明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

白線 18

京極さんの話しは、面白い。
流石、この異空間 CIRCUS を作り上げた人だ。
来月から、この人の下で働けると思うとワクワクする

ノンちゃんとトモがドリンクをとりにBarカウンターに向う。

京極さんが、「この色綺麗だね」と言いながら、何気ない仕草で、あたしの手をとり、「バイオジェルだよね?何番の色かわかる?」そう聞いてくる。「番号までは‥」そう答えながら笑う。
「カラーチャートだと紺藍かな?」なんて言いながら、繁々とあたしの指先を見つめる。
いま、この人の頭の中は、何かの構想で頭がいっぱいなのだろう。熱い眼差しであたしの指先を見つめている。それはまるで恋する男のように。

京極さんが顔をあげる。まるであたしが居た事にビックリするように
「ゴメン。つい夢中になちゃった」と誤って来る。
それが可笑しくて、2人で目を合わせ笑い合う。

テーブルに、ツカツカと近づいてくる人の気配を感じる。ノンちゃんか、トモかなと思って顔をあげる。

「久しぶり」顔を歪めて、皮肉そうに笑って立っている男が目に入る。
あたしは、慌てて手を引っ込めて、返事をしようとした瞬間
「これは、これは」京極さんが、ゆっくり微笑み類に挨拶をした。


類は、ここにあたしなど存在していないかのように、京極さんと2言3言、挨拶を交わす。

連れの女性が、艶やかに微笑んでいる。上品な装いの美しい人。こんな美しい女性が類には相応しい。そう感じた瞬間、胸にチクリと痛さを感じる。

「では、また」そう言い残し、類と美しい女性が去っていく。

「へぇ~君って、珍しいね」京極さんが、そう言いながら微笑する。
「何がですか?」意味がわからずそう聞く。
「っん?花沢氏を見ても色めきたたないからさ。」
大概の女性は、類を見て、ボッとして色めきたって、色目を使うんだと言う。

まさか知り合いですとも、彼にこれから抱かれますから別に色目も使う必要もないんですとも言えず、あたしは、曖昧に笑う。

「俄然、牧野さんに興味津々だな」そう言って、類と負けず劣らずの美しい横顔で微笑む。

ノンちゃんとトモが席に戻って来るのを見て、化粧室に行くと言い残し、あたしは席を立つ。

類から着信履歴とLINEが入っている。
1通目は
あたしを心配するLINEメール

2通目は、
淫乱女 

3つの文字が書かれている。

淫乱?可笑しくなって、あたしは笑う。

なのに‥
頬に、一筋のなにかが流れる。
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