明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

白線 20

類の美しい手首を、深紅のリボンで縛った瞬間、あたしの身体は、疼く。
違う、CIRCUS で出逢った瞬間から、あたしの身体は類を求め、疼いていた。

別れなきゃイケナイ。そう思うのに別れられない。思い切れない。

あたしと類にあるのは、セックスだけ。あたしは、自分にそう言い聞かせて、この3年間、生きてきた。


それなのにそうだった筈なのに、類から放たれた淫乱女‥この3つの文字があたしを傷つける。心が泣き叫ぶ。痛い痛いと。

でも‥ 認めちゃいけない。 認めてしまったら、あたしに残されているのは、類との別れだけだから。

傍らで、しばし眠る。子猫のように丸まって。
この世の中に、あたしと類だけだったら幸せなのに、そう思ってあたしは眠る。

暗闇の中を起き上がり、月の光りを頼りにして、衣服を探す。類を起さないように。
月夜に照らし出される類の顔はとても美しくて、そっと頬を撫でたい衝動に駆られる。

だけど、触れ合う時間は終わったんだ。また会う為に、あたしは、ここから去らなきゃいけない。

「頑に心を閉ざすのはなんで?」類に何度も聞かれた‥その度に、「あたしが欲しいのは、類とのセックスの時間だけ」そう答えてきた。

類あんたは、その度に傷ついた顔をして「嘘だ」そう言う。だけどそれは嘘じゃないんだよ。

心なんていらない。哀しくなるから。

でも‥この一瞬だけ、あたしはあんたに触れたい‥
瞳を閉じる‥ そして思い出す、あの日の事を。

あたしは禁を犯さない。


「決まった日時での、性欲処理としてなら許しましょう。それ以外は申し訳ないが、あなたを認める訳にはいかない。」

性欲処理? 何それ美味しいの?の世界だよ。
溝鼠の次は、性欲処理?
ねぇ、あたしが何をしたの?
ねぇ、どれだけあたしの尊厳は奪われるの?

だけど‥だけど‥ 自らの手で、類を失う事なんて出来なかった。
あたしを憎んで、あたしを嫌って、捨て去って欲しかった。
なのに、淫乱女の言葉だけでこんなにも傷ついている。


類の身体は、あたしを蝕んでいく。
ならば、心なんて要らないから、あたしの身体の虜になって。
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