白線 25
部屋に戻ったあたしに、京極さんが微笑む。
みっちゃんと、yasuに向って‥宣誓布告?をしている。
「俺も、3人の輪に入れてもらう事にしたから。」yasuとみっちゃんが、「じゃぁ、じゃぁ、2人の男と2人の女で普通にカップル成立じゃん」なんて言いながら、ガハガハ笑ってる。
うーーーん。そうか、冗談だよね。冗談。あのキスも冗談だよね。あたしは、安堵する。
京極さんがニヤリと笑って
「冗談じゃないよ。」そう言って、グラスを煽る。
もう、飲むしかないとばかりに、ワインをあける。流石、セレブ。置いてあるワインどれもこれも美味しい。
4人でバカみたいに、ワインを煽る。一体何本のワインを空けただろう、バカみたいに飲んで、バカみたいにはしゃいだ。
翌日は、あたし一人が二日酔い。
「絶対、不公平。3人の方があたしの倍くらい飲んでるのに」あたしが文句を言うと
「安上がりでいいじゃん」みっちゃんが綺麗な顔で切り捨てる。
4人で惰眠を貪り、遅めのブランチをした。
帰りは、みっちゃんとyasu。京極さんとあたしで、分乗した。
京極さんは、ビックリするほど、話題が豊富だ。海の事、ワインの事、建築の事、どれもこれも楽しく話してきかせてくれる。
ビックリしたのは、感性が似ていた事。話していて何しろ気軽なのだ。
「牧野さんって、やっぱり面白いよね」
そう優しく笑う。
あたしは、この人に聞いてみたくなる‥
「ねぇ、京極さんには肉体関係者っている?」
「っん?セフレってこと?」
「ううん。肉体関係者」
しばし考え込んだ後に
「肉体関係より深い仲ってことだよね?」
妖艶に微笑む。
「うーーーん。そうなるのかな。」
「って、牧野さんには、そんな男が居るってこと?」軽く聞いてくる。
「あははっ、わかんない。」
あたしは、笑って答える。
「俺、セックスするだけの女ならいっぱいいるけど、どれも特定じゃないし、続けて会いたいとも付き合いと思わないな。」
「それって、虚しくないの?」
「肉体関係者って、平然とした顔して言うより虚しくないよ。」
ズキンっと胸が痛む。
「あのさぁ、俺なら牧野さんにそんな事言わせないよ?」
あたしは、思わず吹き出す。たった今、やる女には事欠かないって言った口で‥よくそんな口説き文句が出るなって。
「あっ、マジだと思ってないでしょ?まぁこれから時間はあるし、多分俺、牧野さんの直属の上司になるし、ゆっくりでいいや。」
あたしのマンションの前で、「じゃぁっ」と手を振り、京極さんの車が発進する。
部屋に戻ったあたしは、色んな事があった週末だったなぁーと、ぼんやり思った。
カーテンをしめるのに、窓辺に寄ると、類の車が見えた。そっとあたしは、カーテンを閉める。
あたしは、知っている。時折あんたがあたしの家の前に車を止めて、あたしの部屋を見上げる事を。
猾いよね。
拒絶した言葉しか投げつけないのに、こうやってあんたが、あたしの部屋を見上げる事が嬉しくて嬉しくてたまらないなんて。
猾いよね。
あんたとは、身体の関係だけって決めてるのに、こうやって心を縛り続けようとするなんて。
猾いよね。
類が少しでもあたしの虜になればいいと思って、痴態の限りをしつくすなんて。
猾いよね。
自分だけ傷ついた振りをするなんて‥
だけど、だけど‥もうちょっとだけ、あとちょっとだけ一緒にいさせて下さい。
みっちゃんと、yasuに向って‥宣誓布告?をしている。
「俺も、3人の輪に入れてもらう事にしたから。」yasuとみっちゃんが、「じゃぁ、じゃぁ、2人の男と2人の女で普通にカップル成立じゃん」なんて言いながら、ガハガハ笑ってる。
うーーーん。そうか、冗談だよね。冗談。あのキスも冗談だよね。あたしは、安堵する。
京極さんがニヤリと笑って
「冗談じゃないよ。」そう言って、グラスを煽る。
もう、飲むしかないとばかりに、ワインをあける。流石、セレブ。置いてあるワインどれもこれも美味しい。
4人でバカみたいに、ワインを煽る。一体何本のワインを空けただろう、バカみたいに飲んで、バカみたいにはしゃいだ。
翌日は、あたし一人が二日酔い。
「絶対、不公平。3人の方があたしの倍くらい飲んでるのに」あたしが文句を言うと
「安上がりでいいじゃん」みっちゃんが綺麗な顔で切り捨てる。
4人で惰眠を貪り、遅めのブランチをした。
帰りは、みっちゃんとyasu。京極さんとあたしで、分乗した。
京極さんは、ビックリするほど、話題が豊富だ。海の事、ワインの事、建築の事、どれもこれも楽しく話してきかせてくれる。
ビックリしたのは、感性が似ていた事。話していて何しろ気軽なのだ。
「牧野さんって、やっぱり面白いよね」
そう優しく笑う。
あたしは、この人に聞いてみたくなる‥
「ねぇ、京極さんには肉体関係者っている?」
「っん?セフレってこと?」
「ううん。肉体関係者」
しばし考え込んだ後に
「肉体関係より深い仲ってことだよね?」
妖艶に微笑む。
「うーーーん。そうなるのかな。」
「って、牧野さんには、そんな男が居るってこと?」軽く聞いてくる。
「あははっ、わかんない。」
あたしは、笑って答える。
「俺、セックスするだけの女ならいっぱいいるけど、どれも特定じゃないし、続けて会いたいとも付き合いと思わないな。」
「それって、虚しくないの?」
「肉体関係者って、平然とした顔して言うより虚しくないよ。」
ズキンっと胸が痛む。
「あのさぁ、俺なら牧野さんにそんな事言わせないよ?」
あたしは、思わず吹き出す。たった今、やる女には事欠かないって言った口で‥よくそんな口説き文句が出るなって。
「あっ、マジだと思ってないでしょ?まぁこれから時間はあるし、多分俺、牧野さんの直属の上司になるし、ゆっくりでいいや。」
あたしのマンションの前で、「じゃぁっ」と手を振り、京極さんの車が発進する。
部屋に戻ったあたしは、色んな事があった週末だったなぁーと、ぼんやり思った。
カーテンをしめるのに、窓辺に寄ると、類の車が見えた。そっとあたしは、カーテンを閉める。
あたしは、知っている。時折あんたがあたしの家の前に車を止めて、あたしの部屋を見上げる事を。
猾いよね。
拒絶した言葉しか投げつけないのに、こうやってあんたが、あたしの部屋を見上げる事が嬉しくて嬉しくてたまらないなんて。
猾いよね。
あんたとは、身体の関係だけって決めてるのに、こうやって心を縛り続けようとするなんて。
猾いよね。
類が少しでもあたしの虜になればいいと思って、痴態の限りをしつくすなんて。
猾いよね。
自分だけ傷ついた振りをするなんて‥
だけど、だけど‥もうちょっとだけ、あとちょっとだけ一緒にいさせて下さい。
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