明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

ヤドリギの下  類つく

牧野つくし 22歳 ただいま社会人一年生。
毎日、毎日...目の前の事を我武者羅にただただこなす。

失敗だらけの連続に、トホホの毎日もやっと過ぎ
少しだけ落ち着いてきた10月だったのに...
ちょこっとだけ戦力になるようになったあたしは (エヘンっ)
諸先輩方から...

「牧野ーーーー」
「つくしちゃーんこっち手伝って」
「牧野さーん」
「つくし、こっちもだ」

仕事を目一杯頼まれる。
明らかにキャパ超えてない?と思うのだけど、
先輩達はもっともっと沢山の仕事をこなしてるから、何も言えるわけもなく
ヒィーッと、なりはじめた11月。

師も走る12月って、本当なんだなぁーと、改めて実感する時間も無いほど目まぐるしく、日々忙しくなってきた12月。

ふぅっー 

新人の仕事には、部署の忘年会の幹事なんて仕事もあって、場所を決め、詳細を知らせ、出欠をとり、お金を徴収したりと忙しい。
合間合間に、新人余興 一発芸?隠し芸? の練習が加わる。

「牧野、そこ違う。」
同期の相田がマジ怒ってる。こ、怖い。
里美は笑いながら
「相田、ラグビー部だったから‥…マジだよ、マジ。」

五郎丸ポーズ‥… あたしには違いがわからない。
でもそんな事言えない目つきの相田。
ひゃー 辛いっす。

その後は、新人女子の「おどるポンポコリン」の練習
昔流行った事があるらしく、誰でも知ってるよーで決まったんだけど
中々どうして、疲れた身体には苦行のようなダンス。

「はっ、はっ 案外ハードだよね〜」
未來が笑いながら、ペットボトルを差し出してくれる。
「うーん。中々のもんだねぇー」

「つくしは、この後予定あり?もし無かったら里美と智慧ちゃんゆずとご飯行くんだけど行かない?」
「うん。行く行く〜♪」

5人で向った先は、 トスカーナ料理のお店 caciucco
店名の如く、カチュッコが美味しいお店らしく、女子の間でこの頃評判のお店。
駅から離れているというのに、大した盛況ぶりで、1時間ほど並んで店内に入った。
店内の内装もビックリする位お洒落で可愛い。

「うわっ、何コレー マジ美味しいんですけど〜」
智恵ちゃんが叫んでる。
「うん。うん。美味しいよねぇ〜♪」
「並んだ甲斐があったよねぇー」


忘年会の余興の話しから始まって色々な話しに花を咲かせる。
新人NO1に色っぽいと評判のゆずが
「ねぇねぇ ところでつくしって彼氏は?」
ゲボッ ゲボッ ‥…
突然の質問に、飲んでいたワインを吹き出しそうになってしまった。
里美が楽しげにこちらを見ながら
「聞きたい〜 聞きたい〜 私もつくしの恋話聞きたい」
「あっ、私も聞きたーい つくし食事とかよく誘われてるのに、ことごとくお断りしてるよね?」
「仕事以外は早く帰っちゃう事も多いじゃない?」
「そうそう、部署の飲み会にも最低限しか出ないし‥」
「合コンも来ないよね?」
「ねぇねぇ〜どうなの?どうなの?」
皆の視線が痛い‥…
「う、うーん あははっ どうなんだろうねー」
なんて他人事の様な返事をしながら‥…

彼氏かぁーーー 彼氏居ます。なんて大見得切って言えるような関係じゃないし‥…
あたし達の関係って何なんだろう? そんなふうに考えていた。

週に一度2人で会って、音楽を聞きながら、本を読みながら、話しをしながら昼寝をする。
会社帰りに待ち合わせて、2人で一緒に食事をとる。
手を繋ぎながら2人並んで散歩する。

好きだと言われ、抱きしめられて 軽いキスをされるようになってもう1年が経つ。
だけど、それ以上の事はなにもない。
あたしだって曲がりなりにも、20代女子なのだ。その先だってとっくに覚悟は出来ている。
だけど、それ以上には何も進展しない。
あたしの魅力がたりないのか?そもそも女友達としてしか見られていないのか?いやいや、昼寝友達?頭の中を色々な考えが渦巻く‥

「あのさぁ‥…男の人が一緒に居て女の人に手を出さないのってどんな関係なのかなぁ?」

「うーん あり得ない関係」
「女友達って感じ?それでもしたくなっちゃうのが健全男子だしねー」
「ものすごーく淡白?それとも女性に興味がないとか?」
「大事に思ってる?」
「って、20代男子だったらいくら大事に思ってても何にもないのはあり得ないでしょー」

そ、そ、そうなんだ‥… やっぱり 昼寝友達なのかな? 
でも好きって言ってくれたよね?

「って、つくし彼とそういう感じなの?」
「えっ”、そ、そうじゃなくて、と、と、友達が聞いてきたから、皆がはどう思うか聞いてみただけ。」
「ふ〜〜ん」
「私なら、自分から押してみるかな?」
「ヨッ 肉食女子!!」
「お、押してみるって?」
「普段見せない自分を見せる感じかな〜」
流石色っぽさNO1だ。そう言いながらグラスを傾ける姿も色っぽい。
「待ってても来ないなら押し倒さなきゃ〜だね」
普段元気印の智恵ちゃんまでもがなんだか艶っぽい。

ワインのほろ酔い加減も手伝ってなんだか気が大きくなるあたし。
夜道は寒いけれど、5人で歩く夜道はワインで火照った身体のせいか温かい。

「じゃあまた来週ね〜」
「バイバイ〜」
「つくし、頑張って押したしてきなぁー」
「うふっ、ガンバレ!! 骨は拾ってあげるから当たって砕ける覚悟で行ってこい!!」


あぁ、バレてたか〜 なんて思いつつ、あたしは一大決心をする。
類に会いに行こう。あたしの気持ちをぶつけよう。


あたしの決心とともにスマホのベルがなる

RRR
「つくし、今どこ?」
「っん?表参道‥…」
「今から会える?って、こんなに遅く仕事でもないのに無いのに何やってんの?」
「っん?ご飯食べてた。遅いって言ったてまだ10時半だよ〜」

「女の子なんだから充分遅いよ。」
「うふっ 類は心配性だね。」

「表参道なら20分くらいで迎えに行けるから、ヒルズでちょっと待っててくれる?着いたら連絡するから。」
「うん。」
けやき並木のイルミネーションがとても綺麗。
火照った頬に夜風が心地良い。

ヒルズのツリーの下には、沢山の恋人達。
「ヤドリギ」のシャンデリアオブジェがとても綺麗で、ため息をついた。
肩を叩かれ後ろを振り向くと、美作さんと西門さん。

「ヨッ! 牧野珍しいじゃん。類はどうした?」
「っん?これから来るよ。そっちこそ男2人なんて珍しいじゃん」
「オレ等はこれからデート。偶然ばったりココで会ったんだよ」
「へぇっーー」
「ベタな待ち合わせ場所だから女が喜ぶんだよ。」
「へぇ〜そうなんだー」

「お前等もココで待ち合わせだろ?」
「っん?たまたまあたしが表参道に居たからで、時間が中途だったからココでツリー見てただけだよ。」
「そっかー」

2人ともお目当ての女性が来たようで
「じゃっ、またな!類に宜しく〜」
なんて言いながら去って行った。



ツリーを見上げていると、後ろから抱きしめられる
「つくし、見つけた‥…」
薄い茶色の瞳の類があたしを見つけて、満面な笑みをむけてくれる。

「うふっ 電話するって言ってたのに?」
「うん。ここの下に居る気がしたんだ。」

「去年もここで待ち合わせしたの覚えてる?」
「うん。」

「今日でちょうど1年なんだ。」
「うん。」

「今年はヤドリギがテーマなんだって」
「うん。」

「ヤドリギの下で恋人同士がキスすると一生幸せになるんだって」
「うん。」

「つくし‥…オレ等もう一歩進んでも良いよね?」

もう一度抱きしめられてキスをした。
いつもと違う深い口づけを‥…

ヤドリギの下でキスをした。


翌年からあたし達の家には、毎年ヤドリギが飾られる。
愛の木ヤドリギが飾られる。


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2 Comments

asuhana  

Re

凛々さま
おはようございます(*^^*)
本当につくしちゃんピッタリ♪
私にキスしてくださいもピッタリ♪
ヤドリギ不思議な植物ですよね~
オカメインコ可愛いですよね~(*^^*)
ペットショップに行っては、ワクワクして見てます。
コザクラ、アッケラカンな性格らしく、ガチャガチャ煩い我が家でも大丈夫かな~で、息子はコザクラに夢中なんですよ~
ちなみに、オットは同じペットショップにいるヨウムに夢中。仲良く語らっていて、私と息子はヨウムに睨まれました(爆)

2015/12/06 (Sun) 09:05 | EDIT | REPLY |   

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2015/12/06 (Sun) 08:44 | EDIT | REPLY |   

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