどい突っ込みのかおるちゃん
「うん。そのまんまの意味だよ。」
「へぇーーー」
ニヤリと嬉しそうに笑う悠斗
「一緒に暮らし始めたのかよ?」
「うーん。そうなるのかな? ルームシェアだけどね。 ねっ、しぃちゃん」
「えへへっ いつもカウチで寝て迷惑かけちゃってたからね。」
スマフォのベルが鳴る。RRRR…
司からの電話だ。急いで席を立ち電話に出る。
「よぉー無事に着いたか?」
メールで連絡は入れて置いたのだけど、心配して電話をくれた司
「うん。無事に着いたよ‥…電話ありがとうね。嬉しいよ」
「おっ、今日はやけに素直じゃねーかよ」
「いつも素直だっつーの…」
他愛もない会話で幸せな気分になるあたし。
声を聞いただけで、あたしの中の心が叫ぶ、あんたを愛してると。
********
六麓荘の朝は、4人でのディベートから始まる。
テーマは様々だが、相手にいかに勝つことが出来るのかの真剣勝負だ。
悠斗は押しの強さ、かおるちゃんは理知的な考え、薫は柔和の雰囲気の中の圧倒的な威圧感が武器だ。
あたしの武器は何なんだろうか?
午後は、庭のプールで泳いだり、ボードゲームをしたり、本を読んだり 資料作りに精を出したり、それぞれが思い思いに過ごす。とても居心地の良い時間。
夕方からは、かおるちゃんとあたしの2人でプレゼンタイムだ。交渉相手は薫と優斗。
薫と悠斗は、中々手厳しい。詰めの甘い部分をこれでもかというくらいについてくる。手厳しい相手から褒められた瞬間。かおるちゃんと2人でニンマリする。
「あたし達ってやる時やるよねー」
「ねぇ〜♡やれば出来る子なのよね♪」
「「うふふっ」」
2人で自画自賛タイムの始まり始まり〜
まぁ何事も自信が大切だからねッ
瞬く間に一週間が過ぎ去っていく。
「あっと言う間の1週間だったねぇー」
かおるちゃんと二人でなんとなくしんみりしてしまった。
*****
「薫、しぃとはどうなってんだ?」
「ふっ、どうって?」
「ったく、どうはどうだよ‥しぃとはどうなってんのかって事だよ?」
クックッ
「悠斗は相変わらずだなぁー、しぃちゃんとはココから帰ったら一緒に暮らすつもりだよ。今までも殆ど一緒だったから生活自体はあんまり変わらないけど、しぃちゃんの前の部屋は解約してもらうつもりだよ。」
「お前ら上手くいってんだな。」
「うーーん 悠斗が想像してるような事は一切ないよ。」
「でも薫お前、しぃが好きだろう?」
「あははっ、さすが悠斗。お前には隠し事出来ないよなぁー」
「うん。僕はしぃちゃんが好きだよ。お陰で生きてるのが義務じゃなくなった。食事も美味しく食べれる様になった。」
「それで、お前は大丈夫なのか? 俺はお前に良かったなって言って良いのか?」
「ふっ、大丈夫もなにも僕は彼女なしじゃ、もう生きていけないと思ってるよ。だから一緒に暮らすように仕向けた。一緒にいれるだけで幸せなんだ。悠斗には祝福してもらいたいなぁー」
「でも‥… アイツ男いるだろう?」
「なんだ悠斗知ってたんだ? しぃちゃんに聞いたの?そてともかおちゃん?」
「いや勘っていうか‥…アイツ俺やカオにはそう言う事話さねえよ。定期的にNYに行くのと、電話のあとすげぇー嬉しそうにしてる事があるからよー」
「そっかー うん。いるみたいだね」
「薫はそれでいいのかよ?」
「だからいいも悪いも僕にはその権利はないんだよ。しぃちゃんがそいつを好きなら応援するしかないだろ?そいつがしぃちゃんに相応しい男なら僕は見守り続けるつもりだよ。」
「そっか‥… 俺はよぉ 薫が大好きで大切だ。しぃの事も大切な仲間だと思ってる。お前ら2人のためなら何でもするからよぉ なんかあったら俺とカオに言ってくれ。」
「悠斗 ありがとう」
*****
「しぃちゃん 聞いてもいいかな?」
かおるちゃんが珍しく真剣な表情をしている
「んっ?」
「あのね、間違ってたらゴメンね。しぃちゃんもしかしてルゥさんと一緒に暮らし始めた?」
「うん。前にも話したよね?ここから帰ったら完全に薫の家で間借りさせてもらうつもりだよ。今までも薫の家でずっと一緒だったからあんまり変わんないだけどね」
「そ、そうなんだ‥…」
「うんっ?」
「あのね、しぃちゃん‥…」
かおるちゃんが何かを話しかけようとした瞬間‥…
「しぃちゃん お待たせ」
薫が部屋に入って来て、なんとなく今までしてた会話は打ち切りになった。
この時、あたしはかおるちゃんが話す事をきちんと聞くべきだったんだ。
鈍感にもほどがあったんだ。
*****
「かおるちゃん またね〜」
「うん、またねーー」
「悠斗、カオちゃん 2人でたまには遊びにお出でね」
「おぉ、薫。今度お邪魔するよ」
「はい。ユト君とお邪魔させて貰います。」
「うん。しぃちゃんと2人で待ってるね」
あたしが帰る場所は、薫と住むペントハウス
薫が帰る場所は、あたしと住むペントハウス
薫は、あたしを縛り付けるつもりなど無かった。
あたしを愛してくれただけ‥…
あたしはあたしを追いつめていく‥…
あたしは
しがらみに雁字搦めになっていく‥…
この時のあたしはまだ気がつかない
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「かおるちゃーん 久しぶり〜」
10月からのセミナー受講に向け4人で勉強会をする為
六麓荘町にある筒井の別邸に行く事にしたのだ。
瀟洒な佇まいの大邸宅が立ち並ぶ六麓荘の中でも一際目立つ大豪邸が、筒井の別邸だった。
「うわぁー素敵」
「ねぇ〜素敵」
ククッククッ笑う 薫と悠斗
「姫君達が喜べば、つぅ爺も満足だろうよ」
「確かに。その為にここ1ヶ月で改築したんだからね。」
「「えっ”」」
驚く あたしとかおるちゃん
薫と悠斗は、さもありなんの顔で頷く。
はぁーーーっ 本当にお金持ちの考える事は解らない。
あたし達女子だけの為の改築なんて‥…
薫は
「しぃちゃんが喜ぶのなら、僕らのペントハウスもこんな感じで改築するよ。」
事も無げに言う。
「ひゃーダメダメ。あのまんまでお願いします。」
「って、ルウさん、僕らのって??どういう意味?」
するどい突っ込みのかおるちゃん
「うん。そのまんまの意味だよ。」
「へぇーーー」
ニヤリと嬉しそうに笑う悠斗
「一緒に暮らし始めたのかよ?」
「うーん。そうなるのかな? ルームシェアだけどね。 ねっ、しぃちゃん」
「えへへっ いつもカウチで寝て迷惑かけちゃってたからね。」
スマフォのベルが鳴る。RRRR…
司からの電話だ。急いで席を立ち電話に出る。
「よぉー無事に着いたか?」
メールで連絡は入れて置いたのだけど、心配して電話をくれた司
「うん。無事に着いたよ‥…電話ありがとうね。嬉しいよ」
「おっ、今日はやけに素直じゃねーかよ」
「いつも素直だっつーの…」
他愛もない会話で幸せな気分になるあたし。
声を聞いただけで、あたしの中の心が叫ぶ、あんたを愛してると。
********
六麓荘の朝は、4人でのディベートから始まる。
テーマは様々だが、相手にいかに勝つことが出来るのかの真剣勝負だ。
悠斗は押しの強さ、かおるちゃんは理知的な考え、薫は柔和の雰囲気の中の圧倒的な威圧感が武器だ。
あたしの武器は何なんだろうか?
午後は、庭のプールで泳いだり、ボードゲームをしたり、本を読んだり 資料作りに精を出したり、それぞれが思い思いに過ごす。とても居心地の良い時間。
夕方からは、かおるちゃんとあたしの2人でプレゼンタイムだ。交渉相手は薫と優斗。
薫と悠斗は、中々手厳しい。詰めの甘い部分をこれでもかというくらいについてくる。手厳しい相手から褒められた瞬間。かおるちゃんと2人でニンマリする。
「あたし達ってやる時やるよねー」
「ねぇ〜♡やれば出来る子なのよね♪」
「「うふふっ」」
2人で自画自賛タイムの始まり始まり〜
まぁ何事も自信が大切だからねッ
瞬く間に一週間が過ぎ去っていく。
「あっと言う間の1週間だったねぇー」
かおるちゃんと二人でなんとなくしんみりしてしまった。
*****
「薫、しぃとはどうなってんだ?」
「ふっ、どうって?」
「ったく、どうはどうだよ‥しぃとはどうなってんのかって事だよ?」
クックッ
「悠斗は相変わらずだなぁー、しぃちゃんとはココから帰ったら一緒に暮らすつもりだよ。今までも殆ど一緒だったから生活自体はあんまり変わらないけど、しぃちゃんの前の部屋は解約してもらうつもりだよ。」
「お前ら上手くいってんだな。」
「うーーん 悠斗が想像してるような事は一切ないよ。」
「でも薫お前、しぃが好きだろう?」
「あははっ、さすが悠斗。お前には隠し事出来ないよなぁー」
「うん。僕はしぃちゃんが好きだよ。お陰で生きてるのが義務じゃなくなった。食事も美味しく食べれる様になった。」
「それで、お前は大丈夫なのか? 俺はお前に良かったなって言って良いのか?」
「ふっ、大丈夫もなにも僕は彼女なしじゃ、もう生きていけないと思ってるよ。だから一緒に暮らすように仕向けた。一緒にいれるだけで幸せなんだ。悠斗には祝福してもらいたいなぁー」
「でも‥… アイツ男いるだろう?」
「なんだ悠斗知ってたんだ? しぃちゃんに聞いたの?そてともかおちゃん?」
「いや勘っていうか‥…アイツ俺やカオにはそう言う事話さねえよ。定期的にNYに行くのと、電話のあとすげぇー嬉しそうにしてる事があるからよー」
「そっかー うん。いるみたいだね」
「薫はそれでいいのかよ?」
「だからいいも悪いも僕にはその権利はないんだよ。しぃちゃんがそいつを好きなら応援するしかないだろ?そいつがしぃちゃんに相応しい男なら僕は見守り続けるつもりだよ。」
「そっか‥… 俺はよぉ 薫が大好きで大切だ。しぃの事も大切な仲間だと思ってる。お前ら2人のためなら何でもするからよぉ なんかあったら俺とカオに言ってくれ。」
「悠斗 ありがとう」
*****
「しぃちゃん 聞いてもいいかな?」
かおるちゃんが珍しく真剣な表情をしている
「んっ?」
「あのね、間違ってたらゴメンね。しぃちゃんもしかしてルゥさんと一緒に暮らし始めた?」
「うん。前にも話したよね?ここから帰ったら完全に薫の家で間借りさせてもらうつもりだよ。今までも薫の家でずっと一緒だったからあんまり変わんないだけどね」
「そ、そうなんだ‥…」
「うんっ?」
「あのね、しぃちゃん‥…」
かおるちゃんが何かを話しかけようとした瞬間‥…
「しぃちゃん お待たせ」
薫が部屋に入って来て、なんとなく今までしてた会話は打ち切りになった。
この時、あたしはかおるちゃんが話す事をきちんと聞くべきだったんだ。
鈍感にもほどがあったんだ。
*****
「かおるちゃん またね〜」
「うん、またねーー」
「悠斗、カオちゃん 2人でたまには遊びにお出でね」
「おぉ、薫。今度お邪魔するよ」
「はい。ユト君とお邪魔させて貰います。」
「うん。しぃちゃんと2人で待ってるね」
あたしが帰る場所は、薫と住むペントハウス
薫が帰る場所は、あたしと住むペントハウス
薫は、あたしを縛り付けるつもりなど無かった。
あたしを愛してくれただけ‥…
あたしはあたしを追いつめていく‥…
あたしは
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