明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

白線 8

邪見にされても邪見にされても‥
俺の心は、あんたを求める。

無音になったスマホを見つめて、また一つ溜め息が出る。
「溜め息吐くと幸せが一つ逃げて行くよ」
そう教えてくれたのは、あんたなのに‥あんたは俺に溜め息ばかりをつかせる。

こんなに辛いのなら、つくしを忘れれば良いと思う。
だけど‥あんたがいないと、俺の周りには色がなくなる。音がなくなる。香りがなくなる。
生きているのか、死んでいるのか、それさえもわからなくなるんだ。

司と別れ、あんたは一度俺の元から消えた。いやってほどに思い知った。
探して探して、再び出逢えた5年前、友達から始めた。
2年かけて、再び心が近づいた。あんたが心を預けてくれた。そう思っていた。

思いがけない大雪のあの夜‥溢れる思いを止められず、好きだ愛しいてると思いを告げて、情熱のまま、あんたを奪うように抱いた。
それが間違いだった? 

いいや、あそこであんたを抱かなきゃ、俺は一生見てるままだった。魂の一部だなんて格好つけたことを言いながら、自分を納得させて、他の男に奪われていくあんたを、指をくわえて見ているだけだったかもしれない。
そんな事は嫌だった。もう2度とあんたを失いたくなかった。
だから、雪にかこつけて、あんたを帰さずに、奪うように抱いたんだ。

あんたの身体を手に入れて、晴れて俺のもんだと思った。幸せに酔いしれた。
心も身体も手に入ったと喜んだ。

翌週、自信をもって、結婚しようとあんたに告げた。
あんたの返事は
「類は、あちら側の人だから、結婚は出来ない。」
後ろ頭を殴られた気がしたよ。


連絡をすれば、あんたはやってくる。
俺に抱かれ、俺を狂わせ、残り香だけ残して帰っていく。

あんたを抱きしめて、眠りたい。だけどあんたはそれを許さない。
あんたを見つめ、他愛無い会話を共に楽しみたい。だけどあんたはそれを許さない。

許されているのは、SEXだけ。獣のように抱く事だけ。


何度も何度も懇願した。あんたの身も心も欲しいんだと。
その度ににべもなく断られた。

「これ以上を求めるなら、もう会わない。」

そう言われてしまえば、言葉を呑む事しか出来ない。

あんたの身体は確かに俺を求めている筈。そう感じるのに‥
あんたの心が見えない。

時折ちらつく男の影に、俺は怯え、あんたの肌に花を咲かせる。
俺だけのものになればいい、そう思いあんたを乱暴に強く抱く。

あんたは媚薬の様に、俺を狂わせ、雁字搦めに縛り付けていく。

俺は,つくしあんたが欲しい。
いいや、つくし、俺はあんたしか欲しくない。
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