明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

白線 7

yasuは、珈琲淹れて~」
「OK~」

生ハムとチーズのオムレツに、トマトのサラダに、カリカリのトーストを、素肌にyasuのシャツを羽織ながら、2人で食べる。

カウチに2人で腰掛ける。経済誌を読んでいたyasuが、顔をあげ
「ねぇ、リリスはなんで、あっち君をそんなに邪見に扱うの?」
そう問いかけてくる。

「うーーん。質問数は?っと‥パスは何回までOK?」
「質問は5個。パスは、3回。」
「じゃぁ、パス。」

クスクス笑いながら
「じゃぁ、なんで、あっち君と会った次の日は必ず店に来るの?」
「っう。パス。」

「じゃぁ、なんで、あっち君に抱かれるの?」
「これもパス。」

「パス使いきりじゃん。」
あたしは、曖昧に笑う。


その瞬間着信音がなる。

**

眠れぬ夜を過ごして、つくしの家に向う。
チャイムを鳴らす。人の気配がしなくって‥
彼女がここに帰って来なかった事を知る。

どうせ出やしない、そう思いながらスマホをならす。つくしの声がする。愛する女の声がする。
繋がった。それが嬉しくって、バカみたいに声がうわずる。

「つ、つくし?」
冷めた声が返って来る。
「何?」
「あっ、う、うん‥ごめん。昨日は‥‥それが言いたくて‥」
「そう。それでこんなに何回も掛けてきてたの?」
「ごめん。」
「絶対に、会社の前にとか来ないでよ」
あっ、読まれてる‥ 
「‥‥」
「来ないでよ。それを言う為に電話取ったんだから。」
「わかった。行かない。明後日は会えるよね?」
「約束破らなければ行く。」
「うん。ごめん。いつもの所で待ってる。」

さよならも何も言わずに、無音になる。
はぁっー 溜め息が出る。


電話を終えたあたしに
「これはこれは、随分と非情ですなぁ~ って、あっち君?」
「‥うん。」
「随分の扱い様じゃん」
「‥…」

「じゃぁ四つ目の質問、あっち君の事は好きなの?嫌いなの?」

嘘を吐いて答えてはいけないと思わせる真摯な顔で、yasuがあたしを見て問うてくる。

「好き‥だけど嫌い‥。嫌い‥だけど‥好き‥よくわかんない。」
気持ちが、心が溢れ出しそうになる。
あたしの瞳から涙が一粒零れる。

yasuが、言葉の代わりに、あたしの髪を撫で、抱きしめてくれる。あたしは、yasuに身を任せる。

「じゃぁ、最後の質問。何が原因?」
優しく、優しく髪を撫でながら、あたしに問うてくる。

パス使い切りしなきゃ良かったなぁーなんて思いながら、あたしは答える。
「あたしじゃ、彼には似つかわしくないから。」
あたしは、涙を拭いニッコリ笑う。

そう、あたしじゃ、類には不釣り合い。全てが不釣り合いだから。それに気が付いてしまったから‥

「そう‥」
「うん。」

しばらく間を置いて
「なんだか、リリスらしくないね。」
そう言って、yasuが笑った。

あたしらしい? あたしらしいって何だろう?
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