明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

白線 14

あたしの身体は、ゆるやかにゆるやかに毒に犯されているのかもしれない。
類とのセックスは、ゆるやかな毒のように、あたしの神経を麻痺させ、虜にする。
ゆるやかに、でも確実に、あたしは囚われる。

週に一度の逢瀬をあたしの身体は待ち望む。乱れ狂う程にあたしは抱かれる。いや、乱れて類を抱く。

類があたしの身体に与える刺激に、あたしは興奮する。
あたしの身体が、ゆるやかにゆるやかに、囚われるごとに、あたしの心は悲鳴をあげる。

あの美しい男は、あたしにとって全てが鬼門な筈なのに‥あたしの身体は、あの美しく獰猛な身体を求めてしまう。
類が、獰猛なんて感じるようになるなんて不思議だね。
あの大雪の日の間違いさえなければ、一生感じなかった筈なのに。

司と別れ、あたしは、皆の元から去った。傷ついたから? ううん。そんなんじゃない。住む世界が違うと現実を知ったから。
あたしはあたしの巣に帰っただけ。

それなのに、それなのに、あたしは類と再会してしまった。類は、あたしの心に、するりと入ってきた。
友達として、2人で食事をして、一週間分の話しをする。5年前に再会して2年間毎週のように会っていた。
仲の良い、男友達。 友達以上恋人未満の関係。それだけの筈だった。

あの日、雪が降りさえしなければ‥ 全ての交通がシャットダウンさえしなければ、あたし達の関係はこんな歪なものにならなかった筈だった。

否、それは違う‥ あの日、雪が降っていなくても、いつかこんな日が来ていたのかもしれない。
それでもそれでも‥あの日、雪が降らなければと思ってしまう。

なぜ、類は、こんなあたしを愛し続けるのだろう?類にお似合いの良い家柄の美しいお嬢さんが、彼の側には山ほどいると言うのに‥
何故あたしなんだろう?

卑屈な考え方が嫌になる。こんな考え方をしなければいけない自分が嫌になる。こんな考え方をさせる類が嫌になる。


桜色に塗られた爪を見る。桜の花びらみたいそう思う。
あたしの指にも、あたしの身体にも桜の花びらが散っている。そう思う。

類を思い、あたしの身体がジュンと疼く。野獣のように、あんなにも交わったのに‥もう既にあたしの身体は類を欲している。


「バカみたい‥…」あたしは暗闇にそう呟いた。

朝目覚めたら、ネイルサロンに行こう。そして紺色のフレンチネイルに替えてもらおう。

もう一度、爪を見る
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