あいたい 後編 類つく
見るもの聞くもの目新しい。
新しい家族。姪っ子の花ちゃんに会いに行く。
「ね、ね、姉ちゃん??」
幽霊じゃないって。
「あははっ、そうそう。進久しぶりだね。花ちゃんに会いに来たよ。うーーん可愛いね。」
「ありがとう。」
「うーん。進がお父さんなんて不思議だね」
「俺は、今の姉ちゃんにビックリだよ。」
「あははっ そう?」
「「つ、つ、つくし〜?」」
「パパ、ママ、不義理してたね。ゴメンね。」
「ううん。いいのよ。あんた元気そうじゃない」
「うん。」
パパもママも、目を真っ赤にして、あたしを抱きしめてくれる。
「そういえば、進の奥さんに会うのも初めてなんだよね。緊張しちゃうな〜」
「そっか。お祝い送ってくれたけど、全然帰って来なかったもんな」
「ゴメンね。」
トントン
「はーい」
ガラッ
「奈々ちゃん、噂の姉ちゃん」
「ほよっ、つくしお姉さん?」
「あははっ、なんの噂?はじめまして奈々ちゃん。はじめまして花ちゃん。ひゃー可愛い。ってか、奈々ちゃんも美人さーん」
「ホントだぁ〜。噂通り。」
「なっ」
2人が顔を見合わせて嬉しそうに囁きあってる。
トントンッ
「はーい。どうぞ〜」
「奈々ちゃんおめでとう」
「あっ、伯母ちゃま」
奈々ちゃんの伯母さま?
奈々ちゃん、進にもったいないような美人さんだけど‥流石その伯母様だけあって綺麗な方。
「お初にお目にかかります。進の姉の牧野つくしと申します。」
「あらっ‥ そぉう。あなたがつくしちゃん」
奈々ちゃんの伯母様まで?
うーん。あたし有名人? なんて思ってると
扉がガラっと開いて‥後ろから声がする。
「俺んちと奈々んち限定で、有名かな‥」
えっ” 懐かしい声‥ 振り向いてみたら消えてしまいそうで‥
振り向けずにいたら‥
後ろから、ギュッと抱きすくめられて
「やっと帰って来たね。」
奈々ちゃんと、伯母さまと、ママが キャッとかウフッとか言ってるのが聞こえる。
進が花ちゃんの新生児ベットを押しながら、3人を促して外に出ようとする。
「あっ、あたしが‥」
「進、奈々、10分で良いからね〜」
「「「はーーーい」」」
うふふっ キャッキャッ やったな! 声が遠ざかって消えていく。
「あいたかった。あいたかった。」
「る、る、るい?」
「あいたかった。あいたかった。あいたかった。」
「‥‥るい‥」
「あいたかった。」
「う‥ん。あいたかった。」
「ようやく帰ってきた。」
「うん。」
「もうどこにも消えないで‥」
「うん。」
ぎゅっと、ぎゅっと、抱きしめてくれる。
涙が、涙が、後から後から出て来る。
類がいる。嬉しくて。嬉しくて。
あいたかった。あいたかった。
指で涙を掬ってくれて‥瞼に口づけ一つ。もう片方にも、口づけ一つ。
そして、熱い熱いキス。
「おかえり。牧野。」
「ただいま。類。」
姉ちゃんの夢、俺がとばかりに‥弁護士になった進‥
花沢物産の顧問弁護士を請け負っている事務所で働いていて。
そこで、知り合ったのが所長の一人娘の奈々ちゃんで。
で、で、で、奈々ちゃんのお母さんと、類のお母さんが姉妹だった。
ははっはっ‥ で、進と奈々ちゃん、時々パパとママ経由で、あたしはすっかり
奈々ちゃんの実家&花沢家で有名人。
この日から、類が離れない‥
ずーーーーっと ずーーーーーっと 一緒に居る。
あいたくて、もう会ってはいけないと思っていたのにね。
隣を見ると‥類がいる。
それが可笑しく、て可笑しくて。
ううん。嬉しくて、嬉しくて。
滋さんがいつの間にやら、みんなに連絡を入れていて、翌日の夜には懐かしい皆に会った。
10年間、音沙汰なかった事に文句を言われた後は‥
皆が祝福してくれた。
「どんな事があってもよぉー、俺様にとっちゃー牧野が初恋だ。幸せになんだぞ。」
そう言って、道明寺も祝福してくれた。
離れない類は、一緒にナイロビまで、やってきて‥
コスター会長と共に、花沢の事業展開に頑張ってる。
あははっ‥
あいたくて、あいたくて、たまらなかった人。
もう2度と会えないと思っていたのに‥
ずっとずっと一緒にいる。
みんなに絵葉書を送る。
あたしと同じ褐色の肌で大きく笑う類と、ベリーショートで大きなお腹のあたしの2ショット。
来年、3人で日本に帰るよ!!
花沢つくし
もう離れない
ずっとずっと一緒
あいたくて、あいたくて、やっとあえたから。
fin
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あいたい いかがでしたでしょうか?
甘く仕上がりましたでしょうか‥
切ない思いを抱えた分だけ、あえなかった夜を沢山過ごした分だけ、
会えたとき‥ 感情がストレートに出るんじゃないのかと思います。
お題は、甘い甘いベタベタですもん♪
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